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昔は商社が花形だった
2018/05/06 08:43
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投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和なお話で、実際にあったことがフィクション的に書いてある。派閥のお話や大プロジェクトの話は、時代を超えて興味深い。
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大昔、NHKで「ザ・商社」を観たことがあった。日本の10大商社の一角だった安宅産業崩壊のドラマを松本清張の眼でとらえた小説である。コレを久々、オンデマンドで観て無性に原作を読みたくなり、読んだ次第である。オンタイムで安宅の崩壊を見た小生にとって誰それの勇み足が原因だった等々の話ではなく、組織の中での人間関係、エリートに見える人々の劣等感、焦燥感、無力感の中での葛藤が描かれていて長い小説ではあるが一気に読んでしまった。そういった人間模様はTVドラマより原作の方がよりいっそう判るので、大変読み応えがあった。
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連載小説だからか、同じ情景が繰り返し繰り返し描かれていえ読むのが大変。
この話の中で損をしたのが誰かは明らかだが、誰が悪かったのだろうか?何に問題があったのだろうか?とつらつら考えているうちに、Google earthを見たくなり、come by chanceへ飛んでみて驚いた、そこには石油タンクが並び、Refineryのような設備が立ち並び、近隣の町にさらに石油タンクが並んでいる。
結局儲かったのは、カナダ政府・州政府だと言うことだろうか、そしてサッシンが得た莫大な資金、これはどこへ消えてしまったのだろうか?
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NHKドラマ「ザ商社」の原作。安宅産業の崩壊と人物模様をテーマにしている。(小説内では、江坂産業)人物設定はフィクションと思い込んでいたが、実在した人物を多少の脚色を交えながら描いていることを知った。ドラマで、ハワイ日系二世の出自をコンプレックスに抱えながら、江坂アメリカ社長として、原油精製プロジェクトを推進していく役を演じた山崎努をイメージして読んだ。夏目雅子も出ていたドラマ、もう一度観たいな。
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別に殺人だの何だのは起こらない、ビジネス取引の話だけど、ミステリって書いてあるから便宜上。
正直なところ、ハズレの清張である。
オイルショックの時分に、石油の輸送経路などだけでなく、プラントの機械から、企業の融資や買収などに関してまでを精力的に調べてあり、それがストーリーに生きているあたりは、さすが清張というところである。中には、英文での契約書までつくり上げるのだから、なかなか最近の作家にはできない芸当であろう。
しかし、どうにも調べた資料が表面的で、大きなストーリーの中では上滑りしているところがある。また、株式などの話が絡んでくると、清張らしくもっとドロドロとすると思うのだが出てこない。良く言えばドライ。悪く言えば浅い。
作家問わず資料引き写しの文章は、結構読んでいると辛く、なかなか読み進められないのが特徴で、この本も精油プラントの内容やトラブルといった、中盤辺りが非常に読みづらい。
最後で、いろんな伏線が拾われていくのだが、もうそこでは話が終わった感が有り、社主の古陶器の「見る目」の話っていらんのじゃないの?と思わせられた。一番最初から引っ張るだけの意味合いがどうにも。まあ、社主も同罪という方向にしたかったのかもしれないが。
また、どうでもいいようで非常に気になるのが、清張が無理して書いている大阪弁である。少し前に読んだ「黒の回廊」でも同じことを思ったのだが、どうやら清張は大阪弁の研究はまったくダメだったようだ。
「~だす。」なんていう語尾を頻繁に使う大阪弁なんか有るか。本書では大阪弁と標準語で人物のキャラクター付けをしているので、「だす」のたびにずっこけてしまった。
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2015.7.27
安宅産業の事実上の倒産、伊藤忠との合併の話。全く知らなかった。
最後の社賓の表情が印象的。玩具を壊すかのように、会社を壊したと。
会社はこうなったら終わりなんだと。他人に口出しするひつありますね。
あとは、誰もがコンプレックを持ってんだなと。それを力にするか、腐るかの違い。
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ミステリーではなく安宅産業をモデルにした企業小説。
連載作品だったせいか、同じような描写が繰り返されることがあり。なぜ単行本化の際に削らなかったのか?
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松本清張はこんなビジネス小説を書いたのかと感じた。古美術、海外金融、石油精製などくどすぎるほどの薀蓄が盛り込んでいる。戦後最大な破綻と言われる安宅産業破綻の背景を知ることができる。
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総合商社の安宅産業の倒産の引き金となったオイル取引についての経緯が描かれている。社主が収集した垂涎の陶磁器、安宅コレクションは、現在、大阪市立東洋陶磁美術館に収蔵されている。