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投稿者:伊藤竜太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の内容は音楽に関するものではないが、まったく無関係な事柄ではない。
ドラッグで音楽を作っていた時代は確かにあった。現実から離れて妄想の中に創造の源を求め、幻想と思想の狭間で排泄されるイマジネーションの泉によって、枯渇していた戦後の若者たちの魂は癒されるかと思われた。だがその後、現実逃避によって生み出されるものなど何もないと人々が気づき始めた瞬間に共同幻想は崩壊し、本来の創造の基盤を失いつつあった音楽そのものが失速して行ったように思う。
何のために音楽を創り、演奏し、聴くのか。癒されるためか、逃避するためか、踊るためか、狂うためか、見つめなおすためか。ドラッグに染まって行くミュージシャンは多いと言われる。
実際に私もそういうミュージシャンを何人かこの目で見て来た。繊細だから、傷つきやすいから仕方がないのか? ドラッグがどれだけ、どのように人を狂わせるのかをこの書物がじゅうぶんに語っている。音楽が魔をおびき寄せるのか? 音楽が人を狂わせるのか?
そうではない。人が人を、自分が自分を狂わせるのだ。
あなたが今聴いている音楽は素晴らしいですか? 聴いていて楽しいですか? きっと今は楽しいでしょう。でも、聴いて残るものはありますか? 癒されていますか? もし答えがNOならば、癒されぬ楽しみの末路を本書の中に学ぶべきでしょう。日本社会に蔓延している創造なき消費の罪から、足を洗うために。
(伊藤竜太・フリーライター)
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いやあー大変。行きはヨイヨイ帰りは怖かった!ちうクスリに呑まれてしまった方のお話し。
そうそう。ある友が酒は「呑む」でそれ以外の飲料は「飲む」を使用するっておっしゃってましたが、
液体に関しては「飲む」、条件や錠剤の時は「呑む」なんだよねぇ。って何の話をしているのだか。
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え!?こんなに真実を素直に書いていいの?
作者は犯罪者。ドラッグ中毒者。これほどリアルなドラッグ&セックスな作品はない。
ボクらが物語でしか知りえなかった興味深い世界。知りたかったドラッグなトリップの世界が書かれている。
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薬物中毒者の取材で、自身がドラッグ漬けになんねんけど、ノンフィクションだから超リアル!!
ドラッグこわい!!
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覚醒剤手記。
この後この人逮捕されるけど、こんな文章を世の中に出したのは、この人が初めてじゃないかな・・・
超リアルにSをやってる人達が見られる。
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単純に薬の怖さを表現するのでなく、壊れて悲しいというわけでもなく、ただひたすら胸糞悪いだけだったりする。他の人には書けない良さですね
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東京で麻薬ルポに挑んだライター石丸元章が取材という建て前でジャンキーになり、好きなようにキメまくって、逆に麻薬中毒者Aとして取材される立場に成り下がるばかりか、あとがきを書いている時点で拘置所にいるというすばらしいオチがつく記録。
石丸の麻薬に対する考え方は、社会的なモラルの枠組みからは絶対に語られない。石丸にしても中島らもにしても、それからバロウズにしたってそうで、彼ら表現者にしてみたら敗退的ライフスタイルそのものが存在意義のようなところがあるから、こちら側からすると”腹をくくった人たち”としての憧憬こそあれ、尊敬はできない。
この人はそういう尊敬してしまうわけにはいかない偉人の一人である。
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すごかった。文章がすごい。キレてて、ものすごくカッコイイし、汚いけどキレイ。大昔にバロウズ読んだときのことをうっすら思い出した。ホントのことが見えてくるのをちょっと覗かせてもらえる感じ。神経が鋭がる感じ。
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薬物の実態取材と言いながら自ら薬物の
世界に浸食していく崩壊物語。
面白い。
あとがきも読むと尚更。
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ドラッグの使用の是非はともかくとして、ノンフィクションとしてつまらなかった。
DQNが得意げに武勇伝(笑)を語ってる…そんな感じ。
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楽しい悪ふざけから精神病になる転落までを描いている。脳みそが肉離れしちゃった★
最後のほうは行間なく、ちょっと読みづらく感じたな。
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スピード(覚せい剤)の取材のつもりがハマってしまい、最終的に壊れていく、ドキュメンタリー?一部はそうだろうけど、ほとんどの部分は半分妄想が入っているように感じる。
渋谷のチーマーの取材から、そのボス周辺で取引されている薬物を入手し、取材がてらいろいろ手を出してみる。しかし、スピード(覚醒剤)は即効性と多幸感ともにサイコーだった…。
一応、元プロのライターで、ラジオのDJをやっていたということだから、喋りにも定評が有ったのだろうが、最初のチーマーの話の部分から、プロの書いている文章と思えない。これはこうと言われているけれども、実際にはこうだった、というような説明はほとんどなく、誰それから手に入れた、ヒャッハー!というような文章が続く。
覚せい剤に触れている部分を含め、中間部は呼んでいて辛い。文章が辛いのもあるが、何もかもメチャクチャなことと、夜の街にたむろしている人の多くは、薬物をやっているのが当たり前のような部分がなお辛い。
1990年台はともかく、2000年代前半には、多くの有名人が覚せい剤で捕まったが、いや、ひょっとしたら、夜の街で酒で酔っ払っていると思っていた人たちはそうだったのか、知り合いにもいたのか?と思わせられてしまう。その辺が本当にリアルで怖い。
終盤に、いよいよ禁断症状が現れ、一旦の終息を迎えるが、その部分でなんとか救われた。
まあ、夜の街での武勇伝のうち、本当に有ったのかなかったのかは定かではないし、脚色もかなり含まれているのだろうけど、非現実が現実に交錯したようなフワフワした状況は、現場ではそうだったのだろうと思う。呼んでいて気分の良いものではないが。
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青春小説を読んでるような…と言ったらだいぶ誤解を受けそうだけど。
読んでいる時はめちゃくちゃ楽しい。笑える。
後半で一気にダウンする。アップダウンの差が激しすぎる。そして語られる陰鬱な結末。
途中まで読んでる時は面白おかしく読んでいて、つられてギャグみたいでこちらも笑えてきて、そんな面白い非日常が砂で作っただけのものでしかないと後半で気付かされる構成。
読み終わって2時間してふと思い出した時に猛烈に怖さが押し寄せてくる。
途中の、吹き出したあのシーンが薬物で作られた幻覚なのだからとてつもなく怖いと思う。
不謹慎だけど途中まで薬物に少し興味を持ってしまった。
笑い転げた彼らは確実に破滅に向かっていたのかしら。薬物でラリってる場面で同じように笑った自分が正直怖い。彼らだけを異常者と呼べない。
ただあの瞬間だけは、誰よりも濃い今を生きていたのかも知れない。
薬物取材のつもりが…ミイラ取りがミイラに…。
明確に意思を持って「ドラッグはダメだよ」とか、「薬物やめますか?人間やめますか?」よりも、面白おかしく笑える分こちらのほうが怖さが伝わる。
読んでて楽しかったもん。こりゃ薬物は無くならないわけだ。
この本の読後感自体がドラッグの追体験のようなのもまた面白い。
副作用のないドラッグ『スピード』(本のタイトル)