紙の本
二階堂蘭子、颯爽たるデビュー
2020/11/23 12:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のデビュー長編。同時に名探偵・二階堂蘭子のデビュー作品でもあります。
蘭子の友人一家を襲う、息つく間もない連続殺人と不可能犯罪。事件の陰に見え隠れする、地獄から帰ってきた怪人。その凶行に唯一対峙しうる名探偵の活躍。
良くも悪くも時代錯誤な物語は、しかし、探偵小説の原始的魅力を持ち、一部の人間を捕らえて放さないでしょう。
本作はトリックが若干凡庸ではありますが、雰囲気は十二分。古き良き探偵小説世界の開幕です。
紙の本
事件を論じながら、何かとカーの本を引用するのが彼女の癖だった
2003/06/29 13:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和42年冬。東京国立市。閑静な住宅街に出没するのは、外套を身にまとったミイラ男。包帯の隙間から邪悪な色に目を光らせる怪人が告げる目的は「復讐」。そして怪人と女子高生、二階堂蘭子が対峙したとき、既に惨劇の幕は切って落とされていたのだ!
江戸川乱歩を彷彿とさせるミステリーの登場です。それも古典とか王道というより「先祖返り」的。少年少女の前に出現する、いかにもな怪人に、繰り広げられるのは実業家一家を襲うおどろおどろしい連続殺人(密室付)という、乱歩の大人向けと子供向けを足して割ったような雰囲気の物語です。登場する名探偵が、職業探偵や犯罪研究家ではなく、女子高生というところだけが現代的な部分でしょう。
また巻末にまとめられた語り手による注釈は、古典ミステリーの豆知識や事件の手がかりを整理したものなどが書き出されています。単なる解説に留まらず、作品の一部として本編とかわるがわる目を通す必要もあり、楽しみでもあり、ちょっとした読み物になっています。
面白い“探偵小説”を読みたいという人へのオススメです。
電子書籍
玄人向き?
2015/09/06 00:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鯉に恋するお年頃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
二階堂黎人初読。登場人物がいろいろな作品の引用をすることが多く、それに対して注釈が付いていましたが、かなり多いので巻末にまとめていて読みづらかったです。終盤の聖書のくだりにはついていけなかったし、女子高生探偵の設定にも納得しかねるところがありました。乱歩調の雰囲気は人によっては気に 入るかもしれませんが、個人的にはいろいろとひっかかるところがあり、あまり好きにはなれない作品でした。
投稿元:
レビューを見る
推理もの、なのですが、おすすめポイントはそこではありません。
一応評価するならですが、絶賛する人と酷評する人の差の激しいところからして、雰囲気を飲めればとってもオモシロイかな、と思います。
わたくしのポイントは、完成度やトリックの構成ではなくて、本作から一連のシリーズとなっていく探偵であるところの「蘭子」という人物です。
なんというか・・・どうしても好きになれないヘンな人物と思うのですが、なぜか続きを買って、蘭子が何をするのか知りたくなるのです。
好きな人にはこうもはっきり言うとまずいかな・・とも思いつつ、はっきり言いましょう。
わたくし、彼女が次はどんなイヤなことを言ってくれるのか、イヤンな行動をとるのか、それがとても楽しみなのです。
シリーズが続くうち、蘭子はかかなりひどい目に遭い、死にかけたりなどするのですが、何故か「かわいそう・・・蘭子ちゃん・・・」などということは全く感じず、そこもまたフシギです。
投稿元:
レビューを見る
如何にも戦時のおどろおどろしさを現した舞台や登場人物。大仰な言葉回しは滑稽でもあるのだけど、まぁそれがこの作者の持ち味。
投稿元:
レビューを見る
生々しい描写が得意ですよね、二階堂さんは。とりあえず面白い。これだけは言えますね。それとオカルト的な要素が高いです。ですから結末に納得のいかない人は大勢いると思いますね。
投稿元:
レビューを見る
女子高生探偵・二階堂蘭子初登場。十字架屋敷と呼ばれる邸宅に「地獄の奇術師」と名乗るミイラ男が出現し、復讐のためと称して一家皆殺しを予告する。蘭子シリーズに共通しているのは江戸川乱歩を意識したような(蘭子も乱歩から来てる?)怪奇&耽美趣味。雰囲気づくりと科学捜査を避けるためか、昭和40年代に時代設定してあります。古典推理小説にちなんだ注釈が至る所に入っており、楽しめる人と煩わしく思う人と賛否両論でしょう。私は後者ですが。古き良き時代の本格名探偵モノへの情熱に、著者の筆力がついて行けず乖離している感じが残念。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに読んだミステリー。
二階堂黎人は初だったけど、途中で大筋は読めてしまって、へ〜って感じ。
文章のせいか、内容ほどオドロオドロしい雰囲気は伝わってこなかった。
ミステリー好きな人にはたまらないのかもしれないけど、エラリークイーンとかの引用をいろんなとこに持ってこられても、「ああそうですか」としか感じらんないんだよね、清涼院流水とかのがひどかったからそこまで感じないけど。
まぁ楽しめたかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
注釈が多くて、いろんな推理小説を引き合いにだしてるから、題名のものは注釈をみないように気をつけていました。
しかし、題名じゃないもので「?」と思うものがあったので注釈見たらネタバレが・・・。
投稿元:
レビューを見る
十字架屋敷と呼ばれる実業家の邸宅に、ミイラのような男が出没した。顔中に包帯を巻いた、異様な恰好である。自らを「地獄の奇術師」と名乗り、復讐のためにこの実業家一族を皆殺しにすると予告をしたのだ。「地獄の奇術師」の目的は何なのか? 女子高生で名探偵、二階堂蘭子の推理が冴え渡る、本格探偵小説!
投稿元:
レビューを見る
端々の台詞とか終わり方なんかは意外と好きなんですが、如何せん注釈が多すぎて読むのに苦労しました。文章も地の文は結構くどい感じで進みにくい。でも蘭子シリーズはもう少し読んでみようと思います。
投稿元:
レビューを見る
本作の話には一部キリスト教の話が含まれていましたが、まさかそれがここまで大きくかかわっていたとは驚きです。悪魔ですか、しかし・・・・
最後の犯人の顛末あたりが、神がかりにしてしまうのは少しもったいない気がしました。(始まりの部分と終わりの部分はいるのか)
投稿元:
レビューを見る
十字架屋敷に出没した木乃伊のような様相をした不審人物。
彼は自らを「地獄の奇術師」と称し、復讐の為十字架屋敷の住人を皆殺しにすると予告したのだ!!
女子高生にして名探偵、二階堂蘭子の推理が冴え渡る、本格推理小説!!
投稿元:
レビューを見る
二階堂蘭子シリーズ
暮林家連続殺人事件。顔の皮をはがれた女。三重密室で殺害された男。
暗躍する「地獄の奇術師」と名乗る怪人物。
暮林家が帰依するキリスト教の神父ダマンに隠された秘密。
1997年9月11日購入
1997年10月27日初読
2009年6月25日再読
投稿元:
レビューを見る
いまごろですが初・二階堂です。もっと詳しかったらもっと面白かったんだろうなぁと思うと自分の知識の狭さが悔やまれます。
やっぱり探偵ものっていいな。これはここから始まるシリーズなのかな?これから読めると思うと楽しみです。
でもこの人が犯人っていうのはあまり好きじゃなかったです。