紙の本
やるせない憤りを感じながら…
2006/08/04 20:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のら - この投稿者のレビュー一覧を見る
やるせない憤りを感じながら読みました。特攻兵器である人間魚雷「回天」の乗組員に志願した、野球部元エースである並木が主人公。扱いは小さいけど、弟のエピソードにもやりきれない気分に。宗教的な意味はないけど、人間には人間らしく生きる権利がある、とつくづく感じました。
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横山さんは戦争物も上手い……!決して湿っぽい文章ではないのに、死というものに直面し、翻弄される並木の心情がよく伝わってきて、たかが小説、たかが文章と思っては読めませんでした。(2006.07)
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この本を読むまで「回天」という言葉を知らなかった。海の特攻隊、絶対に生きては帰れない。好んで回天部隊に入隊したわけではない主人公が、だんだん「なんとしても死にたい」と心が変わっていくあたり、心がくだかれた。
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第一号は、今日読み終えたばかりのこの本。
横山秀夫氏は、ドラマ『顔』や映画『半落ち』でしっていて一回は読んでみようと狙っていた。そして、今回の本の買いあさりに置いて、念願を果たすことになった。
海の特攻たる回天に乗り込むことになった青年の話。野球青年たる彼は、肘を壊し、選手として再起不能とまでなるが、それでも尚、投げたいとの一心で野球に取り組んできた。そして、一つの光明たる「魔球」。それを作り出すために、日々勤しむ。けれど、時代はそれをゆるさなかった…。
一人一人がとても丁寧に書かれていて、特徴が掴みやすい。文章も大変読みやすかった。
いつのまにか、特攻や出生していく若い世代として書かれた人たちより、年上になっていた。
自分より若い人たちが、家族の為に、国の為にと死んでいく。
こういう時代だから仕方がないと言ってしまえば、それまでだけれど、そら恐ろしく、そしてとても哀しい。
ラストは、家族の目もはばからず号泣してました。
死ぬことを前提にしてでしか、戦場にいけない彼ら。死ぬその日まで、訓練にあけくれる。そして、死ぬその瞬間すら、暗く狭い魚雷の中で、たった一人で死んでいく
「己の中の戦争だ。」
そういった、並木の言葉がわすれられません。
そして、死ねなかった者たちへ対しての仕打ち。
戦争の悲惨さを、もう一度考えさせられた作品です。
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大昔、20年ほど前、
妹が通っていた歯列矯正の病院で回天の漫画を読んだ記憶がある。タイトルは覚えていない。
神風特攻隊しか知らなかった
私には衝撃的な内容だった。
爆弾を抱えた飛行機で
敵に体当たりをするのではなく
もともと、人が乗るものではない
魚雷を改造して人を乗せる
という作戦に言いようのない
モヤモヤを子供心ながら感じていたのだと思う。
ただ、一番涙が流れたのは、
美奈子さんの最初の手紙の追伸。
これは、個人的事情によるものですが、読了後、美奈子さんの手紙部分だけを読んで泣いている困ったチャン。
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潜水艦特攻隊、回転に乗った元野球部ピッチャーの青年の話。この小説の話のように、自分と同年代の若者達が、自分の夢や希望を諦めて、国の為に命を投げ出さねばならなかった事を思うと、切なくやり切れない。戦争の残酷さを深く考えさせられる小説です。
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とても読む力がいった一冊。時間がかかりました。主人公は並木だけど、ひとりひとりの想いが強くつたわってくる。誰も物語の中でないがしろにされていない。「回天」の真実を横山さんが描いてくれたことによって、より現実的にこの人間魚雷を、知ることができた。そして、青年のかすかで大きい夢をうばった、過去の日本にたまらなく辛みを覚えた。
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甲子園優勝投手が、人間魚雷「回天」に乗ることになってしまった。その心の動きが、実にリアルに(ありそうなお話として)伝わってきました。
2006/9/4
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戦争を通して、生きること、死ぬこと、大切な人をまもるということ…
その全てが伝わってきました。
戦争だけで、全てが伝えられるということ。
それはまた、戦争が全てを奪い去ったということでもあるのだ。
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「回天」が人間魚雷と知り、それ以降、避けてしまっていたのですが…映画化とあり、本書を読みました。戦争はいけない事と言うのは周知の事でしたが…本を読む形で触れ、あらためて戦争の愚かさ、哀しさを知るのは良い機会にめぐり合えたと思いました。是非、涙しながら呼んで欲しい一冊です。
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特攻魚雷「回天」。戦争末期に回天搭乗を志願した人たちの物語。
大雑把ですが、
戦時の方々の状況は自分の想像をはるかに越えますが、
この本を読んでて結構鳥肌立ちました。
一気に読めます。
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結末には驚いたが
内容は素晴らしい。
生きること、死ぬことが
あの時代どういうことだったのか
少しわかった気がする。
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「横山秀夫さんが書いた戦争小説だ」と思って読んだので、
なんかいろいろ期待しすぎて「あれ?」って思う部分もあったけど、
やはり最後は泣かされました。
「夢」も「人生」も奪ってしまう戦争。
こんな悲劇が二度と起こらない事を祈るばかりです。
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一気に読んでしまった。
人間魚雷『回天』なんて、初耳だったし、戦争の中にある人々の物語がとても悲しく、辛く。
ゾッとしながら、涙をこらえながら読みました。
これを読めば、戦争なんてひとつも良いことないやん!!って誰でも思うはず。
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戦時下、大きな流れによって死を強制される人達の生き様。国の為、家族の為、愛する人の為。それぞれの理由を探し自ら死んでいく純粋な意思が羨ましくもあり恐ろしくも感じる。