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紙の本
ちょっとした「思い」が捨てられない。
2001/04/22 16:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:上六次郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は短編集であり、それぞれの作品で様々な女が描かれている。しかし作者は女を書くことによって、その女に関わる男の心情をあぶり出していく。だからこの本に出てくる男と女の関係はハッピーな恋愛でもなければどろどろとした愛憎劇でもない。ちょっと心を揺さぶられた男の思いの集まりである。
「走る女」では光子という女性が出てくる。「ぼく」の思い出の中では彼女はいつも走っているのである。出会いから別れまでの話が書かれているのではあるが、そのすべてのやりとりは「ぼく」にとってはもはや幻なのかもしれない。しかし走る女は光子を思い出させ、光子が走る姿は「ぼく」にとってはまぎれもない現実の一コマなのである。
「クロスワード・パズル」では香水が、「イアリング」ではイアリングをはずす動作が昔のことを思い出させることになる。
過去のことだといって忘れてしまうこともできず、かといっていい思い出として大切に保管しているわけでない出来事がある。私たちはそんな思いを日常は胸の内にしまい込んでいる。作者は決して大騒ぎをするのではなく、読者の心の奥に眠っているものに対して小さな波風を立てる。そして私たちは読後に心地よい余韻に浸ることができる。そんな短編集である。
紙の本
ちょっと、切ない、かな?
2001/10/05 22:06
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投稿者:女王様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
やっぱり、男側から見る女の姿っていうのは、きれいだね。どの女、も、生々しさがなくて、でもちょっと痛い、感じがして、切ない・・かな?
紙の本
あまい男
2002/07/17 14:50
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投稿者:りゅうこむつみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐藤正午の書く男っていうのは結構自分勝手かもしれないよ。
そう聞いていたので私は別にそうショックとかも受けなかったし「ふうん」というくらいの余裕を持って読むことができた。
しかし。
女ってそう都合よくできちゃいないよ?
なんて思ったりして。
もしも世の中の男がこれを読んで、ああそうか俺もこんな風に思っていたらいいんだ、何ていったら殴るけどね。
そんなに甘くないっつーの。
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