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紙の本
十四皇子 ドルゴン
2009/05/23 17:01
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:満洲族 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国駐在中に、中国清朝の太祖ヌルハチの第十四皇子ドルゴン(多爾袞)が主役の歴史ドラマを観ていて、『カッコいい男だなぁ...』と思い、もっと詳しくドルゴンの事が知りたくなって、彼についての本等がないかなぁ...と探していた際に、この本に出会いました。
この本は小説でありながら、テレビドラマで見ていた際に感じた、ドルゴンに対する印象とこの本に書いてある内容が重なる部分があり、非常に熱中してあっという間に読みきってしまいました。
私の家内も、中国の北方少数民族の満洲族なのですが、家内にこの本の内容について教えたら、『いまの満州族の人間でもドルゴンについてそれほど知っている人は居ないよ』と言われ、ちょっと尊敬されました!
清朝皇帝という時代の主人としてではなく、父ヌルハチが崩御した際、母親の殉死の一件で、兄への増悪を感じながらも、自分自身と同じ価値観を持ち、信頼できる兄 皇帝ホンタイジの補佐役として生き、そして新しい時代の主流を作ろうとする男、ドルゴンの魅力が感じられるいい本だと思いました。
紙の本
英雄ドルゴンの一代記
2005/10/02 20:00
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:江葉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドルゴンがいなければ、清は中国に君臨することはできなかっただろう。
政治力・軍事力ともに清初の武将の中で随一であり、
最大の権力者だったドルゴン。
彼の一般的なイメージは幼帝(順治帝)を擁し摂政王として権力を
ほしいままにした男。
さらに、順治帝の生母を娶ったという破廉恥な男。
有能だが、何か暗いところのある悪役的なイメージが強い人物である。
歴史小説で登場するとき、ドルゴンは倣岸な権力者という描かれ方が多い。
そのドルゴンのイメージを一変させるであろう小説が本書である。
女性作家らしいこまやかな心理描写で繊細なドルゴンを描き出した。
ホンタイジ時代を中心に描き、若きドルゴンが魅力的である。
どう違うのかは、ぜひこの小説を読んで確認して欲しい。
読了後に今までと違ったドルゴン像が印象付けられるだろう。
作家によっていかに人物の見かたが変わってくるかという好例だろう。
紙の本
王佐の才
2021/01/27 23:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:okika - この投稿者のレビュー一覧を見る
全くドルゴンという人物を知らぬまま、井上祐美子さんの作品が好きで購入しました。
端的に言って、よく買った自分!とあの日の自分を褒めたいと思います。曹操の荀イク(漢字が使用不可のようで、カタカナで失礼)、劉備の諸葛亮ではないですが、ホンタイジを支え建国期の清を支えた男の一代記です。常に自分の在りようを探しつつ、粛々と動くドルゴン。歴史上の人物ですが、彼の幸せを祈ってしまいます。
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