シリーズ何冊か目に読むのがお勧め
2003/11/25 08:43
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投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
——目に見えないモノ。
形のないモノ。
何処かにあるモノ。
失くならないモノ。
だから“本当”は絶対なのです。
人気シリーズ第7弾です。
例によって奥が深そうな著者の言葉。
物語を読了後、必ず読み返して意味を考えてしまいます。
明確に「これは、こういう意味だ」と判断できたことは一度もないのですけど、言葉の意味と物語とを照らし合わせてあれこれ考えてみるのは、楽しい作業です。
「退屈凌ぎではない、映画のような人生を」。このメールを受け取って、ネット上から消えた8人の謎を追う車谷エリカと道長円。病院から失踪した11人を調査する座木とリベザル。4人の惨殺事件を捜査する高遠と葉山。三つの事件が錯綜する中、傍観を決め込む秋。
いつもながら、秋のかっこいいこと! そして、今回はこれまでに出てきたキャラクターが何人も出てきてとても楽しいです。が、以前の話を読んでいないと楽しさも半減すると思うので、前回までの物語を読んでから本書を読まれることをお勧めします。
ミステリからファンタジーに衣替え?
2002/06/09 18:05
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投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格ミステリ=探偵小説とするならば、本書はその枠から完全に外れている。ラストの謎解きまでにヒントをちりばめておき、読者に推理する楽しみを味わわせるのが探偵小説だが、本書にはそれが全くない。どんな形であれ不思議なものを「謎」と呼び、「謎」をミステリとするならば、本書もれっきとしたミステリ小説だが、イコール探偵小説ではないことだけは確かだ。
シリーズ7弾となる本書は、あえてジャンル分けするならファンタジー。猟奇事件と失踪事件を中心に話は進み、ラストで一気に謎が解き明かされる。という内容だけを見ればまるで本格ミステリのようだが、それはいわゆるミステリ(探偵小説としての)の解き方ではなく、主人公の知識のみに頼ったものとなっている。ミステリファンとしては納得のいかない解決だろう。
シリーズがこれからどのような方向(本格ミステリを目指すのか、ファンタジーとして雰囲気だけ楽しませるのか)に進んでいくのか、非常に興味深い。
『共に、映画のような人生を』
2001/08/21 14:18
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投稿者:みやぎあや - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネット上の不気味なサイトにアクセスした人間が次々と消えている事件を調べる車谷エリカと道長円。大病院から失踪した人間を調べる座木とリベザル。内臓だけが屋外に放置されるという惨殺事件を調べる高遠と葉山。事件はやがて次々に繋がってゆく…。
薬屋妖怪探偵シリーズ第七弾。今回もお馴染みの、漫画ちっくなキャラクター達が活躍し、事件を解決していきます。しかしどうも、シリーズものも良し悪しだなぁ、という印象を受けました。
前作までに主要人物として登場していたキャラが簡単な説明と共にちょこちょこ顔を出したり、何気なく前作での出来事の話題(本編に関係なし)が挟まったりで、一冊で読み切りというよりも続き物のイメージが強かったです。初めて読む人にはオススメできない感じ。もうちょっと登場人物を絞ってシンプルに仕上げてくれた方が読み手としては嬉しいかな、と思ってしまいました。
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またシリーズすっ飛ばして読んでしまいました。
キャラクターは軽い感じなのだけど、事件だけみると内蔵だけ落ちてるなんて想像するとけっこうグロイかも。(2002.6.2)
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薬屋探偵シリーズ7。
本当は誰が元凶なんだろ・・・。シャドウとタッグを組んだ座木さんと秋のかげながらの活躍と、温かなラストがスキ☆
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薬屋探偵シリーズ第7巻。ネット上から消えた人、病院から失踪した人、内蔵の一部が残される殺人事件が絡み合う。
リベザルの過去の辛い思い出、秋が直也に正体を、実は柚之助が、とラストの辺りはいろいろありました。とにかく宗教は怖いなと思いました。あと、「悪気はない」というのは使わないようにしようと思いました。
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薬屋探偵シリーズ第7弾:「退屈凌ぎではない、映画の様な人生を」
このメールを受け取って、ネット上から消えた
8人の謎を追う車谷エリカと道長円。
病院から失綜した11人を調査する座木とリベザル。
4人の惨殺事件を捜査する高遠と葉山。
三つの事件が絡み合い錯綜するなか、傍観を決め込む秋だが…。
***キャラを楽しむミステリアスファンタジーって感じでしょうか?
今まで登場したキャラが勢揃いで非常においしく仕上がってます。前作で秋が直哉の名前をすんなり覚えたのが気になってたから
直哉が登場してたのは嬉しかったし、最後の方ではちょっと感動しました。
座木とシャドーの共同調査も見ものだし、零一はカッコイイし、
リベザルの悲しい過去の話もあるし、○○が○○に正体を明かします・・・
何かに溺れるのって、こんな感じなのかな・・・
溺れるなら一人で溺れてくれればいいものを・・・
悪気がないから余計に性質が悪いそれを身の程知らずって言うんだなぁ〜
「罪を悔いるとは、非や汚点を己の一部と認める事」 by座木。
扉部分に書かれた著者の言葉が読後にズッシリときます。
目に見えないモノ。形のないモノ。何処かにあるモノ。失くならないモノ。
だから“本当”は絶対なのです。
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071215貸出。
いろんな話が繋がってくるあたりがいい!
エリカと円の掛け合いが好きなので、この話はお気に入り。もう一回読もうかな。
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【 薬屋3人組とシャドウが大量失踪事件を追う 】
高里椎奈の「薬屋さんシリーズ」第7作。
妖怪である薬屋さん3人組の他に、
本作ではシャドウも活躍。
シャドウはシリーズの他の作品でも登場している、
ネット上の超優秀な情報屋であり
ハッカーでもある電脳ユニット。
彼らが事件を追う、
ミステリ風オカルトファンタジーです。
読了日:2005.12.24
分 類:長編
ページ:290P
値 段:820円
発行日:2001年8月発行
出版社:講談社ノベルス
評 定:★★★
●作品データ●
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主人公 :薬屋3人
語り口 :3人称
ジャンル:オカルトファンタジー
対 象 :ヤングアダルト寄り
雰囲気 :ライトノベル、ミステリ色強し
ブックデザイン:熊谷 博人
カバーイラスト:斉藤 昭 (Veia)
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●菜の花の独断と偏見による評定●
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文 章 :★★★
描 写 :★★★
展 開 :★★★
独自性 :★★★★
読後感 :★★★
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---【100字紹介】------------
「退屈凌ぎではない、映画の様な人生を」。
このメールを受け取りネット上から消えた8人の謎を追うシャドウ。
病院から失踪した11人を調査する座木とリベザル。
4人の惨殺事件を捜査する高遠と葉山。事件の行方は…
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高里椎奈の「薬屋探偵」シリーズの第7作です。
シリーズの簡単な説明を。
とある街の一角、まるでそこだけ時にとり残されたかのような「深山木薬店」。そこには澄んだ美貌の少年・深山木秋(しかし性格は小悪魔!?)、優しげな青年・座木(イギリス紳士なやわらかい性格のおにーさん)、2人を師と兄と仰ぐ男の子・リベザル(元気いっぱいだけど傷つきやすい)…の3人が営む「何でも調合する」あやしげな薬屋さん。でも裏家業は妖怪専門のごたごた片付け屋さん。何故彼らはそんなことをするのか?妖怪が人間と平和裏に共生していくのに必要だから。実際のところ、そんな彼ら自身が妖怪なのです。
この3人が物語の中心ですが、このシリーズでは視点移動が多く、そのためにいわゆる「主人公」が明瞭でないこともよくあります。作品によって、どのキャラが活躍するかが異なっているのがこのシリーズの面白いところ。つまり、シリーズにひとりの主人公がいるわけではなく、「主人公グループ」の中からメインが選ばれている、という感じです。
薬屋3人組以外に本作でメインキャラとして登場するのは以下の2組。
頭の回転が速いが少しとっつきにくい刑事の高遠、前作で刑事を退職した天真爛漫の深山木秋ファンの御葉山。
ネット上の超優秀な情報屋でありハッカーでもある電脳ユニット・シャドウの車谷エリカと道長円。
本作のメインは、特に挙げるなら座木かな…?100字紹介で掲げた通り、3つの事件が交錯しています。ネット上からの失踪事件��シャドウの2人+座木、病院からの失踪事件はリベザルと座木、惨殺事件は高遠と葉山、それに巻き込まれた友人を見守る秋。それぞれ絡み合いながら進行していきます。
今回も、ミステリ色は強め。でもそれ以上にオカルト色が強いかも。シャドウが活躍するお陰からか、ネット絡みの話が多く、こういうところがとても現代的で、しかもそれがとてもナチュラルに描かれています。コンピュータが得意とかそういう風ではなく、すでに慣れきってそれが日常である若い作者が書いたことがよく分かるのです。各章のタイトルも
「第1章 邂逅(ダウンロード)」
「第2章 変事(エラー)」
「第3章 侵食(ウイルス)」
「第4章 動揺(フリーズ)」
「第5章 具現(ラン)」
「第6章 真偽(インスペクション)」
ですからね。その分、チャットなんてしたことないな、という人にも敷居が高いのかも。何しろ、そういうことに対してまったく説明がありませんから。でも今時は、それくらい当然の常識なのでしょうか。時代は変わったなあ。(ちょっと年寄りな発言?)
シリーズ全体を通して言えることでありますが、基本的にはストーリーテリングを主眼にしているのではなくキャラクタ書きな感じがします。展開よりもキャラを描くことが中心になっているのです。女性作家だとよくあるタイプだと感じるのですが。ついでに言うと菜の花もそういうのは大好きなので
女性に好まれる形式なのかもしれません。
そのせいもあって既作登場のキャラがどんどん通り過ぎていきます。あとがきで著者自身もそのことに言及しています。
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本書は割合不親切です。この本から読んで頂く場合でも、ストーリー上は不都合がない造りになっております。しかし顔だけ、または名前だけ覗かせる既刊登場の人物たちに注釈が殆どありません。
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事件に直接関係のない場面で、直接関係のないキャラたちが突然登場して、また去っていきます。一作で完結する作品では絶対にありえない構成ですね。「作品に無駄が多い」と評論家に駄目だしされてしまう典型です。
しかし、そういうところこそ、読者の中のキャラの輪郭をはっきりさせることが出来る楽しみもあります。勿論、事件に関係あるシチュエーションで描きこめるならその方が「無駄のない物語」になるわけですが…。まあ、これに反論できる方法を1つだけ菜の花は知っています。いわゆる「ファンサービス」ってやつです(笑)。だってー、シリーズ通しての読者だったら、こういうときに思わずにやり、でしょ?でしょ?ねえ?もしかしてこういうのを「きゃらもえ」ってゆーんだろーか。寡聞にしてそういう言葉の正しい定義は知らないのですが。ほほほ。
ちなみに注意事項は純粋ミステリを期待して読んではいけませんってこと。本作はオカルトファンタジーですからね!
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「ムカつく奴は、一番幸せな時に
地獄の底まで叩き落す作戦ね。
犯人の方と気が合いそうだわ」
「エリカちゃん、鬼だね」
(車谷エリカ、道長円)
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大量失踪事件。
シャドウと薬屋と刑事がそれぞれ頑張る。コンピューターとかネット、あと宗教(笑)
御兄弟が地味に好きです。
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知っていること、識っていること、見たこと、見たいこと、信じたくないこと…
本当に、本当ってなんでしょう。
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だぁぁぁ!もう!
というのが最初の一声でした(苦笑)
秋が病気?!
シャドウの二人と飄々としている刑事高遠、
座木のシャドウとの共同作戦。
リベザルの大健闘。
秋と直也の関係。
柚之助の変化。
ダッシュして転げるように出てきたリベザルに扮した
柚之助にそんな事情があったとは~!!
でもって、リベザルのキュンと切ない過去。
座木の苦しいまでの秋への切ない思いの吐露。
「本当は知らない」
すべてを知り尽くしているような風の秋にも
知りえないこともある。
シリーズを通して胸を締め付けるような
せつなさを抱いた一冊でした。
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「退屈凌ぎではない、映画の様な人生を」。このメールを受け取って、ネット上から消えた8人の謎を追う車谷エリカと道長円。病院から失綜した11人を調査する座木とリベザル。4人の惨殺事件を捜査する高遠と葉山。三つの事件が絡み合い錯綜するなか、傍観を決め込む秋だが……。
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薬屋再読週間。
相変わらず記憶力が曖昧なので「あれ、この人こうだったような……」くらいは思いつつ、新鮮な気持ちで読めました。
1章前半のシーンはこの巻だったか……ものすごい好きなエピソード。秋ゼロイチシバカイの関係いいなぁ……
秋と前作で別れた直也との関係がうまく収まり、
それによってリベザルも救われ、
ゼロイチも友情()出演し、
最終的にはザギの秋愛がすごい……こう、重く終わりました(笑)
事件自体もあちこちで一見無関係そうなものがたぐり寄せられ一つの答えが導かれる感じ……面白かったです。
個人的には「キスしてくれたら~」の件が章のタイトル『動揺(フリーズ)』通りフリーズもんでした。あれをいえばザギは黙るよ、って話していたのか?もしかして定番のやり取りなのか???おねーさんはドギマギしてました(笑)
ものすごくどうでもいいですが、エヘさんのシーンはなんとなくもののけ姫が甦りました。どうでもいい。
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いつのまにか、登場人物は妖怪ばかり。本編に出てるけど登場人物欄に書かれてない妖怪もいる。たとえばドイツの妖怪ヘラ。彼女は、人間の妖気?を食料にする。なので、病院に住んでる。規則正しい生活を送ってる人々が集まってるので食べやすい。しかし、人に目に見えた危害を加えるわけではないw 今回彼女のおかげで解決までスムーズ。
事件は行方不明者多数。でも自分で出て行った感あるので警察動かない。そのうち、内臓のみ残される。どの内臓だろうって思った。書かれてないから。
エヘウーシュカ。誰? 人間を食べて肝臓のみ残す妖怪。秋が薬飲ませる。妖怪はこっそり共存せねばならぬのだよ・・