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紙の本
キャラクター作りのうまさがよく出ているテレビ報道小説
2009/03/08 20:56
16人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今野敏の小説であるが、お得意の警察小説ではない。テレビ局の報道記者が主人公である。昔は新聞記者の活躍に焦点を当てた「事件記者」などの報道を主役に据えたものが結構あったように記憶しているが、最近はほとんど見なくなった。それに代わって、テレビ局を舞台にした小説やらドラマやらが増えてきたような気がする。こんなところでも時代の移り変わりを感じる。
本書は7つの短編から構成されている。つまり、第1章から第7章までの7編である。短編とは言っても、ストーリーの舞台設定は同じである。いずれも主人公の報道記者が担当しているニュース・ショー番組にスクープを提供するという内容である。
テレビ局のニュース・ショーに報道記者が付いていること自体、一般の視聴者は知らないであろう。こういうところは面白いところである。毎日、会議にも遅刻や欠席が続く主人公であるが、実績はその辺の報道記者とは比較にならないほど上げている。
品行方正な記者では小説にならないかもしれない。記者の枠をはみ出た勤務ぶりである。この記者は人に憎まれない性格なのか、皆に好かれている。これもやや小説的で、本当にこんなやつがいるのかと思うほどである。
ことの真偽はともかく、7編とも大変楽しめたことは確かである。報道とは言っても事件を扱う点については警察小説と類似している。危ない潜入取材なども随所に登場してくる。
ニュース・ショーであるから、当然キャスターがいるのだが、キャスター同士の会話や番組製作者との受け答えなど、楽しめるところは多い。最近、番組改編期になると、キャスター人事で沸く時代であるが、本書ではテレビ界での片鱗が垣間見えて一層興味をそそられるのである。
世相を反映するのも流行小説なのだろう。テンポも速くて、調子に乗って読むことができた。せっかくなのだから、この主人公のキャラクターを生かして、続編を書いてほしいと思う。警視庁刑事とのコンビも飽きない。それにしても今野はキャラクターをうまく作り出していくものだと感心させられた。
紙の本
娯楽作品としては、一級品
2018/05/29 22:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
今野敏『スクープ』を読みました。連作短編集だし、今野敏はキャラクターづくりがうまいので、ドラマやマンガを見ているみたいに、すいすい楽しく読んでしまいます。
そりゃまあ、ご都合主義的な展開だけとか、主人公がオールマイティすぎるとか、ケチをつければつけられるんですけどね。
でも面白い。
娯楽作品としては、一級品ですね。
紙の本
今野敏
2015/08/21 09:38
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くま - この投稿者のレビュー一覧を見る
大好きな作家さんです。
今回も楽しめました。