紙の本
貴方は、何の為に、仕事をしていますか?
2007/09/02 03:59
10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「何故、働くのか(仕事をするのか)?」この問いは、私が、「貴方は、何故、生きているのですか?」という問いの代案として考えた問いである。後者の質問は、あまりにも哲学的である為、誰も答えられないだろうと思い、前者の質問を考えた。この質問に対する答えに拠り、その人の知的レベル、思想等が、大体分かるのである。この質問を多くの人にぶつけたが、私が期待する答えは、ほぼ返って来ない。
本書は、正にこの私の質問を書名にした本である。著者は、「仕事に思想を持て」という一つの回答を示している。この「思想」を持つためには、「死生感」「世界観」「歴史観」を持ちなさいと説いている。「死生感」とは、所謂、「死」と対峙した経験を持つ事。現在の日本では、そういう体験は、困難であるから、「想像力」で体験しなさいと言う。「世界観」とは、世界のあらゆる生き方(好むと好まざるに関らず)をしている人々を考えられること。「歴史観」とは、「人類の歴史」が、どこに向かおうとしているのか?を考えると言う事です。
私は、仕事上の事故に拠り、死に直面した事がある。更に、精神的悩みから想像上の自殺も試みた。「死」というものをタブー化せずに、真摯に考え抜いた事も有る。従って、「死生感」は所有している。「世界感」は、世界を旅し、色んな人を見ている。また、ニュース等にも感心を寄せ、世界の実情を提示するニュースには耳を傾けている。従って、「世界観」も持っている。「歴史観」は、過去の歴史を勉強する事に拠り、この技術あるいは、出来事が未来へどう影響するかを常に考えている。従って、「歴史観」も持っている。従って、私は、著者の言う「仕事への思想」というテーゼを具現化出来るのである。私の「仕事に対する思想」は、あえて述べないが、「仕事」は、人生において、大きなウェイトを占める一つの要素である。これに生き甲斐を持って、楽しく取り組む事が出来るか否かが、「良き人生」の一つの要素となり得ると私は、思うのである。そういう事を鑑みた時に、世の人々は、何と多く、惰性で仕事を流しているか?人生を如何に無駄に過ごしているのか?と憐れみさえ、感じる。
著者は、最後に「本当の知性」について述べている。本当の知性=疑問を持ち続ける心。と定義している。全く、その通りであると思う。人間、疑問を持たなくなった時は、死であると思う。
これからも、仕事に思想を持ち、世間に疑問を投げかけながら、充実した生き生きした「生」を送りたいと思った次第である。
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『仕事の思想』の続編。実社会の中では日々の仕事に流されてしまう。流されてしまわないようにするためには錨(いかり)が必要であり、その錨とは「思想」であるそうだ。死生観、世界観、歴史観の三つの「思想」を持つことで、働くことの意味、人間の意味を問うている。死生観ではメメントモリ(死ぬことを忘れるな)。メメントモリを意識することで、今を充実させることにつながる。また、世界の視点(世界の中で日本に生まれている意味とは何か)、歴史の視点(宇宙の歴史から考えると、その向かうべき方向とはどこか)など。仕事というものを考えるためのいい材料。 c.f 『仕事の思想』
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現実に流されないための錨としての「仕事の思想」の重要性を説いた本。
「仕事の思想」を見つめる3つの観点は、生死観・世界観・歴史観。
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働くとはどういうことか?を見つける視点をくれる本。
例えば、
使命=命を使うこと。
「どう命を使うのか?」
例えば、
他を楽にすること。
「周りの人に何を与えるのか?」
この本の中に答えはない。
いや、どこにもないのかもしれない。
答えのない問いを投げかけて、
それを問い続ける力=知性をくれる本。
働くとは?
何のために生きるのか?
そんなことを
軽やかに
優しく
正面から向かわせてくれるきっかけであり
いつまでも続く出会いになる本。
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○「思想」と「覚悟」現実に流されないための錨
・3つの原点
死生観:深み 世界観:広さ 歴史観:流れ
○日本人に生まれたことは「恵まれた人間」
使命と感謝
○ノブリス・オブリージュ:使命感を持って生きる人間の高貴さ
○人間の意味を問う
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【思想】現実に流されない為の錨
【成長】決して失われる事のない報酬
【目標】成長していくための最高の方法
【顧客】こころの姿勢を映し出す鏡
【共感】相手の真実を感じとる力量
【格闘】人間力を磨くための唯一の道
【地位】部下の人生に責任を持つ覚悟
【友人】頂上での再会を約束した人々
【仲間】仕事が残すもうひとつの作品
【未来】後世を待ちて今日の務めを果たすとき
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一生、
いつか、
迷った時、
読みたい本。
死生観・世界観・歴史観から「働くこと」を捉えられると、
ちょっとの悩みもバカらしくなります。
「なぜ、働くのか」
理想でも、夢でも、今叶わなくても。
この本に、感動した自分を忘れたくはない。
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働くということを生きるということと同一のステージでとらえていることが
とても斬新であり、ものの考え方などが今までなかったもののため、勉強になった
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仕事に対するキーワードを10個ならべ、それそれに素晴らしい定義をされておられます。
そして、そのうちの最初の1つの説明だけでこの本は構成されています。
素晴らしいので、あと9冊分の説明がほしいと思います。
この人であれば、書いているのではないでしょうか?探してみます。
いかんせ、先輩のお勧めの人・本だったので、手にとりましたが、
まだまだ奥が深そうです。
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なぜ、働くのか
答えの無い「生涯の問い」である。
仕事に夢中になってガムシャラに働いている時にふと浮かぶ疑問。
これでいいのだろうか?
そんな現実に錨をおろすのが「思想」であり、それは深い「覚悟」に裏づけされたものでなければならない。
では、いかにして深い「覚悟」と「思想」を身に着けることができるのか。
それは3つの原点「死生観」「世界観」「歴史観」から仕事をみつめることであり、その具体的な内容が本書の肝である。
死を近しく考えることで生が輝く、と説かれるのは初めてではありませんが本書は特に迫力を感じました。
大きい活字と広い行間の中が、読み手に想像を促し言葉の重みを増します。
今日一日を生き切る。無意識にそう過ごせるようになりたい。
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内定先の推薦図書リストに入っていたので読んでみた。
なぜ働くのかというタイトルだけど、
仕事というよりも「生きること」について考えさせられた。
死生観、世界観、歴史観というキーワード。
「なぜ私は健康な体で生まれたのか」
「なぜ私は平和な国に生まれたのか」
「なぜ私は今の時代に生まれたのか」
こんなことを考えると、やっぱり社会のために何かしなければっていう
使命感を感じる。これが、社会に出たときに流されないための錨。
そんな大きな事は出来ないけれど、日々の仕事を一生懸命しよう。
社会人になる前に読めてよかった。
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非常に参考になったし、考えさせられました。
題名の答えは書いていませんが、問い続ける思想の大事さを気付かせてくれました。
やはり思いは大事ですね。
こう言った本は、大同小異で基本の思想は時代が変わっても、絶対に変わりませんね。
また、この著者から大事な考え方と言葉を教えてもらいました。
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田坂先生の本を最近、集中して読み始めた。なかなか深いことを言っていてためになる。最近の一番のお気に入りは、資本主義の未来について書かれた本かな。
田坂広志著「なぜ働くのか~生死を見据えた仕事の思想」PHP文庫(2007)
* 仕事の思想を見につけるには3つの原点から見つめることが必要である。①「死生観」とは生死という深みにおいてみることです。②「世界観」とは世界という広さにおいてみることです。③「歴史観」とは歴史という流れにおいてみることです。
* 人間誰しも、人生最後の場面に向かって歩んでいる。若き日に死生観と見につける。人は必ず死ぬとの覚悟を定め、いかに死ぬかを求め、思想を深めていく。
* 恵まれた境遇に生まれついた人間は、それを幸運と思うだけであってはならない。そうした幸運な境遇に生まれついたことへの「感謝」がなくてはならない。そしてその感謝の念は「使命」を自覚することによって、表されなければならない。
* 真の「知性」を我々は身につけることが大切である。生涯かけて問い続けても答えなど得られぬ問いをそれでも問い続ける力。世にあふれる安易な答えに流されることなく、精神の深みにおいて答えを求め続ける力。その魂の力こそが「真の知性」である。
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良書。書いてある言葉は重く、深いものばかりですが、1時間もかからずに読み終わります。若い学生にすすめる、というより、ある程度キャリアを積んだ30 代以降が読むといいように思います。
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日常生活に忙しくなって、ふと原理原則を忘れそうになったとき、正しい場所に立ち戻してくれる。背筋の伸びる一冊。
田坂広志、好きです。