紙の本
この中では「ザ・キャラクター」が秀逸だ
2019/01/24 22:11
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここには2010年から2011年にかけて公演された3つの戯曲が収められている。この中では「ザ・キャラクター」が秀逸だ。どれも一気に読んだ。野田秀樹の社会的アプローチが窺える。言葉遊びの面白さも相変わらずだ。
紙の本
おもしろいが、理解しようとすると難解に感じるところも。
2015/12/24 21:40
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
わかりやすかったのは「表に出ろいっ!」で、これは父母娘三人のエゴがぶつかりあい絡み合って、ついに手錠で自分たちの身体を文字通り動けなくしてしまう…という、シュールさ漂う一方おかしさ全開という脚本で、会話のテンポもいい。
「南へ」はわけがわからなかった。「ザ・キャラクター」は漢字の意味と形が存分に利用されてておもしろいけど、途中からギリシャ神話とのダブりがきつくなって、ただ単に楽しむという内容ではなくなる。けれど、最後の「幻」に一本はらいを足して「幼」とするところにこの話の含意というか、象徴のようなものがあると思った。
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「ザ・キャラクター」
この戯曲がもつコトバをどこまで理解できているだろうか。
問題は、このマドロミという存在だ。
私たちははじめ、マドロミとともに「俤」の中の「弟」を探そうと書道教室にするりと入り込む。
そして、探るために、自分の言葉でこの集団の狂気を増長させていくにつれて、あることを知る。
弟は、地下鉄サリン事件(そう言い切ろう)の犯人であった、と。
書道教室に騙されていた、殺された、被害者の家族という立場から、
結局最後に気がついてみれば自分は加害者の身内であり、
また、自分さえあの事件を増長させていった人間の一人へ。
私たちは、間違いなくつきつけられている。
お前は、まだ目を覚ましたくないのか?
まだ、それでもまどろんでいる気なのか?
批判するその言葉、慰めのその言葉一つ、すべてに責任がある。
「幼い」では許されないのだ。
幼くてもいーじゃん!な論調に断固としてNOを突きつける。
勇気のいる話でもあると思う。
マドロミは私たちだ。
自分は、あの集団の狂気と、この社会で起きているできごとと、
それらを傍観しているだけの存在で、まったく関係がない、
と心のどこかで思っている私たち全てのことだ。
私たちは、今起きている何事とも無関係ではない。
一人一人が自分の問題として、引き受ける必要性のあることだらけなのだ。
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「ザ・キャラクター」「表へ出ろい!」「南へ」の三本立て脚本集。「ザ・キャラクター」が一番面白かった。「南へ」を観に行きたかったので、購入。(もう公演は終わってるので。。)野田秀樹、初めて読んだけど、結構面白かったから、ぜひ公演に行きたい。
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「ザ・キャラクター」「表へ出ろいっ!」「南へ」収録。
冒頭「ザ・キャラクター」公演パンフレット収録の「世界に通用しないモノを創る」という文を読んで、自分が日本人であり、日本語のおもしろさがわかり、その上でこのような作品に舞台で、さらに文面でふれることができる喜びをあらためて感じた。「表へ出ろいっ!」だけ舞台で観なかったのが、戯曲を何度も読むたび悔やまれる。
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信じるって何なんだろう。
ザ・キャラクター。最初は笑えるのに
だんだん笑えなくなっていく。何かにはまっていく
時というのは、快感も常に伴わなきゃダメなんだなって、
読むという客観的行為によって再認識。
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テンション高い戯曲集。ギャグは面白かった。台詞のテンポもよかった。
言葉遊びと風刺に偏りすぎて肝心の中身は?。
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『ザ・キャラクター』ギリシャ神話と現実が曖昧に絡まり、26年前に起こったあのカルト事件に繋がる。コメディで始まり、シリアスで終わる。独特な漢字の言葉遊びやドタバタ感、演劇でないとニュアンスを捉えきれないので映像が観たい。意図せずして3日前が丁度あの日だった。