紙の本
東京出身の「キャラ立ち」教授による、京都の知的風土のなかから生まれてきた、ワンランク上の「知的生産な生き方」について語ったエッセイ集
2010/02/24 22:45
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「知的生産」にかんする本はむかしから読んできたが、最近のものでは火山学者の鎌田浩毅・京大教授のものが面白い。
ド派手でオシャレなファッションで、テレビでも十二分に「キャラ立ち」している鎌田教授の一般向けの一連の著作は、理系の思考法を豊かな教養で裏付けた、プラクティカルで、しかも平易な語り口によるものだ。
この意味においては、梅棹忠夫の『知的生産の方法』にも連なる、京都の知的風土が生み出してきた、きわめて良質な部分を継承しているといってもいいだろう。
この本は、『一生モノの勉強法-戦略とノウハウ-』(東洋経済新報社、2009)が生まれてきた背景を探った、ビジュアル・エッセイ集のような趣の本である。前者が、大学生からビジネスパーソンまで、知的生産にかかわる者であれば、すぐにでも使えるスキルやノウハウを紹介した内容の本であるとすれば、後者は、むしろライフワークともなるべき長期的なテーマを探して、じっくり取り組むためには何が本質的に必要であるのかについて語った内容の本になっている。
いっけん軽く読み流せるような体裁の本だが、中身はけっこう本質的なことに触れている。それは「京都」のもつ意味について語っているからだ。個と自由を尊び、人間関係においては適度な距離を保つ風土の京都は、いつの時代も外部の才能を受け入れ、自らを活性化してきた歴史をもつ。東京生まれで東京育ちの著者もまた、ヨソからきて厳しい京都の風土で鍛えられ、京都で自己実現した一人である。
京都の風土で培われた、精神的に豊かな「知的生産な生き方」をつづった本書は、豊かな教養があってこそ知識が生きたものとなり、また自分のペースを守ってこそ創造的な良い仕事ができることを自ら実証している。
氾濫する情報に日々追いまくられる効率一辺倒の東京から、物理的に身を離していることで可能になる「知的生産な生き方」。たとえどこに住んでいようと、自分のなかに「心の京都」をもつことをすすめる著者のアドバイスは傾聴に値する。
なによりも、副題になっている「ロールモデルを求めて」いる著者自身が、読者にとってはロールモデルとなるわけだ。
この本は、必ずしも即効性はないが、より深いレベルでの知的生活を志向するする人にとっての、またとない「自己啓発本」となっているといえよう。
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考え方が似てるかなと思って買ってみた。
けど、ヒト、モノに対する考え方が違ったなー。
いろんなことに少しずつ触れてるので、ヒントは貰いました。
温泉教授松田忠徳さんの本を読まなくてはいけませんの。
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理系の人がどのように論理的発想を日常に生かしているのか書いた本。
鎌田先生は京都大学で火山の講義をされているようですが、
以下のようなライフハックが盛り込まれていました。
・科学的発想を活用して事務作業を効率良くする
・人間関係も京都の気遣いの発送を参考にこんな風にすると
程よい距離感でお付き合いできますよ、とか、
・お茶や書の選び方、
など粋な日本文化の味わい方もいろいろと書かれていました。
鎌田先生自体がユニークな方のようで
個性的なファッションの写真や書や骨とう品の写真、
自転車でフィールドワーク中の写真など、
見てもほほえましい写真が多数あります。
私のように文系の人もこの本を読むと理系的発想が少しわかるかも。
そして理系の人とも仲良く会話しやすくなるかもしれません。
ライフハックだけでなく日本文化を味わうというのがいいなあと思い、☆4つです。
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日常生活をこんなにも素敵なものにできるのだなぁとなるほどの一冊。本の名の通り、知的で質が高い時間の過ごし方が述べられている。教養とはこういうことを言うんだろうな。
それ以上に大学にはこういう教授もいるのだなと感心。とてもためになりました。
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読みやすくかつ参考になるところが多く、お薦めできる本です。
自分のスタイルをそろそろ確立しないといけないな、と感じました。
こんな大学教授がいたらもっとちゃんと大学いっただろうなあ。
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予定では締め切りぎりぎりではなく予備日を設けよ
これはアクシデントに備えるほか、余裕があればさらに熟成させる時間となる。
わからないときは棚上法。とばして先へ進む。あまり時間拘泥するのはよくない。
骨董品、最初は傷物を買って目を養う。それから完全品を買う。
愛のイエントル(映画)見てみよ
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「一生モノの勉強法」の続き.内容は一部重複しているのでそこは面白くなかった.もう読んだよって思うんだけど,初めて読む人のためかな.先生のファッションの写真がたくさんあって,たしかに珍しいビジネス本だけど(笑),これは鎌田先生コアなファンへのサービスだよね(^^; 先生の仕事の仕方の具体的なノウハウは前著で示されているから,そういうのをお求めの人にはちょっとアレかも.
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2010.5.15読了 「一生ものの勉強法」に続いて著者の本は2冊目だが、前著とダブル部分もあった。ただ、日常生活で出会う「良きもの」「美しきもの」を手本(ロールモデル)とし、その良いところを吸収して自らの生活に生かす生き方が、「知的生産性を高める」ことに繋がるところは大いに参考になった。
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《4コマ図解・読書録゛(ログ)》No.118
http://archive.mag2.com/0000255083/20100506220000001.html
鎌田浩毅【著】
『知的生産な生き方』
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京大で火山の研究されている教授・鎌田先生の著書。
芸術鑑賞や読書から食生活に至るまで、
日常生活の知的生産性を高めるヒントが提示されています。
知的な趣味として挙げられているジャズや骨董品収集など、
鎌田先生の趣味も色濃く反映されているものも多いですが、
日常生活レベルで真似できそうな部分が多くみられます。
・良書は手元においていつでも読み返せるように
・食事は常に控えめに
・午前中に集中するために、朝食で糖分をたくさん摂取する
・古典には常に触れておく
・芸術に触れる機会をつくる
・仕事や人間関係と距離を置く機会も持つ
これらは僕も、真似させてもらっているというか、
前々から意識的に取り組んでいて、「京大の先生もやってるし、有用性があるのか」
と後押しをもらった感じでした。
また「東京は京都の端っこにある繁華街」という批判的な表現をされていますが、
膨大な情報・仕事量と人間関係にまみれがちな東京から地理的に離れている京都では、自分なりに考える時間を確保することができ、創造性を養う、
という点には非常に共感しました。
早く関西に戻りたい・・。
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「知的生産な生き方」
自分の行動の規範の手本となるものを見つけ、それらの良いものを吸収して、自分の生活に活かすことを実現する為にはどうすればいいのか?
知的生産な生き方をする為にはどうすればいいのか?とふと考えてみました。するとすっと答えは出てきません。だからこの本を手にとって見ました。そして分かったことは「知的生産のヒントは至る所に潜んでいる」ということです。
知的生産を行う為には、自分にとって良い影響を与える手本となるものを見つけることが必要となるわけですが、それらは実際特別なものではありません。例えば、著者鎌田氏が挙げているものは音楽や旅行や本です。そう、私達に非常に馴染みのあるものばかり。私の場合は読書が一番自分に合っていると思います。
そんな知的生産ですけど、この本では知的生産な生き方を重く深い形で切り込んでいないように感じました。例えば、「知的生産とは私達に良い効果を与えるもので、以下のプロセスでこそ最大限に知的生産を可能に出来る」といった感じは受けませんでした。
言葉で表せば知的生産となりますけど、あくまで私達の生活をより快適にするにはどうするべきかという視点が強いと思います。なのであまり重々しく読む必要はありませんし、自己啓発の部分もありますが、私の中ではエッセイに近い印象を受けました。
ちなみに写真も多いので読みやすいです。また、自己啓発に関する意見はとても新鮮でした。
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火山の研究者で京大の教授、鎌田先生の生き方をまとめたエッセイに近いものでした。明確な意思と行動に基づき著者の知的生産な生き方を垣間見れます。
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著者がふだんどのように過ごしているのかがエッセイ風に書かれている。
でも知的生産な生き方って、こういうことなの?と言う観点で読むとそうでない話が結構多い(もちろん、参考になる部分もある)。
読了後、『京都っていいよねぇ~』って言う気分にはなるところもあるが、だからって知的生産とは違うでしょ、とそこに行き着く。
著者の他の本を読んでみて、人となりを知りたい人は読むのも良いかも。タイトルに興味を持って読むと肩すかし。
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いろんな話題が出てきていいのだけれど、もう一歩、それぞれのテーマに深く踏み込んでほしい気がした。それにしても粋だと思う。真似したい。
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タイトルもあんまり気にせず借りた本。
まぁ、なんのことはないエッセイ集なのだが、ちょけとるおっちゃんくらいの認識しかなかったので、期待値は低かった。
写真と気取り屋感はいやでも目に付くが、基本的には誠実な人で、誠実な文章だった。
エッセイとして面白くないわけではないのだけど、これといって面白いわけでもない。ファンエッセイだ。
まぁ、それ以上の感想を言うのも難しいけども。