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朝鮮出兵の嫌戦感と悲壮感の裏で行われる忍びたちの壮絶な闘い
2009/12/27 16:30
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
秀吉の朝鮮出兵に備え、肥前・名護屋へ大名たちが集結を始めるところから、朝鮮上陸後、勝利を重ね続けるものの戦いに限りなく、やがて朝鮮水軍のまえに補給路が困難な状況になり、兵たちが朝鮮出兵が終息することへの思いを強く思い出すまでを描いている。
それと平行して、本巻の書題である忍びたちの活躍が濃厚の描かれている。
この先、天下にもう一波乱あると見た甲賀忍びの動きと、これを察知した真田の草の者たちの暗闘と脱出劇が一番の見所。
とにかく生き生きと動き回り、闘いを繰り広げる忍びたちに息をすることも忘れて読み耽ってしまう。
期待をしていた跡継ぎ鶴松の死と母・大政所の死によって躰と精神が蝕まれていく秀吉の姿と、無謀な朝鮮出兵により徐々に兵たちが疲弊していく状況が、大名たちの続けなければならない闘いへの悲壮感と嫌戦感を、生々しく描き出している。
伊豆守信幸の元を飛び出した鈴木右近の動向も描かれており、この後どのように真田家と交わっていくのか楽しみにさせ、徐々に真田昌幸・信幸・幸村の間に微妙な空気が漂いだしていることも、今後の真田家の行く末に想像を巡らせてしまう。
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秀吉の朝鮮出兵を表として、草の者たちの暗躍がむしろメインに描かれている4巻目
2017/03/19 00:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『真田太平記』の面白いところは、真田昌幸・信幸・幸村親子を中心とした真田一族が戦国時代末・安土桃山時代・江戸時代初めにいかにして活躍したかを描いているだけでなく、その背後に「草の者」と称される歴史の表舞台に出てこなかった者たちの暗躍が描かれているところだと思いながら、読み進めてきたところですが、この4巻目はその「草の者」そのものがもっぱら描かれているのがすごいです。
むしろ真田一族が脇役となり、「草の者」たちが主役であるかのように、巻頭から数十ページにわたって甲賀一族の頭領同士のやりとりが続きます。ここがまたすごいのですが、豊臣秀吉が権勢を振るっている最中に、その先を見越して動きを始めようとする「草の者」の見識が十二分に描かれています。
さらに、そのあとには「草の者」の生き様とでも言えるような、田子庄左衛門が真田の草の者・お江を救う顛末が描かれており、これもまた読み応えがあります。
大きな歴史の流れとしては、秀吉が天下統一を果たす一方、その先が不透明となりつつ朝鮮出兵を企んでいくところが描かれています。上で書いたように、真田一族は脇役に押しやられたような感じで、そのあたりは淡々と描かれています。それでも、信幸・幸村兄弟がそれぞれの道を歩み始めたり、幸村が大谷義継の娘を娶ったりという、今後につながっていくエピソードも盛り込まれており、すぐ5巻目を手に取りたくなってしまうのです。
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2016/01/24 19:40
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投稿者:earthbound - この投稿者のレビュー一覧を見る
「われら、忍びの者に限らず、人という人は、自分のためにのみ生くるのではないぞ。おのれの無事を願い、おのれのために尽くしてくれる他の人々のために生きねばならぬ。生きなければならぬ。これが人という者じゃ。」
忍び者もの達に焦点を当てながら、豊臣政権の脆弱性と昌幸・信幸・信繁の生き方がかわっていく様を克明に描いています。
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鬼平犯科帳などで有名な池波正太郎が描く真田昌幸・真田信之・真田幸村達真田一族の盛衰を圧倒的な迫力で描く大長編物語です。
この本を読めば真田幸隆の登場から上田の陣での昌幸達親子の活躍、大坂の陣での幸村の討ち死にそして信之の徳川時代の活躍と日本史でも燦然と輝く戦国真田一族の活躍が丸ごと楽しめます。
全12巻と大長編なのですが、説明より登場人物達の会話で物語が進んでいくので読書のリズムが切られることなくどんどん読み進んでいけますし、変に物語をはしょったりしていないので途中で話が分からなくなることもないです。
物語の中では真田忍軍の成り立ちや拠点とした城の役割、状況の変化により何故真田家が表裏比興の者とまで言われても使える相手を変え、家を存続させたのかがよくわかり、真田家に関する教科書にもなる内容ですので真田家に興味がある方は是非お読みください。
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真田の忍びの活躍が壮絶でそれでいて人というものを生々しく描き出している作品。
颯爽と往く真田幸村の姿はかっこよすぎる!!
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天下統一をなしとげた豊臣秀吉は、これまでとは人柄も変ったようになり、無謀な朝鮮出兵を号令。そこに豊臣政権のほころび目を見てとった甲賀忍びの頭領・山中俊房は、秀吉の御伽衆である又従弟の山中長俊に早くも手をまわし徳川方への加担を説く。ここに甲賀忍びと真田の草の者との凄絶な戦いが開始され、壷谷又五郎や女忍者お江の常人には推しはかれない活躍が繰り広げられる。
【感想】
http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50767928.html
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甲賀での密会〜信幸第一子誕生まで。太閤豊臣秀吉は無謀な朝鮮出兵を号令。その裏では甲賀忍びの頭領・山中俊房が来るべき徳川の時代へ向けて着々と準備を進めていた。甲賀に忍び込んだお江は無事に真田へ帰り着くことができるのか。前巻で出奔した鈴木右近はぐっと男らしくなりました。
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鈴木右近の出奔。柳生宗章との出会い。柳生の庄滞在。
お江の甲賀潜入、草の者同士の戦い、負傷、かくまわれるお江。甲賀脱出。
真田幸村の結婚と真田真幸の子の誕生。
豊臣秀吉による朝鮮出兵の開始。
2010年10月3日再読
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今回は、忍者のお江さんのお話も中心としてあり、脱出劇などはドキドキしました。
http://blog.livedoor.jp/maikolo/archives/51057140.html
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(全巻合わせての感想)
私の読書人生で、一番読んでいる時が幸せだった本。
狂ったように食べるのも寝るのも惜しんで、次へ次へと読み進み、あっという間に全巻読み終わってしまった。
何がとかじゃなく、ただただ読むのが楽しく幸せで読書の醍醐味を身にしみて体験させてくれた作品。
乗り物に弱い私がバスの中で読んでも唯一酔わなかった本で、後にも先にもその様な本には出会ったことが無い。
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子供の頃、児童文学で真田幸村を読み、子供ながら真田十勇士の活躍に胸躍った記憶がよみがえりました。
私の中での歴史小説ベスト5に入ります。
大好きな作品です。
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CIA顔負けの忍者による諜報合戦に心が踊ります。
それにしてもこの時代の武将達の諜報や外交のセンスはずば抜けている気がします。
戦国時代という環境が培ったその感覚を現代人も見習わなくては・・・。
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ほんとに 読み進めるごとに、どうなるか どうなるかと
ドキドキしながら ページを繰りました。
ほんとにあった話なのか、全くのフィクションなのか。。。
ただただ感服するばかり。
すぐに 次に進んだのは 言うまでもありません。
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水滸伝読み途中ですが、久々にまた真田太平記に帰ってきてしまった…
長らく間開けてましたが面白くて集中して読んでただけに内容はかなり覚えてました
細かいとこは忘れてそうだけど…
で、この巻は忍たちの戦いなどがメインです
やっぱり忍はかっこいいなぁ
忍法使ったりとかそこまで現実離れした戦いかたではないんだけど凄いわくわくする
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盛りだくさんな4巻。
今回は忍同士の戦いが主だってます
ハラハラドキドキという感じが相応しい。
お江の運命やいかに?!な感じがすごい。
忍びの世界は凄まじいなと思い知らされました。
あと幸村が結婚!!
右近がどうなるのかしら…白兎…