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これを読み終わったあと、エルメスの革製品が欲しくなります。
ブランドビジネスを扱うほかの本より、濃縮されてるんで読みやすかった
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アコガレのエルメス・・・でもどうして私たちはエルメスに憧れるの?それを読み解くための手がかりがここにある。ブランドとは何か、信用とはどうやって培うモノなのか、そういうことを学ばされます。ブランドモノを買いあさる人も、たまには本にもお金を使おう!
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エルメスの歴史と製品の意味とうか特質についてまとめた本。そういう点で、このタイトルは正しい。
にもかかわらず、歴史については浅い記述。馬具→車の出現(ルノーの影響にも言及)→バッグとスカーフ。というか、全般を通して事実・情報中心であり、最後のほうに日本人がどうしてブランドを好むのか?というお決まりの論点について、バブルを踏まえた状況的分析と、日本人の伝統性というお決まりの分析。
どうしても以前読んだ『ブランドの条件』と対比してしまうが、考察等が少なく、論拠としてあげる文献もメディアや比較的手にはいりやすいミーハー評論家の考え等が中心。まぁエルメスを知るにはそれなりに役に立つかもしれない。特に、モードではない、流行には乗っからないが、新鮮さと伝統の調和で人気を集める、といったブランドの宿命について、前述の本を読んでいれば納得しやすい。また、エルメスを語るには年間テーマという視点が欠かせないのだなと納得。関連して、そこから生じる稀少性がコレクター欲、物欲を刺激するとの文脈はエルメスを語るのに不可欠。
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ブックマークをしているブログで紹介されていて面白そうだったので購入。
今まで知らなかったブランドの歴史が想像以上に近現代の人々の変化に影響され、またブランドが時代を象徴し、人の流れを後押しする様が読んでいて興味深かった。
不況と言われる時代の中では伝統や技術はどうしてもなおざりとなる。そういうものが失われてしまうのは寂しいし、もったいないと思うけれど惜しむ気持ちだけでは手工業を守っていくことは出来ない。だがこの本には伝統を守るヒントも多く書かれている。ヨーロッパのプレミアム・ブランドの発展を知ることで日本の小さい伝統工芸などを守るきっかけを掴むことが出来るかもしれない。
プレミアム・ブランドというものへの印象がこの本を読むことで変わった。(自分で購入する機会はなかなか作れないけれど・・・)
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ブランドの中のブランド、エルメスがどのように発展してきたか。その背景には高水準の職人技術、同族経営、巧みな広報・商品戦略があった。伝統と革新を織り交ぜながら多角的に発展してきたエルメスのブランド論。
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筆者自体の主張がよくわからない本。取材して資料を集めて研究下だけの本。
特にエルメスへの取材を申請して却下されたと書いてあるのには絶望した。
唯一面白かったのが、
フランスの老舗ブランドのデザイナーが日本の影響を大いに受けている点やエピソードであったこと。そこに日本人として伝統や文化に誇りを持てたし、国内でも職人さんから学べることがあると痛感した。
また日本で海外ブランドが受け入れられうやすい背景として茶や着物などの伝統ブランドがあるからという内容にも納得がいった。
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概論
ブランドの中のブランドであるエルメスは、なぜこれ程の成功を収めたのか。フランス上流階級向けの馬具工房として創業し、160年の伝統を誇るエルメス。キーワードとしては、伝統と革新、同族経営、マーケティングの否定、クオリティーへのこだわり、といったところか。
感想
経営者が自社のブランドついて語る本は散見されるが、外部の人間、特に学者肌の人(本書の著者は東大ドクター卒の女性)がブランドについて分析したという意味で、本書は一読の価値があると思う。我々(特に日本人)がなぜブランド物を買ってしまうのか?という究極の問いに対する明確な答えはないものの、ヒントは得られたように思う。
メモ
・1837年にパリで馬具工房として設立、現在は五代目のエルメスさんによって経営される。2003年時点で世界160都市に店舗を構えるものの、親族で80%以上の株式を所有する。従業員は約4000人と少なく、資金調達は全て内部調達。
・老舗プレミアムブランド(ヴィトン・エルメス・カルティエ・シャネル)関係者は、成功の要因を「アイデンティティの明確さ」と、「伝統を守りつつ絶え間ない革新をしている」ことと言う
・重要なファクターとして「品新」「イメージ」「希少性」の三つ
・1800年代後半にダイムラーとベンツが自動車を発表すると、馬具工房は存亡の危機に立たされる。
・日本では明治から皇族や華族がブランド品を所有していた
・1929年の世界恐慌時には、プレミアムブランド各社が香水とスカーフを発表:不況の時代に即した手ごろな価格の最高級品
・エルメス・シャネル・ヴィトンは、ライセンスビジネスが流行した1960年代に、これに便乗しなかった。他ブランドは便乗した:便乗しなかったことは結果的に成功
・特に日本はライセンス天国で出せば売れる状況だった:イヴサンローランのこたつ布団まで登場した:後にブランドイメージ回復が困難となる
・伝統のあるブランドでも、時代のニーズに即した商品を出す必要があるbyデュマ氏:1984年にはマグカップやコインケースをエルメスが発表
・デュマは近年のブランドブームに逆行するように、職人技術に基づいた品質を強調し、ブランドやマーケティングの存在と概念を否定する
・LVMHのベルナール・アルノーはプレミアムブランドの条件としてtimeless:永久不滅を挙げる
・近年のエルメス・ブティックは、主力の鞄とスカーフに加え、世界の職人技術を集めたセレクトショップのような感じ。これにより品質・職人技術にこだわるエルメスの原点を強調し、ブランドイメージにブレを与えない。
・上得意の客に対しては非常に丁寧で非売品なども配られるが、一見さんに対しては冷たい
・マーケティング部門に広告を作らせず、デザイン部門によりブランドイメージを強力に打ち出した広告を作らせる
・1964年、西武がエルメスの代理店契約、しかし売り上げ伸びず
・1970年代に入り、ブランドが一般化し始める:70年の大阪万博で仏蘭西のプレミアブランド展が大成功を収める
・70年当時、銀座のホステスが着物の代わりにブランドを買い始める
・79年に初めての直営店、83年に西武と50:50で日��法人の立ち上げ。83年から今まで継続して増収
・85年プラザ合意とその後のバブルによる円高により、ブランドがさらに一般化
投資銀行の調査によると、不況期にまず贅沢品を控えるのがアメリカ、収束の傾向が見られないのが日本
・2000年ごろに中村うさぎの買い物依存症が有名に。商品を使うことではなく、購入することに快感を得る消費行為の一潮流へ。
・エルメスも買うがユニクロも買うという消費行動が発生:買うことを楽しむ?
・欧米では、プレミアムブランドを一般の若者が使うという意識がぞ存在しない:なぜ日本だけ?
・モノがあふれる中で育った日本の若者は、消費文化の歴史の中で鑑識眼が非常に高い:これは疑問。比較対象を持ってないので何とも言えない
が
・着物の文化や茶道・華道のたしなみや社交の場が消え、プレミアブランドはそれと入れ替わるように生まれてきた
2010年12月15日 読了71(64)
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[ 内容 ]
「ブランドのなかのブランド」と呼ばれるエルメス。
圧倒的に高価でありながら異常なまでの人気を得た背景には、高水準の職人技術はもちろん、徹底した同族経営、巧みな広報・商品戦略があった。
馬具工房としての創業から百六十余年、「伝統」と「革新」を織り交ぜながら発展を遂げた「最強ブランド」の勝因を、日本との関わりに注目しつつ多角的に分析。
日本のブランド・ブームについても考察した、ブランド文化論。
[ 目次 ]
序章 ブランドのなかのブランド
第1章 エルメスの歴史
第2章 伝統と革新
第3章 デザインの統一性
第4章 エキゾチシズムと日本
第5章 相手を選ぶメッセージ
第6章 エルメスのエスプリ
第7章 日本におけるエルメス
第8章 日本人とブランド
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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エルメスとシャネル、ルイヴィトンとの間にはこんなにも差があったんだ。日本人とブランドとの関係も興味深かった。
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好きだから読んでみたい
10 弁解を並べ立てて、本人や夫の給与よりも高額な鞄に飛びついている
17ちょっとした恋愛の気分とよく似ていて・・・
19同族経営を誇るエルメス
26相次いで自動車を発表すると危機に瀕する
28日本では明治大正期から皇族や家族がブランドを愛用
29イメージ、最高級の原料と職人の技術
31エルメスの歴史 女性に布文化から皮文化を持ち込む(鞄や財布)
33しばらくの間、エルメスの職人がシャネルの製品にファスナーをつけていた
35コートダジュールやカンヌ リゾート地へ支店を開設
手ごろな価格の手帳の販売
絹や香料の新分野
36オレンジの包装紙の採用決定
37スカーフの歴史
39ケリーの登場
40日本は出せば売れる
43アメリカ流のビジネスに触れる
46スカーフの結び方講習会
47テーブルウェア
51職人教育制度の充実
55不思議に統一感があり・・・
58黒い35cmのバーキンも・・・
109エルメスの年間テーマ一覧
20160605 コラムのために再読
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「エルメス」初心者には分かりやすい入門書。
歴史と、どのように人々に受け入れられてきたか、
その戦略といった内容が、分かりやすく書かれており、読みやすいです。
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孤高の手仕事、エルメスの実態に周辺から迫った新書は、必要があり通読しました。「イメージ」「品質」「希少」を軸に分析されています。その軸を守り続ける企業活動こそが「エルメス」であるとのコトだそうですね。
徹底した親族経営であることが、エルメスたる所以だそうで、これも全く、その通りと思われます。
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エルメスが創業以来どのように一流としてのブランドを守ってきたのかを、エルメスの歴史も交えて解説している本。
エルメスは並々ならぬこだわりを持ってブランドイメージを守っており、その姿勢に好感が持てます。と共に、ブランドをどう作るか、自社にも色々参考になる気がします。
エルメスのケリーもバーキンも素敵だけど、まあ、一生持つことはないでしょうね、、、
この本に難点を言うと、図版が少なすぎること。
ファッションブランドを語るなら、話題にしているバッグ、スカーフの写真は載せるべきでしょう。そこに手抜きを感じた。
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ブティックでお気に入りを見つけると、「運命的な出会い」だと思ったり、「迷っていると誰かにとられる」といった焦燥感にとらわれたり、「どうしても一緒にいたい」と願ったりする。それはちょっとした恋愛の気分とよく似ていて、まったく不合理で説明の仕様がない、というのが女性たちのエルメスに対する感情だ。
初代ティエリ(1801-1878)は馬具の職人だったが、ナポレオン三世の時代、皇帝御用達の馬具職人となり、さらに万国博覧会に出品した鞍が銀賞を獲得する。宮廷と万国博銀賞という、最高級の馬具工房としてエルメスの知名度は一気に高まった。
二代目シャルルが、シャンゼリゼ大通りに現在の本店を構えた。自動車の時代になっても、フランスの上流階級の男性にとって、馬車は最高のステータスとして、馬車にとってあまり脅威となっていなかった。
3代目エミールの時代、自動車の普及が本格化すると、フランス本国での馬具の需要は減ったが、ロシア、アルゼンチン、メキシコ、タイなどの海外では依然として車が普及しておらず、馬車が主流だったため、海外に直営店を広げて、業績を回復した。
また本国でも、馬具で培った革職人の技を、鞄などの革製品を発売し、更に香水やスカーフも発売し、経営を多角化した。
しかし、エルメスは徹底したフランス本国での品質管理と、皇室御用達のイメージ、職人による手作業という希少性を維持し、プレミアムブランドとしての地位を不動のものにした。
4代目ヂュマは、モナコのグレースケリー王妃が使用したケリーバッグ、女優ジェーンバーキンのバッグ、バーキンなどをヒットさせ、皇室、セレブ御用達として、業績を拡大した。
しかし、他のブランドと一線を画すように、一切ライセンス生産は行わず、フランス本国が品質を管理することを徹底。そのため、エルメスには模造品が少ないという。 また、一般向けのセールなどをせず、プレミアムブランドとしてのイメージを重視した。 (エルメスには、アウトレット、など無い)
「京都にはエルメスに力を与えてくれるエネルギーの源があるが、日本はそれを生かしていない。われわれはどの国をイメージするときも、消化吸収してエルメスの世界に溶け込ませ、伝統と新しさを溶け合わせていた」(4代目ヂュマ)
日本にエルメスが受け入れられたのは、職人技によるエルメスと同じく、日本には元々、京都に伝統職人の文化があったからだという。
エルメスのオレンジ色の箱と、茶色の紐のデザインは、3代目頭首の時代、第二次大戦中に資材が足りず、余ったオレンジ色の包装紙を使ったところ、インパクトが強かったたために、その後も使い続けたという。
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エルメスの経営史・事業戦略などを分析することで、その成功要因を明らかにする本。同時に、日本人の中でエルメスが受け入れられるようになった推移も考察している。
本書ではその成功要因を
①ブランドの原点となる「アイデンティティ」の明確さ(アイデンティティの構成要素…最高の素材、技術を用いた『品質』。フランス宮廷文化の『イメージ』。手仕事による『希少性』)。
②「伝統」を守りながらの絶え間ない「革新」にあると主張。
具体的な商品展開を例示しながら、如何にエルメスが一流ブランドに成長し、今もその地位にあるかが理解できる。