紙の本
活劇と泣きで、また1冊読んでしまいました
2006/05/17 23:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
お馴染み鬼平の第8巻です。6つの中短編が収められています。それぞれ独立した話としても読むことができますが、なんとなく繋がっていて、時間の流れを感じることもできるのが鬼平の魅力の1つかもしれません。
この第8巻では、脇を固める人たちの活躍が目立ちます。特に親友である岸井左馬之介が登場する話が2つ収められており、「あきらめきれずに」では結婚もします。
しかし、やはり一番は鬼平の活躍が目覚しい「流星」でしょう。東と西の盗人が鬼平を苦しめますが、最後には大捕り物となり、しかも最後の最後で泣かせてくれます。
これがあるから、鬼平はやめられないのですね。
投稿元:
レビューを見る
あきれた奴では、同心の小柳安五郎が又八という捕らえた盗賊を逃がし、自分がその責めを負って変わりに牢獄に入るというお話。
仇を討った、又八は再び、盗賊改メ方に舞い戻ってくるという、走れメロス的な展開です。
安五郎と又八に通う心の交流が何とも、男っていいよなぁ〜と思わせる。
投稿元:
レビューを見る
ドラマではない左馬之助の結婚の話「あきらめきれずに」が収録。
その他の作品もドラマとは少し違うないようだが、相変わらずの鬼平ワールドは面白い。
投稿元:
レビューを見る
基本的には盗賊VS鬼平の流れだけでよくここまで飽きさせないよなぁ。人が描かれているとかはあるだろうけれど、盗人の種類も多くてすごい。そろそろ過去の事件のどれがどれか分からなくなってきました。問題はないですが(苦笑)
投稿元:
レビューを見る
久々の再読。藤枝梅安や剣客商売など、寄り道したけど、やっぱり長谷川平蔵が一番イイ!久しぶりに読みながら、吉右衛門のドラマを思い出した。小説に忠実なドラマだったなと。 用心棒で小房の粂八が出てきたときは、やたら嬉しかった。あと、お熊婆さんも。
投稿元:
レビューを見る
「あきれた奴」容疑者を信用して牢から連れ出し、逃がすなんてあり得ない。「あきらめきれずに」盗賊の首領に再度言い寄られずるずると逢引を繰り返すお静さんが左馬之介と結婚した。何の御咎めもないのが不可解。11.9.28
投稿元:
レビューを見る
用心棒おもしろい。こういう話好きだ。
ちょこちょこでてくる友人岸井左馬之助が最後の話では嫁をもらっていた。
投稿元:
レビューを見る
何度読んでも面白い、ページを捲るのが待てない。少し間を置いて、薄ら内容を忘れた頃に読むのが良い。以前、全巻持っていたが置き場所に困り、古本屋にはらってしまった。以後、馴染みの古本屋やブクオフで見つけては、買ったり買わなかったり。一度読んでいるから、何処から読んでも、忘れていた内容を思い出す。
投稿元:
レビューを見る
鬼平のかっこよさ、というより小説自体の面白さが際立ってくる。
なんとまあ、誰も彼もが、生き生きとしていることよ。
投稿元:
レビューを見る
奥付見たら昭和47年の連載。それがこうやって今も色褪せず読める。流行り廃りではないところの仕事だね。
投稿元:
レビューを見る
収録された話は、
「用心棒」、「あきれた奴」、「明神の次郎吉」、「流星」、
「白と黒」、「あきらめきれずに」の六篇。
収録篇数が少ないが、それは「流星」のボリュームによる。頭脳派でしたたかな賊に剣客までつくと、ろくでもないことになる。
「兇賊」は平蔵暗殺を企てる賊の話だったが、今回は平蔵の周りの人々を襲い、平蔵を凹ませるだけでなく、その隙に盗みまではたらこうとする話。そんなこともあって、内容が濃い。
そういえば、丹波哲郎主演の『鬼平犯科帳』での、この「流星」では、剣客役に『ルパン三世』の銭形警部役の納谷悟朗
さんが出演されていた。声だけでなく、演技も素敵だった。
さて、「あきらめきれずに」では、またしても岸井左馬之助の純情な面が描かれる。「本所・桜屋敷」以降、左馬之助もお気に入りのキャラになったが、やっと春が来た。よかったよかった。
投稿元:
レビューを見る
『大川の隠居』の友五郎が再登場して嬉しかったのですが、事件に巻き込まれた行く末は切ないものがありました。 『あきれた奴』『明神の次郎吉』など、人の情を感じられる話が多く、鬼平っていいなぁと再認識した次第です^^
投稿元:
レビューを見る
今巻も面白かったですー。
今回は、女絡みの事件は少なかったなぁ。
その分、読み始めから没頭できた。
最初の章『用心棒』は、平蔵様お得意のどんでん返しな結末で笑えましたー。
私だったら、自分の身分をすぐ明かしちゃうだろうけど、平蔵様のちょっとした遊び心で制裁しちゃうのはさすが。
『あきれた奴』は、小柳安五郎の独断での解決?で、なんとかめでたしで終わったけど、ほんとラッキーでした。
平蔵様だったら、どうこれを解決するのかなって思う。
今回は左馬さんの出番が多くて面白かったです。
子供っぽく純真でいて、それでいて豪快で良いキャラしてます。
そんな彼の新たな一面が読めた巻でしたー。
久しぶりの改方総出の大事件もあって読み応えあった。
投稿元:
レビューを見る
鬼平犯科帳。
この人の小説に出てくる食べ物は、どうしてあんなに美味しそうに思えるのか、いつも不思議。
投稿元:
レビューを見る
悪事を働く者も、平時は行き倒れを放っておけぬようなお人好しであったり。はたまた、かつては名の売れた盗人であったのが、仮親として世話している若者の危機に、ようやく手に入れた平穏な隠居生活を捨ててもとの家業に戻る者も。
しかし、いくら善行を施しても、それで犯した罪のすべてを贖うことはできない。刑に服することを逃れられるはずもない。
「こう生きたい」「ここで生きたい」と願っても、なかなかに叶うものではない切なさ。「こう生かしてやりたい」と手を差し伸べても、その手をすり抜けて行ってしまう遣る瀬無さ。
「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」6編を収録したを収録した無常感あふれる第8巻。
『主人のほうでは「長い年月まじめに奉公してくれたなら、しかるべきところへ嫁入りさせよう。じゅうぶんに支度をととのえてやろう」と考え、女中のほうは「一生懸命に奉公すれば、ご主人はそれだけのことをちゃんとして下さる」と将来に希望をもち、陰日向なく奉公をするというのが常道であったのに、こうした考え方、生き方が年ごとに薄れてしまい、使うほうも使われるほうも目先のことばかり追いかけるようになったのは、いったいどうしたことなのであろう……。』
これは「白と黒」からの抜粋(中略あり)だが、作品の発表時期は昭和47年。とても江戸が舞台、昭和に描かれた物語とは思えない今どきの嘆きである。