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95年のエヴァブームをオタク文化の画期と捉える点で、「趣都の誕生」と表裏をなす。エヴァ以降の作品のコンテンツを丁寧になぞりつつも、「セカイ系」をはじめとするコンセプトの整理によって、東浩紀をはじめとするオタク論との接続をはかる。本書で触れられている作品に触れてはいない自分にとっても、ここ15年に起こっていた変化を概観できた。
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期待していた内容とは少々違ったが面白くは読めた。
セカイ系について論じた本書自体がセカイ系作品というたちの悪いジョークになってしまっている気もするが。
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同世代の著者による、エヴァ後にアニメをはじめとする各メディアで現れた「セカイ系」の整理。
読み直して、もう一度整理したい。
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序 章 セカイ系いう亡霊
第一章 セカイの中心でアイを叫んだけもの 1995年-99年
第二章 セカイっていう言葉がある 2000-03年
第三章 セカイはガラクタのなかに横たわる 2004-06年
第四章 セカイが終わり、物語の終わりが始まった? 2007-09年
セカイ系という言葉を聞くようになってからかなりたつが、正直あまり関心がなかった。
正直言って「エヴァンゲリオン」自体をあまり評価していないし、面白いとも思わなかった。
そこから先にくるものに興味がおきなくても仕方なかろう。
でも、これは一種の社会現象であるからして、作品がどうのこうのではなく、現象としてこれは何なのか?ということについては関心がないわけではない。
そこで遅ればせながら、ちょっとのぞいてみようと思い立って読んでみた。
そんな程度だから、当然作品も「エヴァ」以外は見てないし、「ほしのこえ」をようやくさっき見た。後は全然見ていない。
読んでも作品について書かれたところは当然ピンとこないが、とりあえず全部読んでみた。
まあそれなりにそういうことなのか、とはわかったが、なんとそこには、「セカイ系」はもう終わったと書いてあるではないか。
終わったからと言って、その影響はまだまだこれからあちらこちらに出てくるだろうから、まあ読んどいてよかったとは思ったが、少々関心を持つのが遅すぎたようだ。
ちょっとスピードアップして、セカイ系の道筋をトレースしておかなきゃなあと思う。
「エヴァ」にしても「ほしのこえ」にしてもはたまた「最終兵器彼女」にしてもとにかく戦争ものが多い。これはどうしても焼き直しが多い為にやむを得ないとは思うのだが、ここ十年の若者世代の弱点だ。
すべて戦争が起こってしまった後の話ばかり。それはもううんざりするばかりだ。
なんて想像力が貧困なんだ。というのが率直な感想だ。
でもこのままではない。すでにその後いろいろな動きが出ているようだ。
やはり一時のブームというか盛り上がりの後、そこを通過したホントの才能が必ずいくつか動き出す。そこへ繋がっていきたいという気はおおいにある。
読んでおくべき一書でしょう。
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4/28
やや中立とは言い難いが、『エヴァ』後のオタク界隈を「セカイ系」というキータームを中心に丁寧にまとめている。
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「セカイ系」っていまいちよく分からないので読んでみた。
後半ちょっと混乱した部分もあるけど、セカイ系が広まっていく経緯がわかった気がする。
様々なメディアを取り上げた力作だと思います。
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今までwikipediaの説明文くらいでしか読んだことがなかったセカイ系について、その生い立ちからゼロ年代の後半までの一連の歴史と流れが詳しく説明されててとても面白かった。
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読みやすいしわかりやすいいい本。
ただ非常にせまいテーマなので後半ちょっとだれるけど。
セカイ系好きな人にもアンチにもオススメ。
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「セカイ系とは何か」
実はこの「セカイ系」という単語。前々から興味を抱いてはいたのだが、扱いに困りあぐねていたのでこの本を見つけた時は素直に歓喜した。もちろん即買いである。
実際この問いにすらすらと答えることの出来る人は少ないだろう。オタク文化コンテンツを巡る言説空間で使われるワードのため、知らない人も多いと思うので、一応その定義を説明しておこう。セカイ系とは、一般的に次のような要素を持つ作品とされる。
・少年と少女の恋愛が世界の運命に直結する
・少女のみが戦い、少年は戦場から疎外されている
・社会の描写が排除されている
例えばマンガ『最終兵器彼女』、アニメ『ほしのこえ』、ラノベ『イリヤの空、UFOの夏』の三つはよく「セカイ系」の代表作として語られる。ところが、これらの作品はそれぞれ上の要素にあてはまらない箇所があったりする。また『イリヤの空、UFOの夏』などはアンチ・セカイ系作品と呼ばれることもある。こうした点から「セカイ系」とは実体の存在しないバズワードではないか、とよく言われてきた。そんな存在である「セカイ系」を正しく捉えようというのが本書の試みである。
本書は、セカイ系について時系列順で語られており、中盤まで「エヴァンゲリオン」を中心において色々な作品と比較して「セカイ系」とはどのような作品を指すのか丁寧に説明されている。中盤以降は「美少女ゲームの臨界点」などの影響により「セカイ系」という単語が多く出てきたことを受けて東浩紀をはじめとした著者からの引用が多くなっていく。
全体の印象としては、「エヴァンゲリオン」から「涼宮ハルヒの憂鬱」までのサブカルチャーの潮流をセカイ系という観点から分かりやすくまとめた本という感じだ。様々な観点から「セカイ系」について語られており、東氏と宇野氏による議論なども間に交えながら話が進み、実に多面的に理解が深められる書であった。唯一残念なのが、前島賢による分析の視点が足りないということだろうか。もっと突っ込んで意見を主張してもらっても構わなかったように思う。
アニメやサブカルチャー批評について詳しいとより本書は楽しめるので、読もうという方は事前に予備知識をつけておいた方がいい。丁寧に解説してはあるので不要かもしれないが、エヴァの大まかなストーリー位知らないと、何言ってるか分からない、かも。
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非常に読みやすく、気軽にフーンって感じで読める。
セカイ系にもともと詳しくないので、いろいろと勉強になりました。
ちなみに、セカイ系の作品群を見てないけど、見てみたいという人は、考察の為に本書内でネタバレが含まれますのでお気をつけて。
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分かりやすいけれど、東浩紀の影響下から脱し切れていない印象。
具体的な作品に多く触れているのでその点はおもしろい。
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なんであれエヴァはターニング・ポイントだったのだと思う。そして、エヴァを観た人は皆それを自分の物語として語る。私は観てないからわからない。観たらまたこの本についても違う感想が出てくるのかもしれない。
自分はダメだと反省したい、自己批判を自己肯定して、それをまた自己批判…というループを繰り返すのが、オタクだとする。アニメやマンガ、それらをひっくるめたサブカルチャー、オタク文化を楽しむときについてくる後ろめたさを、わかっていながら楽しむオタク。
でも、だんだん後ろめたさを感じないでオタク文化を楽しむ層が現れる。イイ大人だってアニメを楽しんでいいじゃない。芸能人が堂々と「ワンピース好き」を公言するみたいに、誇れることになってくる。それはオタクじゃない。オタクって自嘲的な意味の言葉だと思うので。そうなると、もうオタク文化は無邪気な文化になってしまう。そうなるともう進化(もしくは深化)が止まる。それは嫌だな、と思う。
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ゼロ年代後半に終わった(とされる)セカイ系をエヴァを起点に概観、再定義している。むしろ4章後半のポスト・セカイ系の紹介の方がおもしろく読めた。
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2011 5/21読了。Amazonで購入。
@sakstyleの評(http://d.hatena.ne.jp/sakstyle/20100717/p2)を読んでいつか読もうと思っていた本・・・10ヶ月も前か!
タイトルのとおり、セカイ系とは何かについて、もうその言語の隆盛は終わっているのは前提として、整理している本。
元は「エヴァっぽい」ものを指す語として使われていた、というあたりの話が面白かった。
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[ 内容 ]
セカイ系とは、『新世紀エヴァンゲリオン』以後を指し示す言葉に他ならない。
アニメ、ゲーム、ライトノベル、批評などなど―日本のサブカルチャーを中心に大きな影響を与えたキーワード「セカイ系」を読み解き、ポスト・エヴァの時代=ゼロ年代のオタク史を論じる一冊。
[ 目次 ]
序章 セカイ系という亡霊(セカイ系とは何か?;曖昧なその定義 ほか)
第1章 セカイの中心でアイを叫んだけもの―1995年‐99年(セカイ系=エヴァっぽい作品;メガヒットアニメとしての『新世紀エヴァンゲリオン』 ほか)
第2章 セカイっていう言葉がある―2000‐03年(オタク文化の自問自答の軌跡;萌えと美少女ゲームのゼロ年代―『ToHeart』 ほか)
第3章 セカイはガラクタのなかに横たわる―2004‐06年(セカイ系の定義の変化;ライトノベル・ブームとセカイ系 ほか)
第4章 セカイが終わり、物語の終わりが始まった?―2007‐09年(セカイ系の終わりと再興;宇野常寛の登場―『ゼロ年代の想像力』によるセカイ系の復活 ほか)
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