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紙の本
命の大切さをあらためて考えさせる一冊
2005/05/13 03:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲ちゃんパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常事態の中で子どもたちを守りながら生きていく姿は、あらためて命の大切さを痛感させられるものです。いや、大切さと言うよりも、命の尊厳と言った方が良いかもしれません。想像でしかありませんが、マリは本能的に生きようとしたのであって、「命が大切」と理性で考えたわけではないでしょうから。
絵と写真を織り交ぜた「絵本」としての仕上がりもよく、子どもでも容易に読めるような作りになっているところも評価できます。
率直に申し上げて今ひとつ臨場感に欠けているようにも思いましたが、マリの行動はキチンと伝わってきました。
命の大切さをあらためて考えさせる一冊だと思います。
紙の本
マリが死んでからも。
2020/05/01 16:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
マリが死んだ、というニュースを見たのは数年前のような気がする。
けれどもあの中越地震の被災現場の記憶は、色あせない。
山古志のシンボルの一つとなったマリ、そしてその子犬たち。
ごく普通の日常を生きていた、ごく普通の母犬と、その子犬たちの懸命に生きる姿がいとおしい。
紙の本
新潟中越地震で被災した、ごく普通の母犬の物語
2005/04/29 23:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
新潟中越地震の数時間前に、山古志村で三匹の子犬を産んだ飼い犬マリについて、実際にあった話をもとにした絵本(写真も載っていて、こちらの方が断然かわいい)。値段はちょっと高いが、犬は大好きだし、本の売り上げの一部が復興資金に充てられるそうなので、寄付を兼ねて購入した。
マリは特に名犬ではなく、犬離れしたお手柄を立てたわけでもない。ごく普通の雑種犬で、犬ならごく普通の事をしただけである。しかし、だからこそ、作り物めいたところがなく、マリのいかにも犬らしいけなげな愛情と、その結果の小さな“奇跡”にホロリとさせられる。また、地震直後の場面は、淡々とした描写ながらも、とても緊迫感があった。
だが、人間だけが避難させられ、村に置き去りにされてからのマリの物語は、致し方ない事ながら、人間の想像によるファンタジー的なものになってしまい、迫力が大幅にダウンしてしまった。地震直後の話に、もっとページを割いた方が良かったように思う。特に、飼い主が2時間もかけて階段を降りたというエピソードは、この物語の最重要のポイントだと思うので、あとがきでチラリと触れるだけではなく、本文でもしっかり描いてほしかった。
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