紙の本
未来のために踏み出す勇気と覚悟
2013/02/06 00:36
14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Fukusuke55 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者リンダ・グラットンさんとそのグループが、世界中で調査し・分析・考察した2025年のという未来のための「働き方」読本。
2025年 - 12年後というのがなかなか絶妙なタイミングです。
すでに起き始めている現実で、まだマイノリティな状態にあるいくつかの現象が、一般化していくであろうというのが著者のメッセージで、それがマジョリティになったときにあなたは、どう生きるのか?その準備を今していなければなりませんよという警告の書でもあります。
ここに挙げられているポジティブなケース(第3部)、ネガティブなケース(第2部)ともに現段階では先鋭的ではあるものの、すでに現実化しているものであり、ひとつひとつが驚くほどに新規なものではありません。しかし、これが「フツー」になる社会ってどんな世界なんだろう・・・。その時、会社ってどうなっているんだろう、家族ってどうなっているんだろう、そしてど自分自身はどうしたいのか?と考えながら、今から行動することが大事なんですよね。今、その分岐点にあなたたちは立っているのですよ!という働きかけです。
「未来の自分」、「未来の社会」のために一歩踏み出す勇気と覚悟。
踏み出す前提となる「未来を形成する5つの要因」として、著者は
- テクノロジーの進化
- グローバル化の進展
- 人口構成の変化と長寿化
- 社会の変化
- エネルギー・環境問題の深刻化
を挙げており、それをベースに以下3つの資本を「シフト」することだと提言します。
その3つの<シフト>とは
1. 知的資本-ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
2. 人間関係資本-孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
3. 情緒的資本-大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
1.や2.は、自身の努力と鍛錬でシフトすることは可能であったとしても、著者が言うとおり3.が最もハードルが高そうです。
それは社会での価値観と相対的な関係にあるものだから。
自分の価値観は主体的に変えることが可能でも、他人の価値観、特に世代の異なる人の価値観を変えることはほぼ不可能で、とりわけ年齢の高い人、その時代に成功した組織にいた人、自身が成功した人の価値観はまず変わらない。
だから、せめて他者、とりわけ若い世代の価値観、社会感を受容し、彼らのチャレンジに寛容になるということ、そして、自身(の世代)の価値観を強要しないこと・・・これを自覚して生きることが50代以降の日本のオトナに求められる時代との向き合いかたなのではないかと思います。
ぜひ、世界中の10代、20代の若者に読んでほしい・・・そう強く思います。
電子書籍
これからの時代を生きるために
2017/05/04 20:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玄米茶 - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会の変化やテクノロジーの進歩、家族構成の変化や新興国の台頭により、世界中の人間がライフスタイルの変更を余儀なくされる。漫然と生きる者は、変化に翻弄されっぱなしの受け身で、不満を抱えた生活を送るだろう。では変化に対応するために必要な「シフト」とはー?
そんな問いを読者に投げかけ、考えうる解答を提示する。
紙の本
重要なのは、シフトする時期を逃さないことだ!
2020/12/05 16:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読んだ時にもその新しさに感銘を受けたが、働き方をシフトしてゆくならまさにコロナ禍の今と今後ではないかと再度手に取る。
読み始めて、まず思ったのは、最適なポイントで軌道修正する=シフトするということを、ずっと忘れたままのバブル以後だったなぁということ。
この一冊を参考に考えれば、バブルがはじけた直後は、その最大最適なシフトのチャンスだった。あのとき、組織や経済を闇雲に大きくすることを目的とし、その手段として消費を煽るみたいな暮らしを是とする社会から大きく舵をとり、方向を変えたらどうなっていただろう。しかし、社会は、そのままの価値観を追い求めるカタチでずるずると来てしまい、その結果として、年金問題、原発問題、各種いじめに自殺の問題etc...の今日がある。
そこにコロナ禍。今度は、2回目の最適なシフトのチャンスだ。そして、変えようとしなくても、私たちは、小さい部分(市民の生活、小さいビジネスetc)で、シフトを繰り返しその集積にて社会を変えてゆけるのではないか...と、またも希望を感じ、そして、本書で予言されたことが、世界でより顕在化している焦りもある。
本書で描かれた「2025年、私たちはどんなふうに働いているだろうか?」をテーマにした、ふたつの未来がやってくるまであと少しである。
投稿元:
レビューを見る
本書を手に取り、読もう読もうと思いつつ1年半も寝かし続けてしまった一冊。
世界が変わり、技術が発達するにつれて、働き方も変化せずにはいられない状況が刻一刻と迫りつつある。この本にある通り、2025年にはまさしく今の働き方は残りつつも、今とは全く違うかたちで働くということが見直され、働き方にも大きな変化が起きることが予想されるのは想像に難くない。著者が述べる3つのワークシフトがその主流をなすことだろうが、何にせよ、あらゆる思考・意見を参照しつつも、最終的には自分で考え、その結果に対し責任と覚悟をもって臨む姿勢が大事になってくるはずである。
自分自身も遅まきながらこの本の内容、そして目の前の社会の変化を感じつつ、自分の将来に対し、決断をもって次への働き方へとつなげていきたい所存である。
投稿元:
レビューを見る
半年に渡る長い海外出張のなか、この本を読みました。
小さな子供と離れ、妻に大きな負担をかけ、多忙のなかで時間をすごした日々。
昨日に家に帰ってきたものの、また海外に出張でいく必要がある事を伝えることで、家族の失望や諦めを感じています。
いま、私は働き方について何かを変えざるを得ない時期にあると感じます。
このまま深く考えずに過ごすことが、どんな結果につながるのか、これからどんな選択をしていくべきか、考えるベースとして、この本は私達に問いかけます。
私達は、未来の生活の質を高めるためにどんな選択をしますか。
一緒に話し合いましょう、と。。。
投稿元:
レビューを見る
「最近出てるシフト系で抜群のまとめっぷり」という評価をどこかで読んだので購入。
確かにここ最近で話題になった価値観から、うまく未来を可視化していて、読みやすいです。
ただ、知ってる人には物足りないかも。
投稿元:
レビューを見る
社会が変われば、そこで働く人に求められる資質も変わる。どう学び、どう働き、どんな人間関係を築くべきかのヒントをふんだんにもらえる本。
自分にとってすごく驚くような内容がなかったのは、インターネット業界、環境業界、NPOセクターなどで、これから起こる変化の予兆に触れながら働いているからかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
未来を形作る5つの要因。
①テクノロジの進化
・テクノロジーが飛躍的に発展する
・世界人口の50億人がインターネットで結ばれる
・クラウドの利用促進
・生産性の向上
・ソーシャルな参加が活発になる
・知識のデジタル化
・メガ企業とミニ起業家が台頭する
・バーチャル化とアバター
・人工知能アシスタント
・テクノロジーが人間の労働者にとって変わる
②グローバル化の進展
・24時間×365日休まないグローバルな社会
・新興国の台頭
・中国とインドの発展
・倹約型イノベーション(新興国で生まれたイノベーションが先進国に)
・新たな人材排出国の登場
・世界中で都市化の進行
・バブルの形成と崩壊
・世界中に貧困層の出現
③人口構成の変化と長寿化
・Y世代の影響力が強化
・寿命が長くなる
・ベビーブームの一部が貧しい老後
・国境を越えた移動が活発に
④社会の変化
・家族のあり方が変わる(離婚・再婚の増加等)
・自分を見つめ直す人が増える
・女性のちからが強くなる
・バランス重視の行き方を選ぶ人が増える
・大企業や政府への不信感が強まる
・幸福感が弱まる
・余暇時間が増える
⑤エネルギー、環境問題の深刻化
・エネルギー価格の上昇
・環境上の惨事が原因で住居を追われる人がいる(原発問題とか)
・持続可能性を重んじる文化の形成
・3つのワークシフトが必要
①高度な専門性を磨く。複数の山が連なるようなキャリアを描く
②課題に取り組む上で頼りになる少人数のメンバー/イノベーションを推進する大勢のネットワーク/ストレスを解消する友人という3つのネットワーク
③消費×お金を中心とした価値観から創造的経験を重要視する価値観への変化
そして重要なのは自分自身で意図的に選択してシフトされること。当然ながら選択しなかったものは失うことになる。
投稿元:
レビューを見る
2012年読んできた本の中でも特におすすめの良書。
先日も書きましたが、一つの活動体(会社や組織)にしがみつく
時代ではなくなる。そのことを本書では、
「連続スペシャリスト」としてネーミングされています。
----------------------------------------------------
ゼネラリストと会社の間には、社員がその会社でしか
通用しない技能や知識に磨きをかけるのと引き換えに、
会社が終身雇用を保障するという「契約」があった。
………問題は、そうした旧来の終身雇用の「契約」が
崩れ始めたことだ。ゼネラリストがキャリアの途中で
労働市場に放り出されるケースが増えている。
そうなると、一社限定の知識や人脈と広く浅い技能をもっていても、
大して役に立たない。
(本書より)
-----------------------------------------------------
働き方について
5つのトレンドと3つのシフトをわかりやすく、
たとえ話を織り交ぜながら、
読者に呼びかけている良書です。
働くことで、どんどん情熱が持続でき、
傾けつづけることができる。
そんな価値ある経験の積み重ねをしていきたいと思います。
一人ひとりが働く定義も勉強同様、再定義する必要があります。
投稿元:
レビューを見る
2025年、テクノロジーの進化、グローバル化、人口構成の変化と長寿化、コミュニティの変化、エネルギー・環境問題の深刻化などの要因により、将来の我々の働き方は大きく変わる。そんな中、自分の職業生活に影響を及ぼす要因を捉え、どういう働き方を選択すべきか、考えさせられる1冊。
①<第1のシフト>広く浅い知識をもたないゼネラリストから、高度な専門知識を備えたスペシャリストへのシフト。
今後は簡単に多くのテクノロジーにアクセスできるようになるため、専門性の低い技能は取って代わられてしまう。そこで、専門性の高い技能の獲得に多くの時間を費やすのだが、そこでは時代ごとに求められる技能を連続して習得していく必要が出てくる。この連続的な獲得の必要性が、これまでの時代とは異なると思う。(ゼネラリストより深く掘ったスペシャリスト)
また、他の人が同じような技能を持つようになれば埋没してしまう可能性も出てくるため、自分の能力をアピールするような方法も考えなければならない。この点は、第2のシフトのネットワークを築く際にも人を集めるのに必要であるため、注意したい。
②<第2のシフト>孤独に競い合う生き方から、他の人と関わり協力し合う生き方へのシフト。
他者と差別化してイノベーションを創造する仕事をするためには、複数での協業が求められるが、その集団には、専門集団であるポッセ、創造的なビックアイデア・クラウド、バーチャルな孤独を和らげる自己再生のコミュニティの3つがある。特に(自分にとって)大切なのは、プル戦略(人を惹き付けること)。共通の興味や関心を通じて集まる集団には、自分が積極的に発信していくことが重要だ。自分の関心はどういったもので、他者にどう伝えていくかは、社会人にとっても有用なコミュニティを築く一歩になり得る。
③<第3のシフト>大量消費を志向するライフスタイルから、意義と経験を重んじるバランスの取れたライフスタイルへのシフト。
お金が第一である価値観から、家族や自分自身の経験に比重を置く価値観へのシフトが始まっている。自分にとっては成長や貢献が大切だと感じているが、企業以外にも非営利団体など他でも活動することを通し、多様な価値観を受け入れて自分の存在意義を考えていきたい。
全体を通して、未来を予測するだけでなく、会社や家庭での価値観を含めて、自身の強みや武器となるキャリアを考えるきっかけとなった。
投稿元:
レビューを見る
『フリーエージェント社会の到来』以来の、未来の働き方に関して、重要な提言のある本。
未来を形作る5つの要因を提示し、働き方のシフトを、3つにまとめている。
このテーマは、凄く深く、今後も様々な角度から、いろんな書籍が出そうですね。リードホフマンの『スタートアップ』にも、共通する内容が多かったので、やはり、この方向性は、間違ってないのですね!
投稿元:
レビューを見る
今の世界の状況から推測する未来の予測について述べられている。
2パターンの予測があるが、どちらも起こりうる可能性は十分あると思われる。
仕事のやり方について考えさせられる本です。
投稿元:
レビューを見る
ここに描かれたような2025年はやってくるのでしょうか?とてもおもしろかったが、もう少し夢が欲しかった。次は2050年でお願いします。
投稿元:
レビューを見る
啓発系の本はたまに読みますが、だいたいがこうすべきというベクトルだけ示されており、読み終わった後はそんなの分かってるよ、と思うことが多いです。が、これはきっぱり具体的に未来の社会を予測し、面白かったです。
文章が、前半は男性っぽく、女性の本だと気付いたときはちょっと驚きました。
かなりボリュームがありますが、テーマへのアプローチの仕方とか、読み応えがあってよかったです。
ただ、この本のシフトすべきターゲットは、ポテンシャルがある程度ある人なんだろうな〜とか思っちゃったりしてもいます。
投稿元:
レビューを見る
図書館で借りたのを読んだ後、Amazonで買いなおした。
自分の進むべき道に希望が見え、今までの仕事選びは間違っていなかったと思えるようになった。