紙の本
裏表「ステディ」。
2005/08/11 15:33
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イチイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
松前氏の書くBLというのは、端的に言えば「ちょっと変わった恋愛」…、というと口当たり滑らか。実のところ、普通に見えるのに全然普通じゃない、という、他の人も書くようで書かないような…、斬新ではないけれど不思議な人物や物語の描き方をする方です。
本作における流れの核であるので、人物関係や経緯などを詳しく言えませんが、表紙を見るだけでは恋愛模様の展開を全て予測することは出来ないでしょう。数多くのBLが、「表紙に描かれる二人の『発端』から『決着』」という構成で成り立つ「出口への一本道」であるのに対して、本作においては、複雑ではないけれども、横道にそれてみたり大回りをしたりと、実にややこしい経緯を辿るのです。
読み終えてみて、そんな恋愛の形はありえないよ、と思う人もきっと多いと思います。けれども賛同…、或いは共感する人もいるかと思うのです。僕は、ああ、そういうことなんだな、と思ったうちの一人。好きな相手の望むことならば、それが例え自分から相手が離れることになっても拒絶したりしない、相手の想いを束縛しない、という精神。これは単なる保守的な受け身なのではなくて、誰よりも誰よりもその人を尊重し大事にしたいと願うゆえの優しさなのだろうと感じました。表面だけで取り繕う「優しさ」なんて、それに比べたら本当に上っ面に過ぎない。何かに言い訳をするように、ステディな関係、なんて言う「恋愛」もあるけれども、その中のほんの一握りは、こんな優しくて切ない恋愛を体験しているのかもしれませんね。
初出:CANARY CAGE
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松前侑里先生、待望の書き下ろしです。
表題作品1編のみの収録ですが、毎度のことながら繊細なストーリーが心に沁み渡っていくようです。
同級生と上級生、2人の男の子の間で揺れ動くこれまた可愛い男の子のお話です。いきなり中学生の時の話から始まったので、ちょっと年齢低くないか…と思ったのもつかの間、ずんずん時間は流れて私好みな年齢の主人公たちに出会えました。
テーマ色を上手いこと折り込んでいく松前先生の文章の素晴らしさにあっという間に読んでしまいました。
題名にもあるように透明感の豊かな、イマジネーションを駆り立ててくれるような世界観とキャラ設定と、人間模様と…また宝物が増えた気がします。そしてあとがき。今は亡きあとり硅子先生への思いを語って下さっていて、読んでる側としては本当にじんわりしました。やはり松前先生にとってもなくてはならない方だったのですね…。
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「もう大丈夫だよ」――みんなと違う自分が苦しくて迷子になっていた皆実の心を、そう言って成行はすくい上げてくれた。親友の誠一へのゆき場のない想いを、聞いてくれる人がいる。それだけで皆実は仲間たちのもとへ帰ることができた。そんな逢瀬を重ねるうち、皆実はゆっくりと成行に惹かれてゆく自分に気づく。だが、誠一も自分に想いを寄せてくれていたことがわかり・・・・・・。
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教師養成学校での皆実と仲間達、先輩で先生の成行のお話。複雑です。皆実があっちふらふらこっちふらふらしてますが、板挟みで大変だなぁという感じを受けます。こんな学校現実にあったら凄いなぁ・・。通って見たいような気もする。
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「もう大丈夫だよ」――みんなと違う自分が苦しくて迷子になっていた皆実の心を、そう言って成行はすくい上げてくれた。親友の誠一へのゆき場のない想いを、聞いてくれる人がいる。それだけで皆実は仲間たちのもとへ帰ることができた。そんな逢瀬を重ねるうち、皆実はゆっくりと成行に惹かれてゆく自分に気づく。だが、誠一も自分に想いを寄せてくれていたことがわかり……。
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親友が好き。気持ちを伝えれない主人公の相談相手になってくれる先輩。揺れ動く気持ちの中最後に主人公が選んだ相手は。
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皆実の恋に悩む姿が可愛すぎる。
成行が大人すぎる。
誠一がへタレすぎる。
絵もかわゆい一冊です。
青春送ってるのに、あんまりBL本ぽくなくて好きです。
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松前作品の中で一番好き
私は源氏物語の浮舟みたいなどっち付かずの奴、すっごい苛々きちゃう性格なので
正直皆実には苛々することがありましたが
あの二人どっちかって言われたらそりゃ選べないわ、とも思います
バスケのシーンが大好き
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「もう大丈夫だよ」―みんなと違う自分が苦しくて迷子になっていた皆実の心を、そう言って成行はすくい上げてくれた。親友の誠一へのゆき場のない想いを、聞いてくれる人がいる。それだけで皆実は仲間たちのもとへ帰ることができた。そんな逢瀬を重ねるうち、皆実はゆっくりと成行に惹かれてゆく自分に気づく。だが、誠一も自分に想いを寄せてくれていたことがわかり…。書き下ろしパステルブルー・シーズンズ
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すごい久しぶりに再読。テクノサマタさんの表紙今見ても素敵。松前作品自体久しぶり。こんな優柔不断な話だったっけ?いつになったら本命に行くのってソワソワしたけど、ラスト間際すぎた。