紙の本
ありもしない希望にすがりたい気持ち
2010/07/31 02:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
無聊を託つ繭墨あざかと小田切勤の下に、他の異能力者から仕事の依頼が舞い込んでくる。自分たちの手には負えないと泣きついて来たのは、日傘と名乗る青年と、雁屋灯という影使いの少女。
彼らの導くまま赴いた先には、白い肉の化物と、無くしたものを何としても取り戻そうとする人間たちの姿があった。
またしても感じる狐面の影。そして今回は、彼も一人ではなかった。
狐の甘言に縋るしかなかった人間たちが引き起こした現象と、その裏面にある二つの事件。そして、それを触媒として、最後の罠が発動する。
今回登場した人々は、小田切の後悔と表裏一体の想いを抱えている。いまも直後悔し続ける小田切と、後悔を取り戻そうと、ありもしない希望に縋る人々。どちらの選択が正しいか、それとも他に正解があるのかは誰も知らない。
新キャラクターとして繭墨の白バージョンが登場。水無瀬の面々も少しだけ再登場する。
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最初の人魚の話はすごい。醜悪さと幻想的な表現を効果的に使っており、綾里氏の描く世界があっという間に読み手を包む空気を変えていく感じ。更に溺死した彼女の思いを知った時や、小田桐が牧原に浴びせた言葉が与えた結果が分かった時など、久しぶりに読み浸れる内容に出会えた気がした。
第2、第3と続くエピソードも悪くはなかったが徐々に最初に感じたインパクトが弱まった気がする。ひとつは仕掛けを作り過ぎて、やや分かりにくさが先行する瞬間があり、小説の世界から思考する現実に引き戻される感じ。この辺は読み手である私の能力不足であり作品を批判することはできないが、どこかでここまで思い通りに人が動かされるものなのかという疑念があるからかもしれない。
それはともかく、中盤以降小田桐の行動に偽善的で自己愛護的な匂いを感じ取ることもあったが繭墨からの容赦ない態度が気持ちよく、実に私の趣味にあった小説だと思う。個人的には小田桐を打ちのめす言葉がまだまだ弱い気がして、ラストにかけての不満のひとつだった。仕掛けられたことだったかもしれないが第2のエピソードでやらかしたことは失態以外になく、あの辺からすっかりアンチ小田桐になってた気がする。まあこいつも普通の人間じゃないよな、鬼が腹の中に住んでてなんで正気でいられるのかと第3巻になった今でも思う。
とりとめのない感想になってしまったが、まもなく4巻めが発売されらしく、長く積み本になってたことを後悔。
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久々に本を読んで気持ち悪くなる感覚を覚えた本です・・・
自分にとってはそれ位リアルに状況が浮かぶ表現を読み取れました。
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なんというか、相変わらず救いようのないというか・・・
1巻同様主人公・小田桐はどん底に突き落とされ、それでもその状況を続けなければならない・・・という感じ。グロさも原点回帰(?)な巻。
2巻初登場にして既にNo1キャラな「神」が今回も魅せてくれる。「神」マジ最強。
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いよいよ佳境にさしかかってきたか?
ラノベだからさらっと読んじゃってるけどやっぱり主人公結構気の毒だよな。
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小田桐と雄介と幸仁のやりとりが楽しい。
後半にだらだら感。
いつまでも引きのばされてちょっともうどうでもよくなってくるというか…。
バランスよくおもしろさが組み込まれてればいいのになー。シリアスな場面に笑いを求めてもしょうがないが、せめてそんな場面にはいつも雄介がいてくれたらいいのにっ。とか勝手なことを思ってみる。
そしてどうもわたしは小田桐が苦手。
あさとの「君のせいだ」「君がそんなふうだからだよ」、繭墨の「過剰な同情はやめたまえ」「むしろ、君が背負うのもおこがましい話だよ」に共感。
うーん小田桐なにがしたい。
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基本的に面白いし好き。
「白のゴシック&ロリータを纏い」とあったが、絵を見たらふつうのロリィタじゃないか。
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2巻が面白かった手前、3巻の内容については少しトーンダウンせざるを得ない。が、内容そのものが4巻の前座のようなものなので、構成的にもそこまで重要な部分ではないのかもしれない。
ただもう、とにかく腐臭がすごい。主人公も常に吐き気がどうのこうの言ってる気がするし、読者としても吐きそうです。
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繭墨あざかのもとに、異能者の知人から依頼が舞い込みます。日傘(ひがさ)と灯(あかり)と名乗るその異能者からの依頼は、海で恋人を溺れさせてしまった牧原和馬(まきはら・かずま)という男の罪悪感が引き起こした怪異によるものでした。
しかし、事件はこれで終わりとはなりませんでした。ふたたび日傘と灯のもとに持ち込まれた事件に、小田桐は首を突っ込んでしまいます。今度は、友人を殺してしまったという白木彩(しらき・あや)と名乗る少女からの依頼です。またしてもあざかの活躍により、事件は解決されますが、その背後に繭墨あさとの暗躍があったことが明らかになります。
その後、日傘のもとにあさとからの挑戦が届けられます。あざかは、安っぽい正義感で日傘とともにあさととの対決に向かおうとする小田桐を笑いますが、彼はあざかの制止を振り切って、日傘と行動をともにします。しかし、それらはすべて、あさとが小田桐をあざ笑うために準備した舞台の上だったことが明らかになります。日傘は灯を守るため、あさとの準備したゲームにしたがい、小田桐の命を奪おうとします。
けっきょく、灯が小田桐に別れを告げ、死への道に旅立つことになりますが、後に残された小田桐に、あさとの残酷な言葉が投げつけられます。3つの事件の死者たちは、小田桐の甘い正義感のせいで死んだというのです。真実を知った小田桐は、心を閉ざしてしまうことになります。
ストーリーの行方がなかなか見えてこなかったので、最初は少し読みにくいと感じました。最後に事件の全体像が明らかにされ、すっきりした見通しが得られるのですが、前半のもやもやした印象を拭うには至らなかったようにも思います。
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この巻は主人公に感情移入していたのでいい意味でものすごく後味が悪い作品でした。終盤で退場する二人にも救いがあればと思いました。
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ある種同業者から協力を打診され、一緒に行く事に。
そこで出会ったのは、二人の男女。
最初の人魚から、最期の『兄』まで。
ものすごく色々回収してくれてます。
世間話じゃなかったのか、というぐらいのものまで。
一番の見どころ、というか、突っ込みどころ? は
水着じゃないでしょうか?
清純、多分関係ないです、そこ。
次々と目の前に現れる、奇妙な謎。
連続的に事件が起きているのかと思いきや…。
言葉にしたものは、もう戻す事が出来ない、という心理が
今回ものすごい武器になってます。
これは痛い、というよりも、ざっくざく。
関係ない所では、なぜあの子は真っ白?
彼女が黒いですし、対にしたのでしょうか??
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1巻まるごとあさとによる小田桐を嵌めよう計画だった。小田桐のよかれて思ってしたことが全部裏目に出て凹んでいくのが気の毒でしょうがないが、小田桐の行動を先読みしているあさとは完全にストーカーだと思う。そして、だいたい繭墨が小田桐に出すアドバイスは適切だ。だが、繭墨は優しくはないので受け取る方は正しくアドバイスを咀嚼出来ないと地獄を見るのが怖い。