紙の本
黒が基調の昔話
2010/03/14 10:03
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ももんじゃ05号 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1 本書は、14世紀初頭のアルプス(スイス、イタリア間)の関所のお話である。
2 ときは、オーストリア公ハプスブルグ家がスイスでの権勢をふるっていたころである。ウィリアム・テル(本書にも出てくる)がゲスラー代官に喧嘩を売っていたころである。
スイス・イタリア間の要衝ザンクト・ゴットハルト峠では、オーストリアから派遣された関守の代官が、取り締まりをしていた。
しかし、この代官、優しげな顔に似合わず天魔地魎のごとき者である。その眼力は猛禽よりも鋭く、その性根は豺狼よりも恐ろしい。
密行者とみれば忽ちとらえて、拷問の上、残虐な刑を科すのである。
その密行者と代官との暗闘、悲劇を描いたのが本書である。
3 まだまだ1巻なので、代官がどういう人かよくわからない。そのうち、代官の経歴、生育過程などのも明らかになるだろう。とくに、どういう経緯で、あの眼力が備わったのか興味のわくところである。
4 おそらく本書は、歴史に即して進むだろう。そのとき、あの代官がどうなるか、スイスの夜明け前での一席である。
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こっちは逆に当たり!
一度出会ったけど、購入を控えていたらまたであってしまったので購入。
話は一話完結型で、関所の物語。
とにかく暗いのがちょっと気になるは気になるけど…。
人間模様がちゃんと織り込めてて、なおかつ画力も高い。
絵は個人的には結構好み。
表紙は、関所の代官ヴォルフラムでよかったような気も。。
でもこれは本当に脅威の大型新人と帯に書いているだけの事はある。
一見の価値あり、です。
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思ってた以上に黒くて暗くておもしろかった。
怖い関所・・・!
抑圧している側と抑圧されている側の人間模様というか
今後どう話が展開していくのか楽しみ。
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とある関所を舞台に語られる、超重量級の中世絵物語。
個人的に「中世=露骨にえげつない」イメージがありまして、
見事に本作と合致しているんですね。
さらには力強くかつ繊細なタッチの絵柄がイイですね!
「こんなに!?」のコマとか好きです。
でも表紙のイラストが微妙なのとヴォルフラムの髪の色が変わった理由をだれか教えてください。
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主に関所守りの立場に立った中世関所破り物語 1冊目。
1巻目に収録されている範囲では、
やむにやまれぬ事情があって関所破りをする人たちの懸命の努力を描いて、それを看破して処刑するところを落ちに持ってくる構成です。
読者側としては結構ショッキング。
いや、面白いのですけどね。
こういうゆさぶりがかけられたあとで、関所側の事情とかが上手に描かれると、盛り上がるだろうなあ、と、思います。
完結までに描かれますように。
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番人まだまだ全体がつかめへんな。ちょっとした話ばかりやし、これからどんどん大きな話が回っていくのかな。
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1巻目に綴られた残酷な展開が単なる前振りの小道具で終わるのか壮大な伏線となるのかは今後の展開を待つしかない。
さておき、第二話は首をかしげる内容だった。商取引の信用の証である印鑑を運び出すのに変装術や体術に長けた女性が反乱分子を絶対に通さないとされる関所砦に挑むことになるのだが、話のオチとなったあの方法があるなら何のために…と思う。最後のは蛇足だったのではないだろうか。そもそも完璧な変装で完璧な偽装通行証を持った者を勘であやしいと思ったからひっかけてみたなんていうのも残念。力や智恵を駆使してなんとかなる希望がゼロなのだから作者の都合次第という印象。3話めで登場した小砦もやや作者のご都合主義的な感じがしてしまった。普通ではないことが起きたときそれに説得力がないと、関所を越える側の気持ちで読んでいる読者に対して理不尽な思いを残す。もう少し設定を練り込んでくれると嬉しい。
絵はまあまあ。漫画としては今後に期待。
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後味悪~(笑)。
影牢とか好きな人向けなんじゃなかろうか。
絵は記号的で個人的にはちょっと苦手…。
もうちょっと劇画テイストだったらもっとはまれたんだけどなあ。
いや、物語としては悪くはないですよ。
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ヴォルフラムさんを騙しとおせる抜け人が出てきそうにないのがちょっと微妙ですね、抜けれそうな人間が登場しそうにない。
それくらい代官が神がかってる。3話とかギャグと紙一重。
後 参考史料を非常に知りたい。
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最初読んだときは「うわ、救いがねぇ…!」としか思えない短編集だったが、これがスイス独立直前の話だと知って妙に繋がった感じがあった。少しづつ抵抗の芽が育っているし、物語が進むにつれて面白くなって来ると思う。続きに期待。
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のっけから、えぇぇぇぇっ!?と叫び、「あんたは鬼か!」と作者をののしってしまった。徐々に狙いがわかってきて、こんな物語の展開の仕方があるのか、と唸っている。
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ハッピーな感じでもズズーンな感じでも心に何か残る作品は名作なのです。
これはズズーンの方です。期待の新人。
綺麗な女性が圧倒的辱めを受け殺されるまでの過程を描く漫画と言ってしまってもいいのでは。
絶望の描き方が良いです。
しかし読後感は最悪。あんまり読み返したくない。なるたる思い出しました。
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徹底的に無慈悲。
その厚い絶望の中で少しづつ、本当に少しづつ氾濫のうねりが育っていく。
これは読ませるなぁ。
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面白い!これは面白い
でも、怖い。怖すぎる
精神的にすごくきた。夢に出そう
ここまで残酷に描けるか…と感心するばかりです
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読了直後、直感的に浮かんだ言葉は『摂理』。情も慈悲も介入しない強者の理屈こそ正義、という印象です。同時に敗者となった人々の、歯を食いしばり睨み上げる顔は、歴史の小石のひとつひとつなのかとも思い、この小石の積み上がった先にあるものが何なのかを読んでみたいとも思う。読後感は『カムイ伝』とか『カムイ外伝』にも似てる観もあり