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一介の牡蠣養殖業者が高度成長の中で失われていった豊かな漁場の再生を目指して植林活動に取組み,さらにはさまざまな海洋学者などの学説を貪欲に学び,取り入れて最終的に「海の中に溶けだす鉄イオンを補充することにより海は爆発的に豊かにできる」と信じ,その活動を展開する様子を熱く語る解説書である。
昔一時期北海道の漁業関係者と仕事で振りあったり,別の一時期には森林づくりの運動をする人たちとも話す機会があったために、大変興味深く読めた。
二価の鉄とか三価の鉄とか・・・化学がボロボロだった私にはほとんど理解できなかったたが,わたしには漁業者の方がそこまで造詣を深め,しかもそれを熱い情熱を持って取り組んでいるその様子がきわめて印象的だった。
今では京都の大学の異業種連携的な学問分野で教授もされているとのこと・・・。敬服の至りである。
自分でも何かできることはないかと考えてしまった。
近くの小川に放流できるような鉄炭団子みたいなものがないだろうかなぁ・・なんて思ってしまいました。最近は都市部でも川がたんに護岸工事で深く掘りこむばかりではなく、少しあやをつけて昔の小川らしさを演出するような施工が行われています。ですからビオトープよろしくそういう場所に鉄棲み団子を仕込むことができれば,小さな力かもしれませんが,少しずつみんなが効果を実感できるのではないかと思ったりしました。
陰ながら応援したくなる本です。
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薄いこともあったかもしれないが、内容の面白さに往復の電車内で一気に読んでしまった。鉄分の効力とそのワイドレンジな視点にただ驚嘆し、より詳しく勉強したくなった。この技術をまったく知らなかったのが恥ずかしいくらい。もっとメジャーに報道等で取り扱ってもらいたい。関連研究者や著者の慧眼にひたすら感謝&ひれ伏す次第。
ところで、実際に海洋レベルで提案の施策を実施するうえでの障害は何なのだろうか?ちょっと考えてみたいところ。
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以前TVで「鉄団子」の話は見た記憶があるなぁ~と本を読んでいて思い出した。こんなにも鉄の力が偉大だったとはと思ったのと同時に、どうしてもっと普及しないのか???と不思議になった。
河の管理、土地の管理者など管理者が複雑に絡み合っていて纏まらないということが他の本を読んでわかった。
昔は川が境界線だったからね。それが自然な姿なんだなぁ~とつくづく思う。
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地球環境について考えさせられた。
自分の、目の前の問題を解決しようとする力で大きな流れが変わることもある。
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NHKの特集で著者を知った。震災後の気仙沼での牡蠣の養殖と、海とその源流の山へのアプローチをみて感動した。本書では山と川と海と鉄の関係が詳細に書かれている。この取り組みが広がって欲しい。