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「思想のケミストリー」に新項目が加えられたもの。
加えられたのは、「丸山眞男」と「丸山眞男と太宰治」についての論文。
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2005年、紀伊國屋書店より刊行された『思想のケミストリー』に、『<不気味なもの>の政治学』(新書館、2000年)所収論文二編を追加し、改題し、再編集したもの(講談社HPより)
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近代日本思想は文芸評論が哲学領域を植民地化してきたが、近代文学が終焉しつつある時代においては、哲学に原点を置いて文芸批評に逆進出するアプローチが必要であるという。内容的には80年代後半から2000年代初頭にかけての論考を集めたもので、各々の時代性を反映したものではあるが、どれも読み応えがある。特に太宰治と丸山真男を比較して論じるあたりは、社会学者ならではという印象で読み物としては面白い。とはいえ、こういうある種の学際的研究を本気でやろうとしたら、指導してくれる大学の先生はどれだけいるのだろうかという疑問もある。このような観点から日本近代思想を解釈していくのはテーマとしては面白いのだが、中々盛り上がらない領域なのかもしれない。そもそも文芸批評や哲学自体が下火でもあるし。