紙の本
つい、買いたくなるツボがある
2004/12/15 19:11
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投稿者:ダイヤモンド社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒットの影にインサイトあり。消費者の心の奥底に隠されたホンネをいかにつかむか。つい買いたくなるツボを押す秘訣を大公開。
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確かに、今のマーケティングサイエンスは、行動心理学的だな。この本みたいに臨床心理学的な捉え方も必要だな。
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ハーゲンダッツやシック[髭剃り]などのケーススタディを通して消費者インサイトのとらえ方をわかりやすく説明している。
消費者インサイトのとらえ方のハウトゥ本ではないが(というかそんな本は存在していないと思うが)、成功している企業の考察を通して、インサイトがどういうものなのかがわかると思う。
今年の広研に所属している人は読んどいて損はないかな。
〈黒田〉
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心のボタン、押されてる?
思わず「買わせる」広告心理を解き明かす本。ハーゲンダッツのCMのいきさつなど、明日からCMを見る目が変わるかも?
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解決策を消費者理解から導きだそうというのが、インサイトの考え方。そして、その戦略上の答え(解決策)がプロポジション(消費者に思って欲しいこと)。
いくら企業側が「おいしいですよ」と言ったところで、消費者にそう思ってもらえるわけではない。何をアピールすれば(プロポジションとして提案すれば)、おいしそうだと思ってもらえるのか、そのためにはどういう消費者の気持ち(インサイト)を活用できるかを見つけ出すこと。
インサイト:パティシエの作ったプディングは、大人向けの本格的なおいしさ。子供向けのプリンとは違う。
プロポジション:パティシエのプディング
インサイト:グリーンの色の濃さから、おいしさと品質を感じる
プロポジション:濃いグリーン
インサイト:ひと剃りで剃れるのが理想のカミソリ
プロポジション:ひと剃り
インサイト:クリスマスに行きたい。でも予約が取れない。
プロポジション:毎日がクリスマス
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この本は非常に重要な指摘をしている。それはインサイトを発見する云々の話ではなく、主観であるインサイトを発見した後、それを客観的・論理的に落とし込む、ということ。
消費者の主観をそのまま解釈・料理することなしにそのまま自分たちのマーケティング活動等に反映させてしまう類の人が多いが、そうではなくて、個々に独立して存在するインサイトをどのように一つのストーリーに仕立て上げるか、ということの重要性を認識させてくれる本。
ある程度消費者にふれた経験のある人が読まないと、机上の空論で終わる可能性が高い気がする。
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消費者のホンネを探り、それに訴えかけるように
PR、商品を考えると上手くマーケティングできる内容の本。
沢山のホンネを掘り起こしたビジネスケースが
書かれており、とても面白かった☆
消費者の気持ちを考えることって本当に大切だなぁと
改めて思わされた。
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08060
マーケティングといえば、セグメンテーションやらポジショニングを決めて、定性的、定量的に判断していくことが一般的である。
消費者にUSP(Unique Selling Point=ほかにはない売りのポイント)
この本は、そういった考え方ももちろん大事だけど、消費者が思わず動く、心のホットボタン(=インサイト)も大事なんじゃないかってことが書かれている。
その通りだと思う。
自分の様にこだわる人ってのは、どこかこの心のホットボタンを押してくれる商品に惹かれているのだろう。
その結果、多少値段が高くても、それを欲しいと思ってしまう。
企業側から考えたら、どういうアプローチをすれば、消費者のインサイトをつかめるのだろうか。
その方法を一言で言ってしまうと「プロポジション」となる。
ポジショニング:どう思って欲しいのか
↓ ↑
プロポジションそう思ってもらうために、どうするか
↓ ↑
インサイト:消費者のどういう気持ちを活用できるか
前半には消費者のインサイトを引き出すためのいろんな調査法が
紹介されているのだが、そこに書かれているように、簡単には引き出せないのだと分かる。なにせ、消費者すら意識してないボタンを探し出さなくてはいけないのだから。
でも、こういうのって面白そう。
細かい事例がいくつか載っているが、大きくページを割いているのは、ハーゲンダッツとシックだ。
特に、ハーゲンダッツを読むとなるほどなって思うところが多い。
それは、自分が考えているビジネスの軸のいくつかとハーゲンダッツが提供しようとしているものが重なっていることが分かったからだ。
今後もハーゲンダッツの打ち出すCMや商品などに注目したいと思った。
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モダンマーケティングだけでは物が売れない時代。
消費者の心のホットボタンを押すためにインサイトを見つけるにはどうしたらいいか?
その方法や効用について本書は述べている。
子どものお菓子だったアイスクリームを大人のご褒美に変えたハーゲンダッツの例、レンタルが主流だったビデオ業界にあって母子のためにチャネルをスーパーに拡大して成功したセルビデオの例、などなど豊富な例示で平易に読める。
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「インサイト」の概念や、この考え方がなぜ必要なのかということについて、筆者の実績で例示しながら説明している本です。
具体的にどのように実践するかについてまではそれほど大きなスペースは取られていないので、ちょっとこれだけでは評価しづらいというのが正直なところ。
大きな方向性として、ついこの間読んだばかりの「全脳思考」に近い印象を受けたので、大きな新しい発見などはありませんでした。
・・・が、実際の考え方や運用について書かれている(であろう)『「思わず買ってしまう」心のスイッチを見つけるためのインサイト実践トレーニング』を一度読んで、実践レベルの話を頭に入れてみたいとは思いました。
経営者の方や、マーケティングに関与されている方は、一度目を通しておいて損はないと思います。
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代理店やマーケで既に働いている人がターゲットだったためか、あまり共感・理解できないところが多かった。だから3。しかし3~5章のケースは面白い。社会人になってからもう一回読みたい。
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本書を読むきっかけとなったのは、「地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?」(久繁 哲之介著)を読んで、自治体が本当に地域住民の思い、意向を汲み取った政策を行っているのかという疑問がふつふつとわいてきたからだ。自治体がある政策を行うために、アンケートと調査を行い、自治体が進めたい政策のためにその結果をうまく使い、地域住民を思いを反映させたと詭弁しているように思ったからだ。
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インサイトとは
「消費者が思わず動く(購入に踏み切る)、心のホット・ボタン」のことを言います。
この本は、インサイトの重要性と、
それをマーケティング活動に落とし込むところまで徹底的に語られた、
商売に携わるすべての人に必見の内容です。
例えば、最近売り出されたコンパクト洗剤。
当初のCMでは、「すすぎが1回ですむから、節水できます!」とうたっていました。
節水できることも、もちろん嬉しいけれど、
消費者が本当に欲しいのは「節水できる洗剤」だったのでしょうか?
同じ商品でも、最近のCMでは
「すすぎの回数が減って、お洗濯が短くなった。だから私の時間が増えた」と、
嬉しいポイントを“お母さんの家事時短”に変えてきたのです。
これは、まさに「消費者が思わず動く、心のホット・ボタン」を追求した
結果なのではないかと思います。
このように、なぜ今、インサイトが注目されるかというと、
消費者のニーズや好みが多様化する中、「この商品は私の気持ちをわかってくれているなぁ」という
共感を生む商品こそが、売れる“ヒットする”商品だからなのです。
消費者の気持ちを理解し共感を生むために、
インサイトという考え方が注目されているのです。
また、インサイトを見つけるためには、頭のスイッチをガラリと変えて、
決して思い込みで進まず、あらゆる仮説をたてることの大切さも説いています。
さらに考えるだけではなく、実際の消費者から、
どうホンネを引き出すかについての説明もされています。
売れるメールマガジンを書く、キャッチコピーを作るためのヒントも隠されていて、
ライターさんにもぜひ読んでいただきたい本という意味でも、おすすめします。
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消費者に購買行動を起こさせる「心のホット・ボタン」をどのように見つけるか。「なるほど」と思うが、いざ実践するにはかなり経験を積む必要がありそう。ハーゲンダッツやシックなど、出てくる事例がどれも興味深い。
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【読書メモ】
●理屈が直感を鈍らせる
●だれもが受け入れられるものから突出したアイデアは生まれない。当たり前の結論と、常識的な活動が待っている。また、方向性が正しくても、数字で検証できないことは通らない・・・客観的な数字に基づいてピント外れの結論を出していては元も子もない。数字の奥にある本当の意味を掘り下げないと、理解が表面的になってしまう。
●普段生活しているときのことを思い出し、いち消費者の立場に戻ってみればすぐわかることだ。何かを買うとき、いつも細やかな点まで比較して論理的に判断しているとは限らない・・・ところが、仕事で関わる商品となると、きちんと論理的に吟味されるかのように思ってしまう。
●消費者の気持ちを知るには、いったん自分の関わっている製品やカテゴリーのことを忘れなければならない。消費者は作り手と違って、一日中その製品のことを考えているわけではないのだから。
●インサイトの本質は、消費者に行動を起こさせる点にある。インサイトは、いわば消費者の「心のホット・ボタン」なのだ。
●「好き」「しっくりくる」といった感情はいったいどこから生まれるのだろう。それは「この商品は私の気持ちをわかっているなあ」といった共感から生まれる。そして共感は、「モノ」と消費者の「気持ち」が結び付くところから生まれる。モノのアピールだけでもない。気持ちへのアピールだけでもない。モノと気持ちが結びついて初めて共感は生まれるのだ。
●インサイトの考え方では、もう一度、人を大きくとらえようとする。製品デザインの場合でいえば、好みよりも、選ぶときの気持ちに目を向ける。キュートさを好む人にもメカニックなデザインを好む人にも共通する、奥底にある感情や気持ちはどういうものかを探り出そうということだ。「人に見られたとき、センスがいいと言われたい」とか、「自分の個性を出したいけれど、目立ちすぎるのはイヤ」といった気持ちだ。
●いまの消費者はつくり手側の意図をすぐ見透かしてしまう。そして狙いがわかると、一歩引いて批判的に見る。その壁を乗り越えるには、気持ちに踏み込むしかないだろう。企業活動とわかっていても、「そうだよな」とつい心を許してしまうような共感が必要なのだ。
●人はアタマだけでなくココロで行動する。
●出発点はあくまで人であって製品ではない。人はその製品のユーザーがどうか以前に、さまざまな気持ちや感情を持って生活しているととらえる。そのなかでブランドや製品をどう思っているのかを掘り下げていくのだ。たとえば、炭酸飲料について調べるなら、よく飲む人、たまにしか飲まない人というように、炭酸飲料から人をとらえない。
炭酸飲料を飲むとスキッとするとしたら、いったん炭酸飲料を離れて、その気持ちに目を向ける。人はどんなとき開放感を���じるのか。ターゲットが10代なら、彼らが開放感を感じる瞬間を探る。ルールを破ったときか、サッカーの応援で盛り上がっているときか、仲間とまったりしているときか。そんななかで炭酸飲料はどのように思われているのだろう、というように考えていく。
●人が関心を持っていることや、抱いている気持ちを先に探り、それと製品が結び付く接点、ホット・ボタンを見つけ出すのだ。
●インサイトを見つけるためのスイッチ
【アタマと気持ちをほぐす】
□リラックスする
□客観・理屈を捨てる
□ゲーム間隔を持つ
□消費者に戻る
【実践編】
□ターゲットになりきって使ってみる
□売り場に行って買ってみる
□ターゲットの集まる街に行く
□トレンドを体験する
□関係のないジャンルの共通項を探る
□身近な人に聞く
●インサイトの見つけ方、活かし方
1)テーマを決める
現状把握:カテゴリーやブランドの問題点がはっきりしない
ポジショニング:ありきたりで消費者を動かす自信がない
①潜在的なニーズをさぐる
②ターゲットの関心を探り、製品と結び付ける
活動案:具体的なアイディアが浮かんでこない
2)ターゲットを絞る
ビジネス・ソース(その製品を使ってくれそうな人)に絞る
戦略的にターゲットを絞り込む
従来の消費者分析の手法と組み合わせる
3)仮説を立てる
①いくつものトレンドの底辺に共通する気持ちで、自分が担当しているカテゴリーに活用ができるものを探す。
②ほかのカテゴリーのヒット商品がとらえている消費者の気持ちを、自分の担当しているカテゴリーに当てはめてみる。
③仮説として持ったインサイトが的を射たものかどうかをチェックするため、同じような消費者の気持ちをとらえた、別カテゴリーがあるかチェックする。
浅い仮説、深すぎる仮説(自動車保険を例にとると)
・浅い仮説:その奥底についてさらなる疑問が沸いてくる。
ex.「パーツを組み合わせる仕組みだと納得する」
・深すぎる仮説:根源的すぎて、その商品ならではの独自の接点がみつけ出せない。
ex.「不安のない人生を送りたい」
・浅くもなく深すぎもしない仮説の例
ex.「合理的に自分で選んだ気分になると、納得する」
4)ホンネを引き出す調査方法
なぜホンネを話さないのか?
①場所とシチュエーション
②集団心理が働く
③舞台裏を知りすぎている
④言葉が気持ちを遠ざける
⑤消費者自身が気づいていない
・エスノグラフィック調査
→対象と行動を共にしてその場その場で気持ちなどを聞き出す
・ポラロイド写真調査
→対象者自らがそのときどきを写真に撮り、それを座談会に持ち寄ってもらい話し合う
・コラージュ・エクササイズ
→対象者に色々な写真を組み合わせて貼り付けてもらい、完成した絵をもとに話し合う
・ポストカード調査
→「あなた宛��こういう手紙が届きました。どんなことを想像しますか」といいながら、ハガキを提示する。
5)使えるインサイトに絞る(キー・インサイトはどれか)
6)マーケティングを活動に落とし込む(論理的に組み立て直す)
①カテゴリーやブランドの現状の把握
②ターゲット
③ポジショニング
●使えるインサイトかどうかを見極める方法
1)新しい発見かどうか。ありきたりの視点からとらえてないか。
2)自分の担当しているブランドとの整合性があるか。
3)アクション(活動)につながるかどうか。
●マーケターはインサイトがなくても戦略を論理的にまとめられるので、最後につじつまを合わせようとする・・・低カロリーの高級チョコレートを開発中の時に、「消費者は、ダイエットにいい低カロリーの高級チョコレートを求めている」としてしまう。実際には高級チョコレートを食べるときは幸せな気分に浸りたいのであって、カロリーなどは気にしない。
●コツは、大枠をデータ(数字)で固めること。定量的なデータをまったく使わないで主観的なインサイトを通すことは難しい。客観性を持たせるために、データや関連する記事などを付けることも多い。また、必ず大枠から入ること。いきなり核心(インサイト)から切り出してしまうと、それが鋭く大胆なものであるほど、見せられた側の抵抗感が強くなる。
●世の中の成功例からさかのぼり、背後にどういうインサイトが隠されているのかを見つけ出す演習をする。こうした演習は、普段の生活のなかで接する情報への感度を高めてくれる。
●流通や販路を見直すうえでも、インサイトは重要な役割を果たす。・・・どういう売り場に商品がおいてあるかで、消費者はさまざまな気持ちをその商品に抱くからだ。逆に言えば、どの売り場に置くかで、消費者の気持ちをとらえたり、商品への見方を変えたりすることができるのだ。
●真のインサイトは、「お母さんは、子供がどのくらいねだるかで、子供が何度もみるかどうかを判断する」ことだった。子供と一緒に買い物に行くところでなければ、そうした子供の反応はわからない。
●実際には、フォションはかなりのコンビニやスーパーに置かれており、ハーゲンダッツの隣に並んでいたのだが、消費者はハーゲンダッツしか見ていなかったようである。流通から見た配荷率の数字が高くても、こういうことは往々にして起きる。消費者から見た場合の店頭カバー率は異なるのだ。
●このようなインサイトは、「何が、ほかと違うか」といった質問から消費者の気持ちを掘り下げていくことで見つけられる。「抹茶がふんだん」のように製品特徴を説明しなくても、消費者にそう感じてもらえる方法はないか。消費者がすでに持っていて、活用できる気持ちはないかを探り出そうという姿勢が大切だ。
●この「何を贅沢だと思うか」という質問のように、カテゴリーを離れてインサイトを探ることも、ときには欠かせない。モノから始めて掘り下げていっても、活用できるインサイトが見つからなかった場合には、いったんそのカテゴリーを離れてインサイトを探ってみよう。そして、そこで得られたインサ���トを、あとでカテゴリーと結び付けてみるのだ。
●たとえば「プリンに対して消費者は、どういうイメージを持っているか」「どういうプリンを一番おいしい本格的なデザートと感じるか」といったデーマで、インサイトを掘り下げていく。本格的なおいしさを感じさせるために、消費者がすでに持っているどんな認識を
活用できるか、探り出すわけである。
●消費者の本音を探るとき、製品をどう見ているか、という視点だけでは不十分だ。この例(シック)のように、いまどきの若い男性が憧れを感じる「男らしさ」とは何なのか、といった広い視点が欠かせない。また、こういう深層心理を言葉だけで聞き出すのは無理というもの。コラージュ・エクササイズのような投影法(気持ちを絵などに投影させる手法)を活用しよう。
●消費者は「好き」だから「買う」わけではない。ましてや、広告が「おもしろく」ても、「買う」ことにつながるわけではない。そういう考え方が、いまでも主流であろう。しかし、この考え方は少しは当たっているが、ほとんど外れている。たしかに「おもしろい」だけでは「売れない」だろう。ただ、いまどきの消費者は、製品とまったく結び付いていないような、単なる受け狙いの広告を「おもしろい」とは感じなくなっている・・・製品やベネフィットをうまく伝えているからこそ、「おもしろい」と感じるのだ。つまり、消費者が「おもしろい」と感じる広告は、「売れる」広告なのだ。
●カミソリのような関心を持たれにくいカテゴリーでは、何かひと言でも覚えてもらうことが、何より大切なのだ。
●「ワンストローク」はやはり、消費者が使う言葉ではない。いくら理屈的にはベネフィットのほうが大事だとしても、消費者の記憶に残り、ブランドを思い起こさせるフレーズ(ブランド・キュー)にならなければ、その後のさまざまなマーケティング施策と連動させることができない。(ジローラモの「すげぇよ!」をブランド・キューにした)
●ブランディングについても、シックは実に考え方が斬新だ。教科書のセオリーどおりにとらえるのではなく、カミソリというカテゴリーに即したブランディング方法を採っている。つまり、ブランド名を一方的に刷り込むのではなく、消費者が覚えている言葉や愛称をもとに、ブランディングを行っているのである。
●インサイトは、消費者のホンネであり、心の奥底にあるホット・ボタンだ。・・・インサイトは、消費者に行動を起こさせる「スイッチ」だといえる。インサイトを探り出すということは、そのスイッチがどこにあるのかを明らかにすることだ。
●インサイトはたった一つというわけでなく、いろいろなレベルでそれぞれのインサイトがある。
まずは、ブランド全体の状況を打開するために、ブランディングで活用するインサイト。シックの例でいえば、「理想的な男とは、たくましい男」というのは、ブランド全体がとらえているインサイトだ。
次に、広告、製品開発、流通、価格など、マーケティング活動ごとに活用できるインサイトがある。広告でいえば、カミソリは関心の低いカテゴリーだから、「(消費者は)おもしろいひと言ぐらいしか覚えない」といったイン���イトである。流通の例では、シリアルの売り場をお菓子の横からパンの横に変えて成功したのは、「(消費者は)売り場で商品のイメージや食べる場面まで連想する」というインサイトを見つけたからだ。
また、ブランドの傘の下にある、製品レベルでのインサイトもある。ハーゲンダッツの例でいれば、「グリーンティー」というフレーバーが活用したインサイトは、「消費者は、グリーンの色の濃さで、おいしさや品質の高さを感じている」というものだ。
●なぜポジショニングという考え方だけでは、解決策にならないのだろう。たしかに、ポジショニングによって、パーセプション・ゴール(消費者に思ってほしいこと)を設定することができる。また、ポジショニングのなかで、そのブランドや製品のベネフィットを定義することも欠かせないだろう。
しかし、それが消費者にとって、振り向くほどのインパクトはない場合もある。すでにほほかの製品がアピールしていることだったり、消費者にとってはそれほど画期的と感じないものだったりすることも多い。
だから、ベネフィットを中心としたポジショニング設定だけでは、実際にどんな手を打てばよいのか見えないことが往々にしてある。そのとき、その解決策となるのが、プロポジションであり、そのもとになるインサイトなのだ。
ex.「おいしいですよ」でなく、何をアピールすれば(プロポジションとして提案すれば)おいしそうだと思ってもらえるのか、そのためにはどういう消費者の気持ち(インサイト)を活用できるか
●ブランドがいったんでき上がってしまえば、売上げもついてくる。しかし大変なのは、まったく新しいブランディングを始めるとき、例えば新しいブランドを立ち上げたり、問題のあるブランドを改めて構築し直したりするとき、どうすれば短期的にも売上げを伸ばせるのかだ。
その解決策となるのが、インサイトであり、プロポジションである。インサイトというホット・ボタンを押すようにブランディングを行えば、立ち上げたときからすぐに売上げも伸ばすことができる。つまり、インサイトに基づいたブランドのプロポジションを核にして、ブランディングをすればいいのだ。
●インサイトを通すためのスキル
・ミーティングや会議を「仕切る」力
・「論理的にまとめる」力
・「プレゼンテーション」力
・「熱意」の力
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一番響いたのは35Pにある
「ただ、人はアタマだけだなくココロで行動する」
という言葉でしょうか。
本のタイトルであるインサイトという言葉は
「消費者の”ホンネ”であり、”心のホットボタン”だ」と本書には書かれている。
理屈的な宣伝文句よりも、ユーザが何を求めているか。
しかもその「求めているもの」はユーザ自身が気付いていないことも多いという。
ユーザ自身が気付いていない、ホットボタンのスイッチを入れることが売れる製品の宣伝には必要不可欠ということであり、インサイトをうまく掴むことが出来れば競合製品との差別化が行えるということを例に交えて書いてくれていました。
インサイトを考えるフロー
・どう思ってほしいのか(ポジショニング)
↓
・そう思ってもらうために、どうするか(プロポジション)
↓
・消費者のどういう木本を活用できるか(インサイト)