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人生の分岐点、多分、私位の年齢からの人が読んだ方が良いと思います。
美人で頭の良い主人公にはちょっと引け目を感じちゃうけど。
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遠藤作品でもマイナーな一作。だって、『主婦の友』て雑誌で連載されてたんだって。微妙。
で、女のウケを狙ったのか、ぶっとんだ設定の青春を描いた軽小説になってます。
なんか、中途半端に左派な考え方プンプンで少しいやだった。あと遠藤先生の日常的なものの考え方が浮かんできます。でも、この小説のテーマ『青春時代の理想とその剥奪』はわれわれ大学生の課題ではないでしょうか。みんな自己満足を求めて生きてるんだよ、客観的満足なんて言葉は存在しないんだし、もし存在するなら、客観的満足の一尺度といえる物質的幸福の追求をその学問的領域とする経済学の存在意義がなくなるもん!つまりこの世に経済学はいらねーんだよ。でも俺経済学部生だ、という矛盾を気にせず、他人の目を気にせず行きようぜ、と思わせてくれた作品。
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「いつの時代でも必ずある、美しいものと善いもの」は、彼らの生き方の中にあったか。むしろ刹那的で、ある意味血なまぐさく醜悪でさえある。輝かしく美しい青春とは、青春期を過ぎた大人の見る、甘やかな夢なのかもしれない。
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画像がない・・・
平凡な高校生たちが、幸福を夢見て愛を求めて、自分の本能がままに生きていく。理性と感情と共に。つらい現実が待ち受けていることも知らずに・・・
結構昔の本だから、時代背景がちと古いけど、でも読みやすかった。人生の坂を転がり落ちるトシの気持ちが俺にはわからん・・・
今はこんなんなってるって、昔の自分は微塵も思わなかったなぁ、確かに。それはみんな同じなんですよね、人生に苦しんでいるあの人も・・・
少し偶然が起こりすぎな気がした本でした(笑
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これの読書感想文を書いて、いい評価貰いました♪
話はちょっと難しかったですが…「なるほど」とうなずける話でした。
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遠藤周作の本は「沈黙」「反逆」「海と毒薬」などの純文学系と青春話などを扱った軽小説系に大きく別れてて、この本は後者に属してるみたいだから軽い気持ちで手にしてみたら、予想外衝撃を受けました、はい。
主人公は高校時代から大学時代の青春期に共に夢と希望を描いた友人達を時代の流れに奪われていくというあらすじ。
二度と戻ってはこない素晴らしい青春期に思い描いた夢を、ある人は過激派に求め、ある人は愛人への破滅的な献身に求める…そんな中、主人公は自分の信じた道を突き進み、憧れのスチュワーデスになることができる。しかし彼女には想像もできない形で散っていった友の描いた夢を作っては消えていく砂の城と例えて、この小説のタイトルにかえています。
僕が1番心に残った言葉は、戦争に恋人も人々の笑顔も奪われた時代に生きた主人公の母の遺言の中にある
「この世の中には人がなんと言おうと、美しいもの、善いものがあって、その尊さと、憧れだけは失わないで欲しいの」
というもの。
昭和の雰囲気を感じながら読み取れる、つねに高みを目指す努力、ひとりの人を心から愛する力、人と人との絆、人が決して破壊してはならない豊かな自然。この本が書かれたのは僕の生まれるかなり前だけど、これらのものはすべて現代社会でも失われがちなものだと思った。
「美しきもの、善いもの」人に嘲笑されても、時代の荒波に揉まれても、これを探し続けることが人間の生きる本当の意味なんじゃないかなって思いました。
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クライシスには分岐点って意味もある。
それぞれの人生を歩んでいくなかでそこには何とも越え難い壁ができてしまうこともある。周りからみた自分と、自分の知っている自分は違うし、そのどちらが正しいのかなんてわからない。それでも自分の人生を生きていかなければならない。これは本当に勇気のいることだ。
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美しきもの、善いもの
人それぞれに人生はあって、一度交わったからといって同じ道を歩くわけじゃない
人はそれぞれに変わってゆくのだ
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それぞれの道を歩んでいって交差した時に生まれる悲しみが
なんとも言えないほど美しかった。
こんな時代もあったんだなぁ。
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主人公の泰子の亡くなった母親が残した手紙に書いてあった言葉で
最後まで何度も出てくる、「美しいものと善いもの」。
それを求めて、行動する泰子の事をうらやまく思ってしまった。
私も美しいものと善いものを探求する気持ちを心の奥に留めておきたいな。
九州弁もとてもリアルでよかった。
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人にはそれぞれの人生がある。世間の判断では落ちぶれてしまったような生活であっても、その人が一生懸命に善いもの、大切なものを追いかけた結果であれば、それは立派な生き方であると思えるようになった。主人公の素子も、何が本当に正しいのかわからないというが、物語の展開に沿って一緒に考えていくことで、最終的に答えが出せたのではないだろうか。
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多感の高校生の頃に読んだ本で唯一、ストーリが記憶に残っている本。
青春時代に出会い、違う人生を歩み、ある場所で再会し、そして運命的な別れを迎える。強い信念に基づき行動する人間を制することの難しさを感じた。
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~夢みたものは ひとつの幸福
ねがったものは ひとつの愛~
この世のなかには人が何と言おうと、美しいもの、けだかいものがあって、母さんのような時代に生きた者にはそれが生きる上でどんなに尊いかが、しみびみとわかったものです。あなたはこれから、どのような人生を送るかしれませんが、その美しいものと、けだかいものへの憧れだけは失わないでほしいの。
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この世界には「ずっと変わらないこと」の美しさ・善さも存在する。けれど,他人が振りかざす正義の名の下に簡単に散ってしまうような危うい愛やはかない信念に,魂を捧げた登場人物たちの生き方は,はたして無駄だったのか。
宗教色はなくても,弱さや惨めさに目を向けているという意味で,根底に流れるものは他の遠藤周作作品と共通するように感じる。
本来,人は人を裁けない。永遠の美や強い信念ばかりが褒めそやされる世の中だけれど,砂の城のようにはかないものを受容できる心の空間を残した大人でありたい。
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最初の母の手紙の
「あなたはこれから、どのような人生を送るかしれませんが、その美しいものとけだかいものへの憧れは失わないでほしいの。」
という一文が、印象づいた。
泰子の話はだらだらと続いて面白くないな……と思ってたけど
最後の最後で大きく展開し、引き込まれるように読んだ。
人生の上手くいかなさが描かれた作品。