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紙の本
解釈次第。
2002/07/31 23:33
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は、今まで読んだ殆どの山本作品を愛しているつもりだが、この作品だけは何とも言えない。正直、十二・三で初めてこの本を読んだ時、私はがっかりするとともに激しい不快感を抱いたものだった。
私は女というだけで大学へ行かせて貰えなかった母の不満(昭和40年代後半の話だ)を先天的に受け継いだのか、生まれたときからことさら男女差別には五月蝿い娘だった。間違っているとは思っていないし、今でもそうだが。そんな娘だったから、本書に書かれていることは不満の山だった。自己犠牲に生きる女性が礼讃(正当化)され、女性は夫に仕えて子を為すのが本分だとか、趣味に走るのは夫に不貞を働くことに等しいとか……。まだ話の中だけでやっているのなら良いのだが、明らかに読者にもそれを押し付けるような書き方なのだ。
山本周五郎は戦争協力小説を書かなかったことを自慢にしていたそうだが、本書以外の作品でも、あからさまに戦争協力という形ではなくとも、やはり時局を考慮したと思われる作品はある。それを一概に非難するのは酷だが、本書を読む時はそれが書かれた背景、受け手があったということを知っておかねばならないと思う。押し付けがましくなければ傑作であったろうに、と思うと残念な作品だ。
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