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近年見る怪奇現象モノなどの怖さではなく。日常生活の隙間に感じる恐怖に背筋がぞくっとします。短編ならではの短さが作る一瞬にして引き込まれる恐怖感は後引きます。
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日常生活の中によくある憂鬱な出来事に遭遇しても、うまくやり過ごせると思っていたのに、ある日すぽんと落とし穴に嵌まってしまった。そんな感覚です。
小さな因果、皮肉、因縁、違和感が大きく人の道を変えるんですね。
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2010/7/17〜7/20
阿刀田氏の短編集。「迷路」、「白い蟹」、「選抜テスト」、「暗い金魚鉢」、「予言の研究」、「第二の性」、「すきま風」、「明日の新聞」、「杳として」、「大心力」、「鰐皮とサングラス」、「花あらし」の計12編の氏特有のブラックかつエスプリに富んだ作品が並ぶ。個人的なお気に入りはロマノフ王朝の最後を題材にとった「白い蟹」、愛人ができ妻の死を願う主人公の悲哀をえがく「大心力」、死別した夫に想いをはせる「花あらし」の3編か。解説の黒井千次氏も「白い蟹」、「花あらし」をベスト1,2に挙げていた。だからどうってことは無いが、私の読み方もそう外れていないのだろう。
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短編集だった。ブラックユーモアとか、純粋ものとか…歴史ものとか、短いからちょっとずつ読むのがいいかも。
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素敵な本だ。
やはり阿刀田高らしくぞくっとする話が多く、好奇心が強くそそられるのだが、この本の表題にもなっている最後の『花あらし』で今までさんざん高くなった心拍数を 切なくも美しく鎮めてくれる。終わりのキレの良さに物足りなさを感じつつも少しずつ少しずつ人を思う気持ちが桜のきれいな薄ピンクとともに心に浮かび、何とも表現しがたい哀愁が漂う。素晴らしい短編集。
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美しい文章から紡がれる少しゾッとする短編。やっぱり表題作「花あらし」が最高の美しさ。ざぁっと花あらしが吹き荒れ涙が止まりませんでした。
さすがの阿刀田高。