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前作では、最初、脇に回っていた主人公である土方が最後の最後に主人公らしい活躍をするが、本作では、最後に至っても主人公らしい活躍はせず話は終わる。血風録という意味では、伊庭の方が活躍し、また、最後のおいしいところは人見がとっているが、主人公としての面目躍如は、これらの二人をおして、男装の女軍人に一方的に惚れられるということではあるが、そこまで惚れられるほど、接触が無いまま、惚れられており、殆んど、ツンデレの様である。まあ、そんなものかもしれないが、それもこれも脇役であり、本作の主人公は前編と変わらず、パン職人である。
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昨日、読了。
「美姫決戦」、という旧題の通り、ヒロインが”準主役”になっています。
では、主役は誰かなのか
土方!、ではないと残念ながら個人的には思います。
そして、人見さんではないかと。この人は、
がさつで、鈍感で、楽天家
読み出しは、そんなイメージでしたが、読むにつれ、そして、ヒロインと時を重ねるにつれ、
異なる面がが出てきます。
こんないい人に、また会いたい、とおもいました。
(伊庭さんも非常に良い漢でした)
女優、ミムラさんの解説も、とても良かったです!
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2013 8/22読了。札幌の紀伊國屋書店で購入。
上下一気読み。
蝦夷にわたってからの幕府軍の日々を描くシリーズ第2段の文庫化。
松前藩のとある兵への仇討ちに燃えるお姫様と、彼女をとりまく幕府軍の面々の物語、with彼らから「パン作れ」と急に言われてわけもわからないまま姫様愛しの一心でパンづくりに励む和菓子屋の話。
「パン種がないとパンが作れない・・・!」と命がけでパン種奪取を試みるパン屋のエピソードのなんともいえないユーモアもさることながら、この巻は伊庭の活躍が格好いい。
分量で言えば土方歳三血風録というより伊庭血風録。
そういうところが割りと好き。
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「土方歳三 蝦夷血風録」という割には土方さんの登場は少ないです。前作の「箱館売ります」より出てきません。
ちょいちょい登場して、美味しいところを持っていく感じです。
と、いう事で、題名通り、松前が主な舞台なのですが、人見・伊庭・蘭子の其々の思いが切なくて良いです。
特に蘭子の壮絶な最期は土方への一途な思いとあいまって、グっときます。
そして、藤吉のパン作りも、話の軸となって展開していきます。
“箱館戦争、外伝”といった感じの印象で、楽しく読める話です。
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新政府軍が蝦夷に攻め入り、人見勝太郎、伊庭八郎らと共に労咳に蝕まれた蘭子姫が仇討のために生死を共にし最後は今一歩のところで戦死してしまう。土方歳三、大島圭介は別地の函館戦争で死す。蘭子は才蔵に恋心を抱いていたが仇討を優先する生き方がいじらしい。移庭は函館で最期まで戦いを説いたが降伏に反感を抱き自殺、人見は、生き延び成功を掴む。同じ戦い人が夫々の生き方をするが、土方、伊庭の生き方が良いな〜。
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201402/これまた土方の出番は少なくともおいしい存在感とカッコいい役回り。パン職人を主人公においての展開は前作より市井の人々感がかかれていてよかった。パン職人が蘭子の頼みを果たしに行く場面は泣けた…。旧題より、今回のタイトルのほうが好み。