紙の本
想像を絶する内容
2016/03/30 17:40
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ビリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクションが好きで他の方の評価も高く購入しました。
残忍な監禁虐待の内容が詳しく書かれて人間がここまで出来るのか?と思ったり、人は愛する家族を洗脳や虐待によって殺すことが出来るのか?とショッキングに描かれています。
特に、子供二人の絞殺されるシーンは胸に詰まる思いで涙が出ました。
主犯の松永死刑囚への憎悪が湧き、無期懲役になった緒方純子には生をもって罪を償ってほしいと感じます。
紙の本
消された一家感想
2017/08/26 20:37
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:右ソルデ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んで良かったと思う。本当にあったことだと信じられない。
世の中にはこういう人がいて、こういうことが実際に起こると自分に言い聞かす。日本のメディアは、特にテレビは時間帯を選んででも、こういうことを報じた方が良いと思う。皆で共有して、こういう人がいること、こういうことが起きるということを事実と認め、議論して、そのことも含めてもう一度社会のあり方を考えた方が良いと思う。
世の中のハッピーなことや明るいことのみにフォーカスをあて、こういう事実に蓋をし続けると必ずいつか繰り返すと思う。
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異常、不可解、狂気、不可解、疑念、不可解、凄惨
普通の生活をし、ある程度普通の精神をしている
と思われる人には、男の証言も、女の証言も
女二人の行動も家族の行動も
理解に苦しむところが残る。
親族がクチを閉ざしている以上難しいのだろうが
なぜ、どういう生い立ちから男がそこまでの「力」
を身に付けることができたのか、どうして
そのような人間になったのか知りたい。
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これねぇ・・・、怖い。
サイコパスってこういう人なんだ、と認識できた。
本で読むと、なんでこんな甘言に引っ掛かるんだろう?って思うけれど、どうなんすかね?
ラブホテルで相対性理論語る男にだまされる?あり得ないもん。
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■紹介
遺体なき大量殺人事件。
このように聞くとサスペンスドラマなどが思い浮かぶが、
この本の内容はフィクションではない。
巧妙なテクニックを様々に駆使し、
非凡とも言える支配する才覚を持った一人の男が、
一家族を監禁し、家族同士を殺し合わせた。
私達はこの事件から何を学ぶことができるのだろうか。
■抜粋
○心理的支配の最終段階は、
被害者みずからの論理原則をみずからの手で侵犯し、
みずからの基本的な人間的つながりを
裏切るようにさせてはじめて完了する。(P.56)
○実験的に檻に閉じ込めた人間や犬などに電気ショックを与えつづけると、
当初は逃げようとしていても、
次第にそれが不可能だと学習し、無抵抗になっていく。
そしてしまいには、扉を開けても檻から出なくなる。
(中略)
強制収容所における囚人たちの最終的な心理段階とは、
生きる意志や自殺する気力さえも失くし、
絶対受身の態度に徹することだという。
こうした囚人達は「もはや食物を探そうとも暖をとろうともせず、
殴られるのを避けようともせず、
生きながらの死者とみなされた。」(P.111)
○『詰問を否定しても通電、
肯定しても通電、黙っていても通電』というパターンのものとで、
次第に『目前の通電をいかに回避するか』に注意が集中するようになる。
(中略)
『通電の制裁』の観念が先に浮かんでしまい、
合理的な行動選択、動機付けがブロックされてしまうのである。
その結果、緒方にとっては
松永の意向をいかに敏感に的確に捉えるかが最優先課題となる。
(中略)
松永の支持は直接的、明示的ではなく、
常に婉曲な示唆をほのめかしの形を取るが、
緒方は直ちにそれを実行のサインと受け取り、
そこに批判が介在する余地は無い。(P.289)
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俗に「身の毛もよだつ」とか「凄惨な事件」とかいうが,実際こういう事件のことを言うのだろう。
実際にこの事件が起きたときの報道を殆ど覚えていないのであるが,改めて知ってその非道さに驚く。
事件は若い女性がある男性と知り合い,その男性と付き合ううちに暴力によって支配され,特に「通電」と呼ばれる電気を通して感電させられることにより完全に服従し支配されてしまい,実家から多額の金品を持ち出して貢いだ挙句,あろうことか男の同僚をはじめ,その父・母・妹・妹の夫・妹の息子・妹の娘などを監禁して同様に支配し,その過程でさんざんいたぶり,最後は次第に一人ずつお互いに殺しあわさせ,その死体処理を残った家族達に行わせるなどして,バラバラにして処分していくという想像もできないような凄惨な事件です。
これだけのひどい事件が,世間であまり騒がれた記憶がないのは私だけだろうか。 事件の流れを追って読んでいくだけでも本当にどうしようもなく次々と殺されている様子は胸が重たく塞がれていく。
余りにも徹底的に全員をバラバラにして廃棄したために明確な証拠が残っておらず,それをいいことにこの男は公判中の席でも男はのらりくらり曖昧な証言を繰り返しており無罪を主張しているとのことで,言語道断としか言いようがない事件です。
人間は,本当にここまでひどいことができるものか・・・と改めて人間の怖さを思い知ったような気がする。主犯の男は虚栄心が強い口のうまい男ということで,隣にいたらいかにも普通の男として通用してしまうそうな印象である。
もっと言えば,わたしも同じ人間である以上,なんらかの条件・・・例えば環境や育て方次第でこういうふうに酷薄で非道な存在になり得るのかと思うと自分が人間であることすらそら恐ろしく思えてくるし,女性の方も通電により支配されたとはいえ,家族に殺し合いをさせて,次々と解体していく過程の心情を想像するのはとても難しい。
こういう人間は,刑務所で更生などするものだろうか。私にはとてもそうは思えなかった。もともとわたしは死刑制度については消極的ながらも存置すべきと考えているが,自分の中ではまさしくこういう犯人のために死刑制度はあるのではないかとすら再認識させられるような事件である。
10歳5歳の子供達がこんな陰惨な事件に巻き込まれてなくなっていったことを考えると,心が痛む。もちろん誰をどう死刑にしても彼らを取り戻すことはできない。しかし,主犯の男の歪んだ精神に対する制裁や殺されてしまったものたちへの償いはそれではどういう形で行わせればいいのだろうか。
事務件はまだ最高裁に上告中とのことである。
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こんなこと、現実に起こりうるのか。
どんなグロテスクな、暴力的な小説よりも、もっとずっと残虐です。胸がむかむかして、気持ちがドロドロして目眩がしてきます。
人間の狂気と暴力について、時々無性に知りたくなるのはどうしてでしょうか。現にいまも、信じられないような無差別殺人や暴力、虐待のニュースは絶えず耳に入ってきます。
一冊すべてを読むには相当の気合いがいります。犯人の松永という男は、見る限りサイコパスに当て嵌まります。ただ、血を好む狂人というだけでなく天才で、一家をすべてマインドコントロールし、服従させます。
自分の普段の生活からは、想像も及ばない世界です。小さな子供が、監禁された絶望の状態で暴力の罰におびえるうちに、何でも言う事を聴くようになり、ついには言われるまま(本当におさない子供が)死体をバラバラに処理したり、首を絞めて殺すことまでしてしまうとは。
酷い、という表現をはるかに通り越して、人間にはここまでの事ができるのか、ここまで追いつめられることが出来るのかという事実に開いた口が塞がらない感じです。
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「共犯者」と同じく、千原ジュニアさんがオススメされていたので読んでみました。
どちらの事件の容疑者も饒舌で嘘つき、そして人を取り込むのが上手いといった共通点があります。
ただ、どのような生い立ちでそのような人格になってしまったのかという部分まで本書では解明されていないのが残念。
マインドコントロール下においては肉親でも殺害し合う事ができるという事実に人間の弱さ・恐ろしさを知り、とても空しい気持ちになりました。
読んだ後も脳裏から離れず、大変気分が悪くなります。
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こんなに卑劣で狡猾な殺人鬼がいるなんて信じられないし、信じたくない。あまりにも酷すぎる。本書の帯に、“まさに鬼畜の仕業!”とあるが、まさにその通り。人間のする事とは到底思えない。
被害者の方々のご冥福を心からお祈りすると共に、一刻も早く松永太が改悛の情を示し、刑に服することを願ってやみません。
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読んだノンフィクションでは、最初の本。
あまりの非人道的な殺人・死体処理に吐き気を催すほど。
マインドコントロールの恐ろしさを伝える本でもある。
生存して証言した者がわずか2名というのに、矛盾なくよくここまでまとめたものだ。
証言者2名のうち1名は、内縁の妻。
何故、彼女が両親を含めた一家を見殺しするにいたったか、主犯者のマインドコントロール方法が詳細に描かれている。
残り1名の証言者は、主犯者に最初に接触された男の娘。
父親が目の前で主犯者に殺される現場を目撃しているが、主犯者のマインドコントロールで踊らされる。
とても信じがたい話である。
これを読んでおけば、他のノンフィクションはほとんど読めてしまうのではないだろうか。
もう一度読めと言われても、気がすすまない・・・
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サイコパスに異様なまでの攻撃性が兼ね備わった希代の殺人鬼とその事件の全容。事前に相当情報を仕入れてから読んだので、思っていたよりはショックが少なかったがまあ酷い内容だった。主犯松永の頭の中は最後まで分からないんだろうな〜、どころか本人本気で自分は悪く無いと思ってるっぽい、さすがのサイコパス。拷問や洗脳のきちんとした知識を抑えると人はここまで出来るのか、と興味深い点もあるが何にせよ救いが無さ過ぎるので、読む人は事前に情報収集して納得してから読みましょう。
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内容は
ご存知の通り、この平成のご時世に実際に起った
北九州連続監禁殺人事件をレポート&
非常にわかりやすくまとめた本。
前々から気にはなっていたのだけれど、
実際にあった事件なのと、小耳に挟んだ話から
怖くて今まで読めなかったのを、正月に読んだ(-L-)ウグ
電気による拷問と監禁による食事排便等の生活制限の恐怖で
一家7人を殺し合わせるまでに支配し、
捕まってからも、ペラペラとおもしろおかしく持論を展開する
犯人松永。
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こんな事件が日本で起きていたなんて(´Д` )
本当に信じられないくらい残酷さ。非道さ。読んでいて吐き気がしてくるほど。
ここまでこの事件を追ってリアルに忠実に書いた作者はすごい。
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人は人にこうも残酷になれるのか!北九州監禁連続殺人事件。自分の手は汚さず家族を殺しあわせるというかなり異常な事件。この本の前に平山夢明氏の海外の異常殺人についての本を読んだけど、こちらのほうが怖い。ゲーシーやダーマーも人を人と思っていないけど、ただ殺すことに快楽を覚えているが、こちらは殺しが目的じゃないからなぁ。人にとことん冷酷になれることも含め、家族みんなで監禁されても結託して逃げ出す発想すらできない状態になる心理も含め、人間の奥深さを知る。
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想像を絶する現実。もしこれが真実なら、もう何を見ても驚かないだろう。松永太被告は一体どういう人物なのか、何故こんな人間になったのかは何も明かされてはいない。「異常」という言葉がこんなに合う本も珍しい。