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明野照葉の「女神」を読んだのが、2年前。
主人公の女性は潔癖症に近い完全主義者。
しかしその裏には恐るべき秘密があった・・。
この「降臨」は短編小説であり、やはりホラーの領域に入るのだろうか。
どこか異常・・妄想癖・・神経を病んでいる人・・多くのそんな人が登場する。
表題の「降臨」は、家族のために自分の生活のすべてを捧げ、犠牲にしている専業主婦の身に起こる不思議な話。
ある日突然、神のお告げを受けた主婦が一切のことをしなくなる・・。
そのとき家族はどうするのか・・?
世の中のどこかで起こりうるそんな危うさを感じた・・。
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何が正しいのか。何が正常なのか。
読んでるうちにだんだん分からなくなってきた。
他の人の負の感情を読めてしまう人、自分が認めたくないものから逃げるために自分に嘘をつく人、頑張りすぎて突然神のお告げがあったと何もしたくなる人…。
みんな真剣でありながら、自分が異常ではないかとか悩んでいる。
読んでいると「変」と感じることは多かったが、じゃあ、普通ってなんだろう?と考え始めてしまう本だった。
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きっと人間の奥底にはこんな精神が潜んでいるのかもしれない。短編集なのだけど、最初と最後の小説は、同じ人物が登場する。ホラーなのかミステリーなのか。心が読めてしまったり、羨望の女性が、実はとんでもない人物だったり、元彼女の幽霊に悩まされていた男のトラウマだったり。妄想殺人だったり。読み進めていくと奇妙な気持ちになっていく。何かの負の力によって、奥底に潜んでいる負の悪魔が顔をだした、そんな物語だった。負を抱え込んでいる時に読むと、共感できるかもしれない。
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期待していた内容とはちょっと違うけど…花枝と淑彦の夫婦の雰囲気は結構好き。人間の心の中ってわからないですね。
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密かに忍び寄る、日常の違和感。
ぎしぎしと、というよりもわずかにきしみ、
いつの間にか気付いたらそこにあった、壁のわずかな亀裂のような。
あるいはふとしたときに気付く、こんなところにあったかしら?というシミのような。
正直読後感は悪い。
明るく描かれた家族がふと、次の作品で追い込まれている苦しさ。
降臨、と言うタイトルからむこうの世界の、あるいは宗教のような、
超・次元の話を想像したのだがそれはまるで違っていて。
しんしんと胸に詰まってゆく、見えない汚濁。
すごく怖くて、本当に気持ちの悪い、優秀作。
特に最後の一作は、ぐらっと揺れるような、底冷えのする、悪意にやられた。
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読んですっきりする本ではないです。
幸い短編なので、他に読んでいる本の隙間に
1話ずつこっそり読む感じで読了しました。
もしかしたら日常に、こんな風景があったとしても
わからないだろうな、くらいの異常。
お隣にこんな人が住んでいても
違和感無いかも・・・と思うくらいの異常。
やっぱりコワイのは生きてる人なんだ~って思う本でした。
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強迫神経症3連続。これは短編集で、全編通してのキャラクタはなし。
これを書くんで、パラパラめくって見て気づいたんだが、この作者、最終ページ読んでみても、全体のスジが思い浮かばないな。通しで読んで初めて面白いというテクか。
"全編通してのキャラクタはなし"なんだが、何編かはニアミスするのが妙にワクワクしたな。
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ちょっと、痛いひとが多く出てくる小説で、私は余りはまらなかったな。この人の本結構好きなんだけど、ちょっと今回は外れたかな
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基本的にそれぞれが独立したお話なので、短編集になるのかな。何となく人間の怖さみたいなのは伝わってくるけど、少し消化不良