投稿元:
レビューを見る
15年振りくらいに再読。実際自分が主人公と同じ30代サラリーマンという立場になって読むとまた受け取り方も変わります。すっきりしたハッピーエンドなので気楽に読めますね。シュークリームまみれでプロポーズの返事する彼女萌え。「判子を押しなさい」おばさんも好きです。
投稿元:
レビューを見る
初めて読んだのは15歳か16歳の時。久々の再読。
著者の父親は歌人斎藤茂吉だということを知ったのは読了してあとがきを読んでから。
当時に最初からその知識があったら書店で手に取ることはなかったかもしれない。
緊張すると4歩めごとにピョコリと飛び上がってしまう「奇病」を持つ武平が
とても不器用で、ときどきクスリとさせてくれる。
特に自分の鼻の下が伸びているのではないかと、巻き尺で鼻の下を測定するところが大好き。
投稿元:
レビューを見る
「ピョコリ病」(ネタばれ自重)に悩む主人公が巻き込まれる数奇な運命。運命といっても重苦しい話ではぜんぜんなく、作者のユーモラスな想像世界に笑わせられ酔わせられる。常人にとっては不思議なことを気に病む主人公の可笑しい葛藤を疑似体験できる良作。読後感はスッキリ
投稿元:
レビューを見る
読む前は、関根勉絶賛の有名な映画である「奇人たちの晩餐会」みたいな内容を想像してたけど、全然違ってましたね。
最初は中年に差し掛かった奇病持ちの冴えない男性として描かれていた主人公が、美弥が出てきたあたりから、なんだか妙に羨ましいというか微笑ましい展開に...。あんなふうに、普通は欠点とされるところを逆に魅力として感じてくれる人がいたら、なんと幸せなことだろう。
全般的にユーモラスな描写に溢れており、ホテルのビュッフェで大好物の伊勢エビを取ろうとしたら前の人に全部持っていかれて「うぬっ」と言うシーンなど、最高です。美弥の話の最中に中座してまで拘る伊勢エビが、2回も同じ人に邪魔されて「うぬっ」。これがまた、なんだか光景が目に浮かぶような巧みな記述なんですよね...。