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主役は、強くなく頼りなく、人気もないヒーロー。吃音の中学校教諭が主人公の短編集。いや、いろいろ悩んでいる中学生(「元」含む)が主人公かな?重松ワールド全開の1冊です。最後の「元教え子」の1編は、ちょっと毛色が変わってて、とくに面白かったなー。ちょっとジンワリきてしまったぜぃ。
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ただ、そばにいること。でもそれって意外と難しいことなのだと改めて思わせてくれる物語でした。先生の視点ではなく、子供達の視点なのも良かったです。
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1人の先生を軸に進んでいくスタイルのショートショート。
どの話も心が温まります。
重松さんのショートショートはとても暖かい気持ちになれるので、本当に好きです。
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ハンディキャップをもつ中学校の国語の先生。8人の傷ついた(傷つきつつある)生徒のそばに、そっと寄り添います・・・、本当に大切なことを伝えるために。「間に合ってよかった」の言葉が、胸を打ちます。個人的な、中学3年のときの記憶がよみがえりました。”記憶にございません”とかの、しらけムード全開のごく普通の地方都市の公立中学。私自身は、他県の進学校への受験準備で、いらいらかりかり(平凡な平凡なきわめて平凡な中学生)。担任は、社会科担当の熱血若い先生。数学は、軽度の障がいをもつ隣のクラス担任。度重なるうちのクラスの数学の授業に対する不真面目な態度(誰とはなしに、先生の障がいを揶揄していた気がする)に対し、隣のクラス全員が、きわめて整然と「まじめに授業をうけること!先生を、その障がいをもって差別しないこと!」と申し入れてきたのである。隣のクラスのその大人びた態度に、とても恥ずかしい思いをしたという記憶が、鮮明によみがえってきたのである。その後の記憶は、定かではないが、とにかく表面的にはまじめに受けるようになった気がする。痛いような、痒いような、かさぶたになった記憶である。
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「はじめてヒーローの登場する物語を書きました」とあとがきにあります。そのヒーローとは中学校の臨時教員、中年のひどい吃音の国語教師・村内です。
(ご存知の方も居られるでしょうが、重松さんも吃音です)
村内先生は次々に学校を移動し、いじめや学級崩壊などの問題のある教室に現れます。
「一人ぼっち」はいけないと言います。いじめられる生徒は一人ぼっちされますが、実はいじめるほうも一人ぼっちになるのが怖くて徒党を組むのだと。
でも「みんな」もイヤだと言います。みんなではなくAさんとBさんとCさんなんだと。
重松さんお得意の中学生の「いじめ」や「孤立」の話です。でもどうしようもなく救いの無かった初期の「ナイフ」などと異なり村内先生というヒーローが居ます。村内先生の言葉にすれば、ギリギリのところで「間に合った」話になっています。
涙腺を思いっきり刺激してくれます。ベタと言えばまったくベタな話ですが、やっぱり重松さんの物語は好きです。
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もしも、私と村内先生が出会っていたら、
どんな言葉をもらえるのかな、と思った。
村内先生に会ってみたくなりました。
村内先生なら、何かとても大切なことを教えてくれる、そんな気がします。
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あとがきでも書かれているが、村内先生は
著者の「子どもの頃に出会いたかったひと」であると同時に、
「違う人生を歩んでいる」著者そのものなのだと思う。
著者がこの本を読む誰かに対して
「間に合うように」伝えようとしている言葉を
村内先生に託しているような感じがする。
そもそも学生たちの「エグみ」のある心情を
ここまで書き出すのはすごいが、
その上で村内先生との接触によって
違和感のない、良い方向への
心情の変化を書き出せてるのが
もっとすごい。
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短編で読みやすいですが
泣くこと間違いなしなので
家で読むことをオススメします☆
お話は、どれも良かったけれど
カッコウの卵が1番好きです。
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もともと重松清は大好きで、
泣ける小説の代名詞として、
まだ読んでいないのは買うようにしている。
今回のお話は、
『日曜日の夕刊』に次ぐような傑作だと個人的に思う。
作家本人が吃音である(あった)ことも、物語の主人公を立体的に浮き上がらせる要因となっている。
同じ吃音がテーマの『きよしこ』も良かったが、あの少年が大人になって、こういう先生になったんだ、とおもうと、ほっこりと優しい気持ちになれる。
この作家はいじめをテーマにした作品が多いが、本作は、いじめとどう取り組むか、という、教師の立場、保護者の立場から見ても、心うつものがある。
ちょうど大津のいじめ自殺が取沙汰された頃読んだので、よけいに感情移入してしまった。
やんわりと優しくて泣ける本を読みたい方におすすめ。
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ずっとそばにいてくれる先生
自分は先生ではないけど、教育実習をしたから
少しだけわかることがある
一人一人にそばにいることって、簡単なようで
そうではないというところ
近寄りすぎても、遠すぎてもよくない
本当に大切な事を伝えても、それが伝わらない
ってことだってある
じゃあずっとそばにいてくれる先生ができることって?
それを少し体現しているのが、この小説で出てくる村内先生なの
かもしれない。
子供との接し方、教育の仕方が多様化されている先生のみなさんには、ちょっとした参考程度もいいから読んでみるといいかもしれない。
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短編集だが、一人の教師が主人公。
どもっているけど、大切なことを教えてくれる先生。
こんな教師になってみたい。
教師にとって大事なことの一つは、「子どもを危機から救うこと」。
それをやっている先生はすごい!!
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わたしは教育関係の仕事をしているから,村内先生のすごさは分かります。口出ししないでずっと子どものそばにいるってすごい忍耐力を必要とするし,吃音をもつ先生なんて実際にいたら保護者からの非難は轟轟でしょう。
教育関係の仕事についているから,この本に書いてあることは甘いことも知っている。
でも,重松清の本を読むと,「いいじゃん,先生って」って思えるから好きだなぁ。尊い仕事なんです。先生って。
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大切なことを伝えるために学校に来た村内先生。
生徒のそばにいてあげて、
その子を変えることができる
先生っていい仕事だなって思った。
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なにかしら心に傷を持った生徒たちを、吃音を持った村内先生が救う。救うといっても何かするわけじゃなく、ただそばにいてあげる。そして本当に大切なこと、伝えたいことを生徒に話す。
それだけなのに、不思議と少し前向きになっていく生徒たち。
読んでいる自分自身も、少し前向きになれてじんわり、静かに元気をもらえる本。
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うそをつくのは、その子がひとりぼっちになりたくないから。嘘をつかないとひとりぼっちになっちゃう子がうそをつく。もしもうそをついたんだったら、それはさびしいことだから、そばにいてあげなくちゃ。
人間は、大人になるまえに、下の名前でたくさんよばれなきゃいけないんだ。下の名前で読んでくれる人がそばにいなきゃいけないんだ。