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過去の4億円申告漏れ以降、筆者の本を読まなくなったが、久しぶりに本書を購読した。
現代の碩学のことはあり、随所に参考になる提言があった。
特に注目した事は教育問題である。
「日本ではペーパーテストが一点でも高い方を合格とするのが公正であると信じ込んできた。」
「ハーバードにしろ、スタンフォードにしろ願書と面接を重視してゐる。」
ある米教授曰く、「そもそも、人を選別する事自体が不公平なんだよ。」
筆者曰く、「さうであるならば、願書と面接で個性的な学生を採用すべきだ。」
「知性とは、正解を解く事(+スピード)ではなく、プロセスである。」なるほど
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78 不完全でも、とにかくある「意思決定」をするこもの方が、一切「意思決定」をしないことよりも尊い。あたかも「正解」がどこかにあると擬制して、それを自分にも他人にも押しつけることは、結果として意思決定不全しょうこうぐんへの道となる。
87 イデオロギーの恐ろしさと愚かさは、単線的な発展を人に押しつけるという点にある。
112 「安らぎ」の中で時間を送っていると、次第に、異質な他者に向き合う緊張感が失われていく。「ホーム」だけでなく「アウェイ」でも新しいことに直面し、そこから学んでいくことが子どもの若々しい脳の現れだとすれば、「安らぎ」の中でまどろんでいる日本人の脳は、老いてしまっていることになる。
165 文明開化、富国強兵、憲法改正、領土の防衛といった単一課題が全面に出ることの危険性は、それが精神のモノカルチャーを醸成するという点にある。私たちの生の実相も課題も、本当は多彩である。たった一つのテーマに、すべてが回収されるということは原理上あり得ない。
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読み終わって、では何をするかと思った時に何も浮かんでこずに、再度拾い読みをした。
結局、自分の歩幅で歩いて行くしかないと云うことが分かった。
全員が同じ方向に向って努力するという時代ではないのだ。