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  • 販売終了

夏至南風 みんなのレビュー

    一般書

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    みんなのレビュー50件

    みんなの評価3.8

    評価内訳

    50 件中 1 件~ 15 件を表示

    紙の本

    秋冬に、こんなけだるい夏を読んでみる。

    2009/11/11 12:03

    5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

    物語全体に気だるい、蒸し返すような熱気と湿気を充満させた空気が覆っている。
    夏至南風がその重苦しい空気をかき交ぜ果実は腐り、腐臭を放ちつつ少年たちを
    魅了する。
    無花果を連想させる「黴びて腐った果実のような」形状の鞄を持ち歩く男は貨物列車に飛び乗り、少年たちを置いて去って行った。
    会話という意思の疎通を閉ざしてしまった兄鈷藍と、彼についてまわる弟、彼らの叔母。彼らとは一線を画した美しさと雰囲気を漂わす少年、碧夏と鈷藍たちはこの夏ふとしたことから接触し、次第に互いを意識する。

    愛してくれることを期待するのは意味のないことと言い放つ鈷藍が、否定しつつもまだ愛されることを諦めきってはいないであろう美しい少年碧夏に要求しているのは「完全に醜く腐りきること」だ。
    周囲の少年たちが行方不明になっては死体となって発見されるその夏、碧夏もまたどこかに連れ去られ、再び鈷藍が目にした時彼はまさしく理想の姿…「これほどまでに醜く腐ったものをかつて見たことがない」姿である。

    部分部分をかいつまみ、印象的に書き連ねるとこんな風にしか書き出せない。
    長野作品はいつだってそうだ。とりとめもなく書き連ねたような美しい情景もしくは醜悪な風景ににつかわぬ程の洗練された描写、沈殿したそれらの上澄みが漂うように描かれる少年たち、境界線の非常にあやふやな生と死…。
    そうしたものがいくつも何層にもところどころに現れては消えていくので、どうにもつかみどころのないまま捉える間もないままに物語が閉じてしまう。
    美しすぎるその閉じた世界はあまりに現実離れしており私はいつだっておいてけぼりで、そのくせ彼ら少年たちのあやうい姿は魅了してやまず、私は一方的にその世界にズブズブと沈んでいくだけだ。


    前半の描写に彼らの暮らす夏至南風(カーチイベイ)の吹きさらす土地描写が印象的で、そして物語の根底を如実に表している。

    「屋根の数も数えられなければ、個々の境界すらはっきりしない。それらは日々外観をかえてしまうほどの流動性を持ち、野放図で自己的だ。密集し繁茂する密林の植物群のように、触手を伸ばすことにかけては貪欲で疲れを知らない。混沌とした無秩序のなかに、尽きることのない彼らの繁殖力が宿っている。…醜悪さは黴のように増殖し、いたるところを腐らせた。路の傍らには節操のない欲求が醜くさらけだされている。」(p70より抜粋)

    著者があとがきに記しているように、男の喉仏(アダムの林檎)として生命を奪う、もしくは死の象徴であるイチジクの果実が腐り続けるということは「死」が衰え遠のくということであり、少年たちの不安と興味をあおる。
    彼らは「嫌悪すべき自己」から逃れるための手段としておそらく死を意識しているからだ。
    しかしあらゆるものが腐り続ける夏至南風のなか、否応なく生きることに縛りつけられ「再生の拒否は世の中にすんなりとは受け入れられ」ぬことにおそらく絶望してもいるのだろう。

    生きることも自分自身も、格別愛することもなければ嫌悪することも
    なかなか無い今日、読者の目には彼らの向かえた結末がどう映るのか。それはそのまま自分自身の生と死に対する意識のほどを伺わせるに違いない。

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    紙の本

    腐敗する少年。

    2001/10/16 03:47

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:ゆいり - この投稿者のレビュー一覧を見る

     この作品は筆者の出世作だそうだが、これ以前の作品とは大きく異なり、性的描写が前衛に押し出されている。主人公や美少年に付けられた名称はどこかアジアめいたものがあり、筆者が表現しようとしたのは、アジアの淫猥さなのではと思われる。また、植物を上手く利用し、直接的な言葉を使わず、卑猥な表現を成しているところは見事だ。恐らく直接的な単語を出すことは、筆者の美意識に反するのだろう。かといってポルノ文学などのようなものではなく、直接的な描写は薄い為、そういう方面が苦手な人でも読むことができるだろう。しかし、筆者なりの意図はあるのだろうが、ラストで無理やりにテーマ性へと繋げるので、少し読後に違和感が残る。

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    電子書籍

    傑作?かなぁ

    2022/06/24 01:04

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

    それが、自分の感想でした。なんというか……、登場人物が次々と死亡していきます……それに、犯人は一体誰なのか……の不安となんとも言えない気持ち悪さ……。そして、口の聞けない少年を中心に周りの人に起こっていく腐敗。詠んでいて……感想は、第一は、怖いなぁ

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    紙の本

    南風の中の残酷。

    2002/07/31 02:28

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る

     それまでの長野まゆみの童話的世界とは異なり、美しい言葉を使いながらも淫蕩(特に女性は汚い感じで書かれている)や残酷、暴力を描き出している。無機質で人形のように美しかった長野まゆみの少年たちが、この作品で「なま」の肉体を手に入れた。性描写もそれなりで、少年の同性愛に、女性とのそれのような生々しさを嫌悪する形で惹かれている人には、合わないかもしれない。だが、過激なボーイズラブが好きな人も多いだろう。無い私はボーイズラブの人間ではないが(現実の同性愛を差別はしない)、これ位ならまだ普通に読める。

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    2004/10/28 02:19

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    2005/04/20 16:14

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    2005/10/05 22:01

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    2005/11/14 03:22

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    2006/05/02 00:11

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    2003/02/12 23:03

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    2006/03/02 10:28

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    2006/05/14 17:46

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    2006/05/26 21:49

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    2006/06/17 17:39

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    2006/07/30 17:16

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