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紙の本
軽快なテンポで政治を語る
2004/02/29 18:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「三度のごはん きちんとたべて 火の用心 元気で生きよう きっとね」この言葉にこの作品の全てが詰まっている。
民本主義を唱える吉野作造と、有能な官吏の弟をめぐって、国家とは、民主主義とは何かを問う戯曲。吉野作造はデモクラシーを唱えた帝大教授で有名である。その吉野作造の一端にふれている。
前口上で、著者は憲法の大切さを訴える。「押し付け憲法」という説は、平和や民主主義をないがしろにしようとする勢力の卑怯な俗説だと反論している。
さて、本題にはいろう。
「三度のごはん きちんとたべて」は、みんなの願いは生活の保障にあるという。
「火の用心」は、災難や災害に遭わないようにとの願い。
「元気で生きよう」は、健康は生活の基本という。
「ものごころついてから今まで、世の中の不幸を目にするたびに、なぜ、なぜ、なぜと問うてきたが」「唄の文句にまとまってしまう」この三つが揃うことが国民の願い。
「三度のごはん きちんとたべて 火の用心 元気で生きよう きっとね」という生活を国民に与えることが政府の務めという。
そんな政府にはまだまだ程遠い。明治のデモクラシーの夢さえいまだに叶えられないのが現実だ。
井上ひさしの作品を久々に読んだが、テンポのいい戯曲であり、楽しかった。
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