紙の本
戦後の混乱の中、百歳を超えて
2012/01/24 10:24
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投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ二作目。
目の前から消えた奈津を追って、あちこちを捜し歩く閻魔。
見つけられず、東京へ戻った閻魔はふとしたことから、浮浪児に懐かれ、同居することになる。
次第に情が移っていくのを自覚しながらも、己の正体を知られるわけにはいかず、なんとか彼と別れようとする閻魔。
一方、戦後の町では、奇妙な自殺者が続出していた。
彼らの掌には鬼籠の痕があり、閻魔は兄弟子、夜叉を疑う。
そんな閻魔に、戦争孤児がまとわりつく。
百歳を超えて、ようやっと成長した感のある閻魔。
それでも死なず老いずの体には、孤独に生きることを強いられる。
長い間、閻魔を支えてくれた信正は最後のときを迎えようとしていた。
老境を迎えた奈津の生死も定かではない。
新たに人と巡り合い、人と別れ、何かに抗いながら生きていく閻魔。
第2作目の本書では、戦後の混沌とした日本を生き抜く閻魔の姿が描かれている。
その間、10年足らず。
1作目が80年に渡る話だったためか、前回よりは本が薄い。
しかしこのシリーズ。
三部作らしく、次作が最終巻であるらしい。
奈津と閻魔の想いが触れ合う時があるのだろうか。
ただ一人の同胞、夜叉と心を通わる日は来るのだろうか。
どんな結末を迎えるのか、楽しみで仕方がない。
紙の本
主人公は老いない。これがいかに苦しいことか。
2022/06/19 21:15
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
不老不死の宿命を背負った男の話の続編。江戸から昭和へ。物語も時代物から現代物へ。
しかし、主人公は老いない。これがいかに苦しいことか。
昭和の時代が進む最終巻が楽しみ。
紙の本
切なさと色っぽさ・・・。
2012/01/27 18:56
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投稿者:K.K - この投稿者のレビュー一覧を見る
続編なので、まず最初からの話になりますが、この作品を最初に読み始めた時は、男性の作家さん?と思ったのですが、すぐに女性ならではの感性のちりばめられた作品だ、と気づきました。
主人公の閻魔は、とても孤独で厭世的で、その刹那的な退廃感が、凄く切なく感じられて、のめり込んで読んでしまうお話です。
主人公の色っぽさは女性ならではの描写でしょうか?
とてもステキな人物像に仕上がっています。
どんなに良く出来たストーリーでも、そこに登場するキャラクターに魅力がなければ、読者を引き込めないと思うのですが、閻魔はとても魅力的ですよ。
この話がこの後どうなっていくのか、楽しみに待っています♪
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
因果と因果が引かれ合うのか、閻魔と縁ある人間たちに降りかかる悲劇が辛い。それでも奈津との再会のために閻魔はくじけないのでしょうね。
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広島で奈津を探すも叶わず、失意のまま東京へ戻ってきた閻魔。その頃、東京では奇妙な自殺騒ぎが続いていた。一方、不老不死の『鬼込め』を求める者たちは信正に代わり牟田家を継いだ惠子にまで魔の手を伸ばす。死期を悟った信正から、奈津の居所を託された夜叉。自殺者たちの右手に『鬼込め』があることに気づいた閻魔と夜叉は、梅倖にかつて破門された男の弟子を探しはじめる。戦後復興期の日本で閻魔と夜叉が再び出会う(「BOOK」データベースより)
続編出るんじゃないかと思っていたらやっぱ出た。
どうやら三部作、になるらしいですね。
まだまだいろんなエピソードが書けそうな設定だったし、キャラクターもそれぞれみんな魅力的だったのでこれはうれしいところ。
今回も、はぐれ宝生の存在をもとにあれこれ悩み苦しむ羽目になる閻魔の姿が拝めます(ドSですがなにか)。
ただ善哉に中途半端に関わる閻魔はイラッときますねー。
夜叉じゃなくても罪つくりなヤツだと思っちゃうよ、うんうん。
惠子に対しても中途半端だなー、完璧彼女に甘えてるじゃなーい。
いつまでたってもヘタレな不死者だなー、もう。
と、ぶつくさ言いながら楽しく読みました。
次回、この話をどうまとめてくるか、お手並み拝見。
夜叉がお気に入りなんで、できれば彼が満足して消滅していけるラストになってるといいなぁ。
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今回は昭和20年から29年。
時代が流れていたと言う感じ。
特に大きな事柄もなく閻魔の生活が続く。
第三弾で最後とか・・・。
楽しみです。
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裏閻魔シリーズの第2弾。
戦後復興の混乱の中、閻魔の身内に巣食う鬼に誘われるように、様々な人が吸い寄せられてくる。死を求める者や不死を望む者などがそれぞれの悩みを感じとりつつも、あえて「人としての生」を貫き通そうとする。
最後となる第3弾で、閻魔は奈津と再会できるのか、閻魔と夜叉は生き続けるのかなど、どうなるのか次作が楽しみである。
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閻魔と夜叉、二つの「鬼」の戦いを読んでいるとこの世に絶対的に正しいことなんて ないような気がしてくる。 永遠に生きるということは愛する人を永遠に失い続けるということで。 その孤独を思うと耐え難い苦しみに胸が締め付けられる。
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本来、終わったはずのストーリーを、評判が良いからということで無理やり続編を書くということはない話ではないが、前作が激動の時代を貫く不死者と生者との純愛を描く純愛ラブストーリーであり、なおかつ因縁を取り持つ敵役たるもう一人の不死者との起承転結を全て描ききった後の続編なので、花火の残り火の様に儚く、物語も進行しない。さらに3部作にするらしいので、本当に話が進まない。いくらなんでも純愛もので引っ張り過ぎでしょう。会わないと誓った女に女々しく縋りつこうとする青二才の不死者に、今更。どういった結論を用意するつもりなのかというとで、話を引っ張るが、それだけでは話が続かないので、新たな登場人物を用意するも中途半端に終わる。それにしても商業的に成功したものを出版もしくは編集者側の都合で無理やり書かせるのは如何なものかと思う。素直に終わるべきものは終わらせるのが編集側の良心のだろう。こういった展開を見ていると某少年漫画誌の人気漫画の末路を見るようで、悲しくなる。終わるべき時を決めるのは、やはり創造者たるものがおこなうべきだろう。
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裏閻魔の続編ですが、弟子の善哉が悲しすぎます。不死身の二人、閻魔と夜叉の行きつくとこはどこなのでしょう。3部作だそうですが、3も購入しそうです。
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「裏閻魔」の続編。多分続くだろうと思っていたけどやっぱり続いた。
主人公のツンデレ的な中途半端な優しさが裏目裏目に出まくる感じ。でもその性格が放っておけない感じで作中の一部の人に好かれちゃうんだと思う。
今作での出来事は一応収束するけど、前作で離れてしまった奈津さんと結局再会せず終わり、多分その件は次作で決着がつくものと思われる。
でも不死者だから結局最後どうなるのか、そこが気になる。時代が現代まで進むのかな。
次も楽しみ。
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主人公が百歳なっても青二才。
物語は奈津探しが縦糸になっていて、同時平行の事件等他の人たちの関わりが横糸となっている。
三部作ということは次の舞台は日本を離れ外国かな。伏線はあるし。
主人公ら不死のものが子どもを持たない分、遺児とのつながりが多い気がする。
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1巻と同じ安定感があり安心した。
ただ主要人物の一部と時代が変わる。
エンマは、哀しい未来を起こる前から予想して、回避しようとして酷い結末にに踏み出してしまう人。1巻と似た間違いを繰り返す。この巻でエンマに気づいて欲しいな。
夜叉がこの巻では毒気が抜けていた。エンマが思春期の子どもみたいだから夜叉が変わってくれなきゃ駄目なのか・・(-_-)
信正の養女を見て、一生懸命生きるのは面白そうだと思った。
最近、私はだらけていたので、彼女の様にギラギラ生きていきたい。氏(うじ)に関わらず懸命になれば開けるものもあるだろうし、本気の自分を好きになれそうだから。 【私が抱いてあげたのよ】は格好良すぎた。彼女にとって彼は1番大事な人の一人だから気をわせたくないし、女として触れあった瞬間を後悔してほしくなかったのだと思う。
3巻でたら買う。彼女はロブが行っていたオレンジ農園にでもいるんじゃないかと勝手に予想している。
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『裏閻魔』待望の続編です。閻魔と奈津はどうなるの?夜叉と閻魔、決着はつくの?・・・前作から引き続いて気になることがいっぱいですが、『裏閻魔2』の一番の見どころは、新しい登場人物たちではないでしょうか。切ない人間模様に心が揺さぶられます。戦後10年間を生き抜く人々が、魅力的に、時に妖しく、活き活きと描かれています。
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第2弾だけあって最初ほどのインパクトはありませんけど、それでもなかなか楽しめました。ただ、主人公の情けなさもよりパワーアップしており、イライラが募るのも事実。一応三部作を予定しているという事だそうです。