紙の本
迷惑をかけない英作文のために
2011/04/21 04:15
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ツクシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、英語の専門家でもなく、英語圏で育った人物でもないが、研究者としておそらく相当の量の英文を読み、また書いた経験もあると思われる。本書は「英語的表現はこういうものです」というより「こういう理由があるからこう書きます」という説明にポイントが置かれていて、納得することが多い。
内容は、コンピュータで開発された文章解析技術と「談話文法」を紹介しながら、つながりの良い英文/英文章について解説してあり、英作文をするときの考え方を明らかにしている。また、論文を書く上で使用頻度の高いと思われる表現が多く紹介されている。ただし、英語の美文や気のきいた言い回し、それらの微妙な違い、また、学術論文の構成や文献の引用方法などには触れられていないので、これらに興味がある読者は残念に思うかも。
わたしが記憶しておきたいと思った点は、「古い情報から新しい情報へ」、「文章のなかの各文は古い情報を引き継ぐ部分と新しい情報を付け足す部分があり、古い情報が早く表れる文ほど読みやすい」、「視点をむやみやたらと移動しない」など。
「人さまに迷惑をかけない」英作文だけでなく、日本語の作文に興味のある方にも有用だろう。良書。
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あーおもしろかった!これだけ読めば、英語で論文も書けるでしょう。それと、緒方四十郎さんと、資生堂の会長さんと、人生と財産を読めば、もう完璧でしょう。
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人工知能による構文解析を専門とする著者が,自信の学術的経験を背景に,論理を組み立てるための接続詞,接続句の役割を説明しています。本書が英作文のための書籍だといっても,論理の組み立てが重要になるのは日本語でも変わらないので,英作文に関心がある人に限らず,本書から学ぶことは多いと思います。また,役割別に単語,熟語をリストアップしているので,リファレンス的に利用することができそうです。
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文章の「つなぎ方」
一文一文書くだけではなく、接続詞や副詞を使って文同士をつなぐことに意識した一冊。
「道標」となる言葉を配することで、言いたいことが整理できて、読者にもやさしい文章となる。
筆者自身も言っている通り英文法や言語の専門ではないため、
私たちも確実に適応できる文例しか扱っていないのが割り切った感じで好印象。
世の中には瑣末なことばかりにこだわって結果使いづらい用例集もありますので。
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文章の書き方として既知のものから未知のものを書け、というのは納得がゆく。本書では「古い情報を前に」と謳われている。何につけ参考になる。
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英文作法となっているが、2章の前半くらいまでは「どう書くか」とほとんど同じ。
面白いのは3章からで、文章の構造に関して日本語英語問わず成立する性質を仮説として立て、それを基に日本語ではこういう構造となる、続いて英語ではこうなるという形で話を行い、極めて論理的に、科学的な文章を構成する方法を説明している。
例えば、5章では
「仮説5.1 文章の中の各文は、古い情報を引き継ぐ部分と、新しい情報を付け加える部分からなる。このとき、古い情報を引き継ぐ部分が早く表れる文ほど読みやすい。」
という仮説を立て、the、this、関係代名詞等での情報の引き継ぎ方の例文を示している。
著者のスタンスはあくまでも科学に関するわかりやすい文章を書くことであり、別に仮説が絶対に正しいということを立証することではない。仮説という簡単なルールを意識することで、理系として最低限度必要なわかりやすい文章を書くことができるようになる、ということである。
確かに漫然と他人の書いた文章をまねするより、文章を書く上で一般的に成立するルールを意識して書いた方が文章を書きやすい。特に表現に悩んだ時や、自分の書いた文章に違和感を感じた場合、この本に掲げられている仮説を基に推敲を行えば、理系らしく論理的に正しい表現を導けるだろう。
文章の作成能力はアートではなく、訓練により習熟できる技術である。そして小説家や芸術家でない限り、仕事や学問で必要とされる文章のほとんどは論理的なものである。であれば文系理系に関係なく、大学生か、できれば高校生ぐらいから、この本のような論理的な文章を書く方法をもっと教えた方が良いのではないかと感じた。
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文と文をつないで文章を作るときの文法が「談話文法」.これを,英語に不慣れな人が英語の理系の文章を書くケースに適用して,不適格な文章を書かないですむために最低限守るべきルールをまとめた本.
話の道筋に道標を
中身に合った入れ物を
古い情報を前に
視点をむやみに移動しない
というのが,ルールの柱.ほとんどは,言われてみれば当然というものだったが,視点の移動に関する部分ではそれほどピンと来ない所も.そういう所こそ,意識しないといけないんだろうな.
あとは,どれだけ実践できるかという問題.読んだだけでは効果のほどは分からないので,今のところは★四つ.
思いのほか薄くて,すぐ読めた.
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[ 内容 ]
文法的に正しい英文でも、つながりが良くないと明快な文章にはならない。
本書は、コンピュータで開発された文章解析技術と、言語学の新文野である「談話文法」が明らかにした文と文をつなぐ画期的法則を紹介する。
この法則は、自分で書いた英文を客観的に眺め、自然な英文をつないでいくための道標となり、気のきいた言い回しよりもまず英文で主張を明確に表現しなければならない多くの人にとって、すぐに役立つ道具となるだろう。
[ 目次 ]
第1章 談話文法を利用しよう
第2章 話の道筋に道標を
第3章 中身に合った入れ物を
第4章 動詞が支配する文型
第5章 古い情報を前に
第6章 視点をむやみに移動しない
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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実は目次を見ると著者の主張が殆ど分かってしまうのだが、この本を必要とする読者層の場合、何が自然で何が不自然なのかを、例文を実際に比較して理解する必要があると思う。個人的には、これまで経験的に感じていたことを再確認できた、という意味で有意義だった。
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すごい昔から積読していたが、ボリュームもさほど無いので隙を見て一気に読んでみた。
タイトルから英作文の話かと思いきや、半分以上は日本語の文章の書き方で、それもいわゆる「ロジカルライティングをちょっと劣化させた考え方」プラス「著者の専門であると思われる言語解析の観点」という印象。
しかもこの「観点」には恐ろしく大量の仮説が設定されていて、「この仮説が正しい保証は無いのだが、初心者が書く際には従うべきである。」というスタンス。
いやいやいや、これじゃ受験英語と同じじゃないっすか・・・。
というわけで内容の目新しさや気づき、実用度、どれもイマイチに感じざるを得なかった。ちょっと残念。
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高校英語で壁にぶち当たり、ひょろひょろと逃げて通ってたけど、そろそろそんなこと言ってられない。
文を書くには、辞書使えば問題ない。しかし、文章となると・・・という人にお勧め。今でなんとなく書いてきたが、これから少しはマシになりそう。
こういうことわかってないのは本当に理科系だけなの?
あ、でも、出てくる例文は理科系だった。
買おうかしら。
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文章のつながりを重視して接続詞や副詞の使い方を解説した本。多少文章が稚拙でも、論理構造がつながっていれば文書は読みやすくなるので、その点を強化したいときに読むと役に立つ。
論理性皆無の文章を書いたことが何回かあるので、これで気を付ける点がわかったような・・・?
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この本は最近読んだ中でも、かなりヒットです。実用的です。
受験から論文作成までの英語について疑問に感じていた点をまとめてくれた。「安全な文章」を書くためにはとても役立ちます。
目新しいと思ったことでも、ちゃんと考えている人は昔から考えているということもよくわかった。
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英語で文章を書くことに主眼を置いているが、日本語の文章を書くときにも使える内容となっていた。人に正しく伝えるための文章を書く時のポイントが分かりやすくまとめられているが、これは英語であっても日本語であっても同じである。特に、文章の内容と構造の不一致に関するポイントや視点の移動についての注意は、日本語でも犯しやすいミスであるため注意が必要であると思った。また、くどいようでも省略したり言い換えたりせずに同じ語句を使うべきだ、という指摘は非常に良い指摘だと思う。この省略せずに書くことが普及すれば、”それ”や”これ”が前述の何を指しているのかに悩むことはなくなると思う。
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センスのないひとにはよい本かもしれない。
自分のセンスを磨くためのひとつの研磨剤にしては硬すぎるので、あまり真面目にこの本に書いてあることをゴリゴリと使ってセンスを磨いていたら、たぶん目も当てられないことになりそう。
プロの初心者になりたいのならいいかもね。
あくまでそういう本だと思って読んだ方がいいと思う。