紙の本
考えたい。
2014/01/19 20:16
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投稿者:ひさぴょん - この投稿者のレビュー一覧を見る
国民一人一人が自分にも起こり得ることとして捉え、早急に対策を講じなければならない社会問題を捉えているものである。
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NHKスペシャルで放映された「老人漂流社会」のスタッフが、映像で伝えきれなかった部分を含めて書籍にしたもの。仕事での話材にならないかと軽い気持ちで手にとったのだが、自分の親のこと、自分が死んだ後の妻のこと、そして自分のこと、直接自分に関わることになるかもしれないという当事者意識がページをめくるたびにわいてきた。
高齢者が終の棲家を見つけることの難しさ、それは、独り身になり、そして介護が必要になったり、病気をしたりした時に、受けてくれる受け皿施設が圧倒的に不足しているということ。生活保護を受けざるをえない高齢者の方々を中心に取材されているが、これはお金の問題ではないような気がする。お金をよほど積めばどこか施設があるのかもしれないが、一般的な人間は最後は、誰でもこのような「漂流」をせざるをえないかもしれないという不安を感じざるをえなかった。
家族が親の面倒を見なくなった。というよりも見れなくなった。このことに対して本来は社会全体で扶養していく必要があるのだが、そこにはあまりに負担が大きすぎて、誰も関わろうとしない、そういう日本社会の病巣があるような気がする。
政治はこのことに対する解は複雑すぎて大変な割には票につながらない、企業は、こんなお金にならないところには投資できない、家族は自分の生活があり、面倒みきれず見て見ぬふりをする。そして、今現実の病気・要介護の高齢者が、何も声をあげれず漂流させられ、その周囲の関係者は、彼らを「漂流」させないと仕事にならない、そういう状況にあるのだと思う。誰もが高齢者になり、最期は大半の人が何らかの介護が必要になり死んでいく。でもその最期の悲惨さは、そこに来るまで誰も見たがらないのだろう・・正直僕も含めて・・。
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この本は是非皆さん読んでみてください。
高齢者が日本の個人資産のほとんどを持っていると言われていますが、
その高齢者の中の20%が貧困層であり、
60%も先々の見通しが暗い。
実は悠々自適の生活ができているのは全体のたったの20%だけ。。
この現実を重く考え、
今行うべきことを再度それぞれが考える必要があると思いますね。
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●:引用
●ひとり暮らしができなくなった途端、自宅から追われ、自らの意志を発することもなく、自治体や介護スタッフの提示した施設へ転々と”漂流”せざるを得ない―取材の現場でこの厳しい現実を目の当たりにするたび、痛切に感じたのが、「この方は、本当はどういう老後を望んでいたのか。どういう老後を思い描いていたのか」という思いだった。
●今、私たちはどのように生き、どのように最後を迎え、そして死を迎えるのか。一人ひとりが問われているのではないだろうか。昔のように、家族に老後を任せてということは、環境的にも経済的にも、難しくなっている。共同住宅の取材をとおして感じたのは、それぞれが、自分なりの死生観を持つことが求められているのではないかということだ。たしかに、死を考えることは、目を背けたくなることかもしれない。でも、それがないかぎりは、新たな”漂流”が生み出されることになる。”漂流”したくないと考えるならば、対峙しなければならない大切な問い、それが死生観だと思う。一方で、社会が考えていかなければいけない課題もある。岡田さんのような、ひとりの善意に頼ることが果たしていいのだろうかという思いにもかられた。1年中休みなく、その熱意でもっているような共同住宅の経営。入居者のお年寄りは、幸せであるが、ひとりに任せてはいけないのではないか。こうした共同住宅を支えるような、制度設計が必要ではないだろうか。そこには、国や行政のサポートが欠かせない。
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まっとうに働いて税金払って体が駄目になったら施設をたらいまわしにされて家賃滞納で自己破産。
人事で済まされない未来に見える地獄絵図。
その地獄も金次第と言わんばかりの施設一覧も掲載。
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こちらの本、ブクログ登録日は2014年11月29日ですが、レビューを書いていなかったので、本日(2021年7月24日)書きます。
老後の生活が年金だけでは成り立たない。
こういうことが言われ始めてから、そこそこの年月が流れているように思う。
今では、誰でも頭ではわかっていること。
しかし、個人ではどうしようもないというところか。
この本に内容は、次のとおり。(コピペです)
2013年1月に放送されて大反響を呼んだ NHKスペシャルの書籍化。
病院や介護施設をたらい回され「死に場所」を持てない男性、自宅を失った高齢者の「終の住処」と化した三畳一間の宿泊所、自分も周りも気づかずホームレスになってしまった認知症の高齢者など、超高齢社会に住む我々が目を背けてはならない現実を徹底取材。
自分の居場所を自分で選べずに「漂流」してしまう現状に警鐘を鳴らしつつ「奇跡の共同住宅」という希望の光も示すノンフィクション。
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他人事ではない"老後の現実" ―
http://www.shufu.co.jp/books/detail/978-4-391-14371-3 ,
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0120/ ,
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2013047266SA000/
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ことばがありません
安心して歳を重ねられる制度や施設を作ってください。
本当にそう思う。
それがあったら日々が充実したものになるのだろうか。
家族から離れてしまった個人、親族集団から離れてしまった家族、地域から離れてしまった親族集団、私たちが選んだライフスタイルが漂流する自分を作ってしまうのか。
密な地域共同体の中で生きていけば、漂流することはなくなるのか。幸せに生きていけるのか。
いろいろな答えの出ない問いを考え続けています。
ただ、安心して歳を重ねられる制度や施設があれば、こんな過酷な状況に身をおかずにすむことは確かだろう。
安心して歳を重ねられる制度や施設を作ってください。
本当にそう思う。
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本当に他人事ではない。実際仕事していると耳にする話ですし、じわじわと迫りくる感じがする。施設に入れても合わない事やトラブルもあったり、生活保護の方が暮らしやすい話もよく聞く話。家族で介護もなかなか大変ですしもう少しペースアップで社会保障が進みませんかね。
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・・・・誰にも起こりうる未来の姿だ。「真剣に生きてきた人たち」のゴールを思う時、胸迫るものがある。それは他人ごとではない。常に自分の今を確かめていなければならないと教えてくれる1冊である。
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現在は夫婦で生活していたり、兄弟や親子で生活していても、何かの出来事で一人になり、それに病気や認知症が起きてくると、とたんに一人で生活することができなくなり、病院に入院したとしても、退院後に受け入れてくれる施設が極端に少ない。国民年金を満額もらっていても月に7万円弱では介護施設の費用には到底足りない。最後には生活保護というパターンになる。なんとかまじめに働いてきた老人がほっとして生きていける世の中の仕組みにならないものだろうか。現在、より在宅介護の方に舵が切られているいるように思える。独居老人が増えている状態と逆行しているような政策だ。
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予想以上に、高齢者の貧困と、終の棲家が失われる情況が進んでいることが浮き彫りにされる。
実態を知って、かなり衝撃を受けた。
2015年は、団塊の世代がすべて65歳以上になる年。
10年後の2025年、かれらがすべて75歳以上となる。
介護保険を受ける人の多くは75歳以上だから、このままでいくと事態は深刻になる一方だ。
そのときまでに、なんらかの対策が打てているかどうか。
世上喧しい「地域包括ケアシステム」がその切り札となりうるのかどうか。
世の中の仕組みを大幅に変えていかないと、高齢者にとっての地獄が待っているわけだが。
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良書。自分や親、家族の老後への不安はもちろん、本書で紹介されるエピソードの一つひとつがとてもやるせなく涙が出る。ホームレスの老人って近寄りたいとは思わないし、見て見ぬふりをしてきたが、その中に自分や大好きな家族が入らざるを得ないこともあるなんて…。
2013年の本(NHKで特番が放送)だが、経済的に困窮し、身寄りもないお年寄りたちの受け皿が整備されていない状態は未だ改善されていないと感じる。お金があって帰る家があっても、認知症になり帰る家がわからなくなれば、そのままホームレスとなり最悪の場合路上死に至る。かなり心を揺さぶられた。認知症に関する本も読みたい。
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NHKスペシャル『老人漂流社会』の書籍化である。2013年11月に発刊された本書を2014年1月に購入したが読まずに本棚に飾ってあった。
足立区の事件から始まる「消えた高齢者問題」が話題になったのは2010年であった。当時、『無縁社会』という本も出版された。その延長にあるのが本書である。
高齢者が行き場を失った社会。それは「老い」と「死」から目を背けてきた現代社会の一つの帰結であろう。都市化した社会の当然の帰結であろう。
なぜなら「老い」や「死」は自然の理であり、都市とは相性が悪いからだ。
この問題の根本的な解決は「価値観の転換」であろう。誰しもが老い、いずれは死ぬという当たり前のことを前提にした価値観の確立しかない。
しかし、それは容易ではない。いま困っている高齢者がいる。この人たちを救うスキームがすぐにでも必要だ。