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紙の本
やっぱり、人間はコワイ
2004/06/30 18:14
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
何と言って良いのやら…。恩田陸を初めて出会ったのが球形の季節、久しぶりに出会えた二重丸と次の出会いを楽しみにして来ましたが、やっと再会できたのが「月の裏側」でした。思ったとおり、いやそれ以上に楽しませていただきました。桐野夏生、宮部みゆき、との出会いにそっくりです。「ビビッと来た」ってヤツですね。(^_^)
元大学教授三隅協一郎の誘いで水郷の町「やなくら」へ教え子の塚崎はやって来た。協一郎から最近この町で突然失踪するものの数週間後に何事もなく戻ってきている事件が数件起きた事を聞かされる。その間の記憶は無いらしい。協一郎と懇意の新聞記者高安を紹介され、3人で謎を推理し始める。失踪者の共通点は町を縦横に走るカッパ伝説がある堀で、失踪者は掘り割りに居住していた。そんな時に協一郎の一人娘であり、塚崎の学生時代の後輩にもあたり、京都の料理屋へ嫁いでいた藍子が帰省する。そして、藍子から協一郎の兄夫婦も昔失踪して戻ってきた経歴を持ち、藍子は戻ってきたのは別人だと聞かされる。誘拐され戻された時には元の人間じゃない? 何がこの町で起きているのか? 誰が、何故?
いつも水を蓄え静かな流れを作りながら町を縦横に走る水路は舟での観光や生活道路の役目も持っている。一見のどかそうな水路に何か秘密が隠されていそうであり、ひきりなしに降る雨と相まって水が得体の知れない不気味さを蓄え始めます。刻々と調べが進むにつれ、推理が進むにつれ、浮かび上がってくるものは正体不明の見えない力、人間が対抗できないような大きな力。雨が町を包み込むように降り注ぎ町を飲み込もうとし始めるのだ。…と、徐々に見えない恐怖を感じるの同時にそれを検証する会話も十分コワイです。月の裏側は果たしてぼくらが想像しているようなものなのか? 当たり前に存在しなくてはならないものが果たして当たり前に存在しているのか? いや、見えているものさえ、その存在は確かなものなのか? ぼくらの意志は本当に自分の意志なのか? …こっちの方が数倍もコワイかも知れません。
紙の本
月の裏側
2022/07/18 10:12
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台のモデルは、柳川かな、と思いながら、昔乗った柳川川下りなど思い出しつつ、読んだ。
家の周りの水溜りが、大雨でどんどん大きくなって繋がっていき、道路の水溜りへ、そして堀へと流れ込み、そこにはあれがいて…。
現実的でないし、漠然としたあれの話なのだが、なんだかリアリティがあって、ゾクッとする。藍子がコンビニで事故を目撃した時のことなど、想像すると鳥肌ものだった。
しばらくは、夜の黒々とした水溜りから、何か出てきそうな気がしてしまいそう。
電子書籍
箭納倉の10日間
2020/02/16 08:47
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投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
三隅協一郎、多聞、藍子、高安の四人が巻き込まれる壮大なミステリー。協一郎は何故、多聞たちを箭納倉に呼び寄せたのか…。知らぬ間に自分も彼らと箭納倉をめぐる水路と降り続く重い雨の中にいる。情景が身に染みついたころから、この街で起こる不気味な現象に引き込まれる。自分だったらどのように現実を受け止めるだろうか。
電子書籍
ダークサイド
2017/01/28 19:19
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投稿者:ねこる - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み進めるうちに自分も季節や空気を感じるほど、情景描写がとてもうまく後半は次々読み進めてしまいました。
何かが起こりそうで起きないようで、、『何か』ってのがスティーブン・キングの小説チック。
いろんな解釈がありそうな小説でした。