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みんなのレビュー61件

みんなの評価4.0

評価内訳

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

奇想天外な設定

2020/11/13 23:40

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る

うーむ。設定や言い回しは面白いのだが、物語の展開のテンポが今ひとつ。もっと、読み進めたら、盛り上がってくるのか、中、下巻に期待。

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紙の本

抱腹絶倒の長編小説

2005/10/29 11:45

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GKO - この投稿者のレビュー一覧を見る

私は『吉里吉里人』を全部読んだが、『吉里吉里人』は自分が面白いと思うところだけをとばしとばしで読むのがお薦めである。
やはりこの本でも『ブンとフン』と同じように、井上ひさしが得意とする言葉遊び(ダジャレ)が読みどころである。
しかし、こんなに長い話を読んだのに読後感はそれほどなかった。
最初のほうがおもしろいので上だけ買うのもいいと思う。
中学生でもすらすら読めたので中学生くらいから充分楽しめる。

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紙の本

井上ひさし全著作レヴュー51

2011/03/29 09:02

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:稲葉 芳明 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 1973年から74年にかけ、『終末から』(筑摩書房)創刊号~第8号に一部が連載。未完で終わった後、『小説新潮』1978年5月~1980年9月に連載され完結。
 「ある(註:物語中には明記されていないが、本文の記述から換算すると1971年)六月上旬の早朝五時四十一分、十二両編成の急行列車が仙台駅のひとつ上野寄りの長町駅から北へ向かって、糠雨のなかをゆっくりと動き始めた」ところから、物語は始まる。三流小説家の古橋健二は、奥州藤原氏が隠匿したとされる黄金探しに熱中している元高校教師を取材するため、雑誌編集者とこの夜行列車『十和田3号』に乗り合わせていた。ところが、一ノ関手前で列車は急停車し、そこから古橋は「吉里吉里国」独立運動に否応なく巻き込まれていく・・・。
 井上ひさし一世一代畢生の大作であり、日本文学史上に燦然と輝く金字塔である。そのスケールの大きさと斬新さ、革新性は、音楽で言えばマーラー『千人の交響曲』、映画で言えばコッポラ『地獄の黙示録』に匹敵し、作品の出現が新たなジャンルを創出した超野心作として屹立している。これくらいの大作・傑作になると寸評を書くのも至難の業だが、自分なりにこの破天荒な長編の面白さを解読してみる。
 まず、本作は<シミュレーション小説>としてすこぶる面白い。東北の一つの村が突然独立を宣言し、日本はおろか世界中を相手に虚虚実実の駆け引きをするプロセスは、24時間生中継で実況放送を見ているかのような臨場感に溢れている。無論、日本政府がそう簡単に吉里吉里国独立を承認するはずもなく、最初は搦め手で後には実力行使で独立を潰しにかかるのだが、これに対して幾つもの「切札(ちりふんだ)」を順次出して丁々発止と対抗するこの遣り取りが、実にスリリングである。「農政栄えて農業滅ぶ」日本vs.食糧・エネルギーを自給自足する吉里吉里国、(当時は)脳死による臓器移植を認めない日本vs.ノーベル賞クラスの医師たちが最先端の医療技術を駆使して「医は仁術」の理念を実践する吉里吉里国、円を通貨とする日本vs.「イエン」を通貨単位として独自の金本位制とタックス・ヘイヴンを運用する吉里吉里国、地方から労働力を吸い上げてがむしゃらに高度経済成長を図った日本vs.地方独自の風土に根ざした生活様式を確立する吉里吉里国――。
 陰画としての日本が抱える様々な「負」の遺産を全て「正」に替えてしまうコペルニクス的発想の大転換、そしてそれを達成するための現実的方策・データの裏づけが、これでもかこれでもかと事細かく提示されていく。読者は読み進むにつれ、最初は呆気にとられたこの途方も無い法螺話=吉里吉里国の独立が、実は我々日本国民が目指すべき理想郷=イーハトーボの出現なのではないかと次第に納得させられ、同調し、遂には熱烈に支持している自分に気づく。しかし、ただ単に情報をてんこ盛りにしてプロットを動かすために登場人物が奉仕する凡百の「シミュレーション小説」とはモノが違う。一人一人の登場人物(善玉も悪玉も主役級も脇役も)が丁寧に肉付けされ、皆生き生きしているのが流石である。
 次に<実験小説>としての面白さ。本作は2500枚全28章から成る大作だが、実は吉里吉里国の独立戦争は僅か1日半の出来事である。数十年数百年にわたる攻防を描くのならいざ知らず、たった40時間弱のプロセスを描くのにこれだけ紙数を費やしたというのは空前絶後である。しかもここには、SF・スラップスティック・推理小説・パロディ等々近代小説のありとあらゆる技法が投入され、互いに異化作用を起こしながら巨大な坩堝の中でグツグツと煮えたぎっているかのような、異様な迫力と途方もないカオス感を放出している。
 例えば、主人公(というか正確には狂言回し)古橋の生涯を、物語の流れ(=独立戦争)を完全に無視して延々と語る。記録係(その正体は最後の最後に明かされる)がしょっちゅう物語の中に介在し、神の視点で物語を展開し、読者を好きなように翻弄する。井上ひさしならではの言葉遊びが輪をかけて激しくなり、もはや暴走の域に達している――等々、とても一口では言い表せないが、吉里吉里国同様、井上ひさしも手の内に在るありったけの「切札(ちりふんだ)」を全て曝け出して、この物語の大伽藍を構築している。
 最後に<メタ小説>としての面白さ。独立により、吉里吉里国は所謂ズーズー弁を母体とする吉里吉里語を「国語」とするわけだが、作者は第二章から第三章にかけて『吉里吉里語四時間・吉日、日吉辞典つき』という小冊子を紹介する。この小冊子において、吉里吉里語の音韻・文法体系・語彙を学術的に紹介していくわけだが、これだけでも優に一冊の本にまとまるくらい微に入り細をうがち詳述していく。ちなみにこの冊子には練習問題まで含まれているが、中には「米国英国ニ対スル宣戦ノ詔書」を吉里吉里文に翻訳せよというものまであり(勿論模範解答付き)、作者の凝り症というか徹底ぶりにはもう降参である。
 正直、物語を読みつつ、吉里吉里語に対するこの余りの拘り・執着ぶりに、辟易・うんざりさせられることも往々にしてある。しかし、この吉里吉里語の成立こそが、破天荒な大作を成立させている基盤・大前提である。即ち、日本語を捨てて吉里吉里語を選んだ瞬間、人は、食糧・エネルギーを自給自足する吉里吉里国民となれる。最先端の医療技術で「医は仁術」の理念を実践する吉里吉里国民となれる。「イエン」を通貨単位とし独自の金本位制とタックス・ヘイヴンを運用する吉里吉里国民となれる。地方独自の風土に根ざした生活様式を確立する吉里吉里国民となれるのである。悪人正機説ではないが、南無阿弥陀仏と唱えたら極楽浄土に往生できる如く、一旦「日本語」を捨てて「吉里吉里語」を母語として選んだ瞬間、ヒトは吉里吉里人として吉里吉里国=現代日本版イーハトーボに生きることが可能になるのである。これぞ、ヒトの数十倍数百倍も言葉に徹底的に拘ってきた井上ひさしにしか到達し得なかった究極の「言語小説」と言えるのではないだろうか。
 他にも記したいことは山ほどあるが、この小説の面白さ・凄さは今なおちっとも色褪せていない。というか、久方ぶりに読み返してみて、こんなに凄い小説だったのかと改めて井上ひさしの偉大さに平伏すのみである。

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紙の本

入手がどんどん困難に。興味ある人はお早めに(その1)

2010/09/16 09:25

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 井上ひさしさんが好きである。親や兄弟も好きだったため,高校生の頃から読み始めた。実家には今でも著作があり,私の手元にもちょっとしたコレクションがある。
 そんな訳で,書評で紹介しようと思ったら,なんと多くの作品は既に入手不可。最近,本屋に並んでいないとは気付いていたのだが。
 この書評を書いた時点で,「吉里吉里人」のビーケーワンでの入手可能日数が,7から21日の取り寄せ。慌てているところである。手に入る作品の中から,他にも何作か紹介したいので,順番にレビューしたい。
 もちろん,全集で読めばいいんだろうけど,私は電車で読む派。正直言って,文庫じゃないとちょっとキツい。同じ境遇の人の手助けとなれば幸いである。

「吉里吉里人」は東北の寒村が日本から独立する物語。日本SF大賞受賞作。独立の要件として,医学立国が役割を果たしている部分があるため,確かにSF的要素はある。しかし,ジャンルの枠をはめることが,この作品には何と似合わない事か。独立のカードはそれ一枚じゃないし。日本SF大賞を悪く言うつもりは全くないけれど,それだけ大きい作品と捉えてほしい。今なら,幅の広い本屋大賞あたりが妥当な気がするが,当時はなかったのだからしょうがない。

 特筆すべきところは多い。文章表現のテクニックとして,方言のオンパレードや,しつこいまでの擬態語・擬音語が目を引く。内容も,幸せな暮らしに対する提言的な要素や,現代日本社会の風刺などが見え隠れする。私は,独立騒動を通して,各個人の自我の構築の端緒を感じ,密かに憧れの気持ちが生まれた。
 もっとも,そんなことは些末な話。分析する事がアホらしくなるくらい,全面娯楽小説なのである。朝の通勤電車で笑えないのは苦痛である。手で口を多い,周りに不審がられないよう必死の戦いである。
 ぱっと見では,かなり分厚くて尻込みしてしまう。また,方言の連発で読みにくそうなことといったら。しかし,一旦読み始めると,時間の過ぎるのが何と早い事か。所詮は日本語,上巻のある程度まで読めば,方言はあっという間に違和感がなくなる。しかも,「方言」などと称することも憚られ,「吉里吉里語」を解する事に快感を覚えるのである。

 私は,この本のおかげで何回か電車を乗り過ごした。目はばっちり冴えている。今,きりが悪いからここまで,いや,もうちょっといけるかな,次の段落はそこか,などとぐずぐずやっているうちにやられるのである。二駅乗り過ごした時はさすがにへこんだ。折り返しの電車に乗って,次の駅でも到着しないのは,本当に悲しくなる。もちろん,折り返しでは本をカバンに入れ,半泣きになってつり革にぶら下がっているのである。

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