紙の本
<家>というものの意味をじわっと考えさせられます
2011/10/13 21:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
東十条の古い木造住宅を舞台にした叙述ミステリー。
天井ってあるので「幸福荘」っぽいんだけど、たしかに、ぽい、んだけど、今回は普通の2世帯住宅ってところがポイントなのである。
大家で1階に住む変り者の老女。そして、2階に住むワケありの女。
二人を中心に、それぞれを訪問する都の職員や友人が、物語をフクザツにしていく。
もう、折原一なので、どんでん返しがあるんでしょ。時間軸も、実は曖昧なんでしょ、とかまえて読んでるんだけど、うまいことやられてしまうのである。
にしても<家>って怖いね。
まぁ、家が自分の戻る場所であり、居場所であり、起源でもあるという要因が、この悲劇的なドタバタを産んだのだろうなと思う。
うん、結局のところ<家>は、人の存在理由の起因となるものなのかもしれない。
というのを、ほんのり考えさせられたのであった。
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春日武彦先生の「家屋と妄想の精神病理」の中でオススメされてたので読んでみたけど???な箇所があって分からず終いだったのでもう再読しようと思いました。
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2010/12/13〜12/15
久しぶりの折原作品。
東京北区に一人暮らしをする土地持ちの老女の家の2階に、夫から逃げてきた白瀬直美が住むことになる。老女は、かつて直美の住んでいた部屋で密室殺人の発見者となっていた。この老女は訪ねてくる区役所の役人に、天井男に監視されている、と訴え続けるが...
いつもながらの、多視点からの語りが中心で、倒錯の世界に引きずりこまれてしまう。最後の展開は多少読めたが、予想より一段多かった。複線も見事。
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夫から逃げ出してきた女が住み着いた家の大家。
その奇妙な大家の家に訪ねてくる公務員。
そして大家が恐れる天井男。
彼らの視点で代わる代わる半紙が進んでいくのですが…。
最後の方になって、やられた感がすごくあります。
これだから文章だけというのはすごいです。
とはいえ、最後の最後のあれは…もしかしなくとも2回目??
どちらがやり終えたのかは気になります。
ところで、出てきたお友達は最後のためのもの。
…なのでしょうか??
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古びた木造二階家に住む老女。他人との干渉を避け、密かに暮らす。知られてはいけない秘密が。さらに唯一訪ねて来る区の職員に「天井男が私を監視している」と訴える。こらは老女の妄想か?
天井裏、一階、二階とそれぞれからの視点で物語りは進められていく。
ラストには読者をうならせる事実が・・・。
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「倒錯」シリーズの姉妹編。東十条というところはたいへんなところですね。天井男という発想が秀逸。『螺旋館の奇想』も同じシリーズ。おもしろい。
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東十条の古い木造住宅を舞台にした叙述ミステリー。
天井ってあるので「幸福荘」っぽいんだけど、たしかに、ぽい、んだけど、今回は普通の2世帯住宅ってところがポイントなのである。
大家で1階に住む変り者の老女。そして、2階に住むワケありの女。
二人を中心に、それぞれを訪問する都の職員や友人が、物語をフクザツにしていく。
もう、折原一なので、どんでん返しがあるんでしょ。時間軸も、実は曖昧なんでしょ、とかまえて読んでるんだけど、うまいことやられてしまうのである。
にしても<家>って怖いね。
まぁ、家が自分の戻る場所であり、居場所であり、起源でもあるという要因が、この悲劇的なドタバタを産んだのだろうなと思う。
うん、結局のところ<家>は、人の存在理由の起因となるものなのかもしれない。
というのを、ほんのり考えさせられたのであった。
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最近の本らしいけど文の雰囲気がものすごい昭和チックなかんじがします。メールって言葉に違和感おぼえるぐらい。
ちょっと最後ごちゃごちゃしすぎたかな・・・。
自分の読解力のなさのせいだろうけど。
ラスト50ページは一文一文注意深く読んでいかないと混乱すると思います。
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最後まで読んでもよくわからない箇所があったけど、読み返したくない。
延々、生ゴミと腐乱死体の臭いの話が繰り返されて、読んでて気が滅入る。
登場人物も全員気色悪い。
作品への関心を保てず、だから結末も(ああそう……)ぐらいにしか思えず。
その辺は好みの問題なので、叙述ミステリとしては良くできているんだと思う。
雰囲気がハマるなら読んで損無しかな。
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屋根裏部屋の散歩者を彷彿とさせるタイトルな上に倒錯と来たら、もう買うしかないのですよね!!1
老女が大家さんの古いアパートに暴力旦那から逃げてきた女性が入居。
2階に住む女性と1階に暮らす老女の視点+天井男の視点で物語は進むのです
1階の老女の部屋の天井に住む謎の男。
つまり2階に住む女性の床下での生活。
市から派遣され、アパートを訪れる男性と、老女と女性。その3人の関わり。そして追ってくる暴力旦那。
登場人物は概ね5人なのですが、ストーリーはなかなか整理しづらい展開へ
おや……?
あれ?
あれれ……?
と読んでて段々と首をひねりたくなるのですよね
齟齬は分かるのです
違ってきてる、ズレてきてるのは分かるのですが、どこからどこへ繋がっているのかが分からなくなってしまうのです
ちゃんと最後は繋がりが見えるのですけど、読み終わったところで全てがスッキリする分けではなく
想像して補う部分や、解説サイトを覗きながら読了を楽しむ感じなのでした。
なかなかスッキリ行かなくて不思議な気持ちになるのは、やっぱり折原。唸るのですよ。
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最後の最後まで…え?どういう事?の連続なのに、その都度の状況は分かりやすい。それぞれの場面が分かりやすいがために、え?え?
それが堪らなく面白かった。
ラストの種明かし?は想像を越えてきた。
やっぱり折原一さんはクセになります。
天井男の言い方もなんか良かった。