紙の本
人生の深淵な意味とは
2016/05/25 18:04
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投稿者:親譲りの無鉄砲 - この投稿者のレビュー一覧を見る
意識とは脳神経の電気的神経興奮によって生じるものである、と、世の現象すべてを唯物的に還元できると信じている科学者たちの御多分に漏れることがなかった著者が、自身の臨死体験を経て、精神世界の先達が語った「あの世」の実在を確信した。この信念的な「事実」は、しかしながら、いくら著者の肩書が優れて科学者としての地位を保証するものであっても、「科学的」に証明することはできない。それは、著者の説明能力不足によるものではなく、現代科学には「適用限界」が厳しく設けられていることによる。科学者の持っているツールは意識の世界を対象にしようとすると恐ろしくみすぼらしいものでしかない。MRI等の近代医学が頼っている医療設備が、如何に高価なものであっても、物理的なセンサーの塊にすぎなく、意識の世界には一歩も肉薄できないのが現状だ。この点は割と見落としがちである。現代は、科学こそが、無神論をベースにしたオールマイティの宗教に陥りやすいのである。
ただし、凡百の世の科学者たちと著者はちょっと違うようだ。自身が罹患した細菌性髄膜炎で物質的に脳がダメージを受けていたにもかかわらず、「意識があった。そしてあの世と呼ばれているようなものを体験していた」と思い出した事実を、最先端の医学の常識を総動員しても説明できない、と結論付けた点には、著者の誠実さを十分感じせしめる説得力がある。彼にとっては、もしもそのまま死んだとしても自分の意識は継続したに違いない、と確信させるだけのものがあったということであり、他人にとやかく言われても、その信念はゆらぎないものなのであろう。
恐らく、この本に書かれている「あの世」の情景とかは、必ずしも直接的な体験のみから叙述されているものではなく、この衝撃的な体験ののちに精神世界について著者なりに例えばロバート・モンローヘミシンク等色々勉強した成果も反映・再構成されているに違いない。しかし、それ自体は致命的な問題ではない。人は自分の人生に意味を求めるものだ。本書のラストに語られた、「あの世」を発見したことによる未知なる人との出会いのエピソードは、間違いなく彼の人生に美しい彩りを添えているはずである。それが、神は臨在し、天国は存在し、人生は深淵な意味を持つ、という転回的かつ絶対の信念を持つに至った大きな根拠になっていると思われる。それでいいではないか。読者には、読者の人生がある。この本から影響を受けても受けなくても、それぞれの人生がそれぞれにある。
紙の本
生真面目な印象
2016/01/27 15:38
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投稿者:mm - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳神経外科医が書いているのが納得です。出来るだけ自分の体験を正しく伝えようという心意気が伝わってきます。それが私にはかえって読みづらかったですが。
死後の世界を語った本でしたら「死後の世界を知ると人生は深く癒される」もお勧めです。
電子書籍
天国か極楽か
2018/05/11 11:02
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
臨死体験は脳神経外科医にすら科学を超越した霊的世界を見せるということを通して、臨死体験と普段我々が見る夢の本質的な違いは何だろう?という疑問を抱かせてくれた一冊。
紙の本
死を考えることで
2017/05/04 04:02
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめて生命の意味が見えてくるのかもしれない。高い知識と理性を持った脳神経外科医でも、迷ってしまうことを感じた。
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現代人らしい唯物主義よりな意識を持っていた脳神経外科医が、自身の臨死体験を赤裸々に綴ったのが本書である。
自身の体験を盲信せず、医療従事者である友人知人や関連書籍を使って現代化学・現代医学に根ざした客観的視点も取り入れているのが新しく、また、その検証の結果、医学的・化学的に説明できる臨死体験と説明できない臨死体験があることが明らかになったというのが面白い。起きた事実を認め、しかし盲信することなく客観的に検証する。これこそ正しい科学的なアプローチだ。事実を検証することなく「あるわけない」と全否定する、または仮説に合うように事実を捏造するなど、きわめて非科学的だ。
最近に「天国の存在が“科学的に”証明された」という内容の短編を読んだが、いずれは死後の世界の実在が“科学的に”証明されるかもしれない。本書を読んでそう思った。
生命維持活動が止まる(死ぬ)と、中にある魂魄の内、“魂”の方は行くべき所に行くらしい。その行くべき所、“死後の世界”は果たして実在するのか。我々は死後も自身を自覚できるのか。本書は、永遠に問われるこの疑問に対する答えの一つかもしれない。死後の世界の実在に肯定的な人も否定的な人も、読めば新たな刺激になるはずだ。
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図書館の本 読了
医者が精神世界を避けて通れなくなるのがこの本のかちなんだろうなぁ。
死後の世界なんかは西洋の方がハードル高いのかも。
彼は自分の体験したことを検証して行くんでしょうね。
Proof of Heaven by Eben Alexander
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脳神経外科医が体験した臨死体験。全体的に文章が堅苦しい感じで読み物としてはちょっと退屈だったな。でも内容は興味深いものでした。
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脳の本はろくなのがない、というか自分にはどうもあわないので、もう読むのをやめよう、と思っていたのだけど、やっぱり気になっちゃう。
臨死体験完全否定派だった高名な脳神経外科医が脳の病気で昏睡になりながら回復し、その間に体験した霊的な話と、現実世界で起きていた治療や親族の心の動きなどを描いている。
人の心に何があっても僕は驚かないが、むしろこの場合、臨死体験よりも、通常なら死、そこに至らなくても元通りに回復はしないはずの病状を脱しているのが超自然現状な気が。
臨死体験と脳という、どっちも苦手キーワードで(だったら読むなよ)、これを正面から受け止める度量はない。
では読み物としてはどうか。章は短くてきぱき進むようでいて、似た描写の繰り返しのように思えてしまう。
死語の世界が高度な感情をもつゆえのものだとすれば、そこには虫も鳥がいない、沈黙の春ではないか。
著者による臨死の考察は、もともと科学至上主義だっただけに興味深いけれど、時折僕の手の届かないところに進んでしまう。
でもまあ、わからないことを読んでこその読書じゃないか!
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信じようと信じまいと、そんなこととは関係なく、死後の世界はどんな人間にも確実に存在しているのではないだろうか?
ただ、それがどんな形でどんな風にあなたの元へやって来るのかは、他人には永遠に分からない。それだけは真実だ。
この本の著者は長らくハーヴァード大学メディカルスクールで脳神経外科医として教鞭をとりながら、研究と治療を行ってきたベテラン医師。その著者が全く予期せぬ形で突然の奇病に侵され、丸一週間、意識を失い生死の境をさまよった。その際に体験した神秘的な「臨死体験」の記録(ノン・フィクション)だ。
発売後、賛否両論の渦の中、全米のベストセラーとなった作品。キリスト教を信ずる者には天国が見え、仏教を信ずる者には極楽が見えるってことだろうか。
洋の東西を問わず、えも言われぬ美しい風景と音楽、そして天使や天女、懐かしい人々に囲まれるという点で、「臨死体験」は共通しているようだ。
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プルーフ・オブ・ヘブン。これを訳すと「天国の証明」なんですよね。
脳神経外科医師の著者が自ら体験し、
自らの状況を検証して書くから真実味が増します。
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臨死体験をした医師が、そこで知った世の中の真理「愛されること、無条件の愛」を広めるという使命感を持って書いた本。
脳の「再起動現象」で脳髄炎から回復するときの体験(p231)という説が、従来の自分の考えでは納得しやすい。しかし、誠実な表現で描かれる高次元の世界、科学的に捉えようとする視点もあり、「これが人生の謎を解く答なのかもしれない」と素直に受け止められる。
タイトルは、キリスト教よりなので、著者の当初の案「エヌ・オブ・ワン」の方が良かった。
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脳神経外科医が自らの臨死体験を赤裸々に語ったベストセラー。医者あるいは科学者として、事実として観察できたことを忠実に記録したものであり、推測や勝手な解釈は極力排除されている。結論として、この宇宙には、物資世界と精神世界が並存することを伝えようとしている。経験した臨死体験を理解するのに、モンロー研究所が開発したヘミシンクが助けになったとの記述や量子物理学者が解き明かそうとしてきた宇宙物理にまで話が及んでいることに興味を覚えた。
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2012年10月、ニューズウィーク誌はセンセーショナルな見出しを表紙に掲げた。「死後の世界は存在する」
この特集記事は大きな話題となって全米を賛否両論の渦に巻き込み、今なおその真偽を巡って活発な論議が続いている。
日本ではまったく無視されたこの話題の中心人物が、脳神経外科医エベン・アレグザンダー。
一週間の昏睡状態に陥った彼は臨死体験で、死後の世界を見たというのだ・・・・。
細菌性髄膜炎に侵された彼は、完全に大脳が機能しない状態に陥る。
通常、臨死体験とは心肺停止状態に陥った時に体験するものであり、その時脳の活動は完全に停止していない。
多くの学者は臨死体験は大脳の活動によるものだとしている。
しかし彼の体験はそれが当てはまらない。思考を司る大脳がまったく機能していなかったからだ。
果たして、彼が見たものは一体何だったのか?
天国と思われる世界の克明な描写。
その世界で彼はある女性に会う。
彼女はその世界を支配するルールについて教えて、また彼が疑問に思っていることについて、様々なメッセージを与えてくれる。
奇跡的に彼が意識を取り戻してしばらくたった後、彼はある写真を見て驚愕した。
そこにはある女性が写っており、それはあの世界で会った女性と同じ顔だった。
そしてそこに写っているのは、今まで会ったことも見たこともない、先に亡くなっていた実の妹と知りさらに驚愕する。
(彼は生まれてまもなく別の家族の手によって育てられた)
はたしてその世界で会った人物は彼の妹だったのか?本当に死後の世界は実在するのか。
全米200万部を突破し、数週間にわたってアマゾン1位となったエベン・アレグザンダー自身によるこの著書は、自身の臨死体験を最新の科学的、医学的観点から客観的に検証している点においても、他のオカルト本とは完全に一線を隔している。
死後の世界を否定してきた著者が、一転して永遠の生命と神の実在を信じるようになった描写が大変興味深い。
オカルトと呼ばれる世界にも科学のメスが入りつつあるのだろうか。
興味深い一冊である。
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著者である脳神経外科医自身が大腸菌による髄膜炎を発症し、その自らの生死を彷徨う状況から見事復活を果たし、その際の臨死体験を記録したもの。
他のさまざまな臨死体験者よる、その体験談と自らの体験自体の類似性を見つけ、いままで自らの超現実主義的考え方自体を見直すに至る。
人の精神とはコンピューターの電子信号の伝達に類似したような物という単純な例えは間違っており、より高度な機能を持った臓器ということになるのだろう。
『臨死体験を通して、人にはこの世界で体験していることをつぶさに記録している未知の部分があり、記録作業はきわめて幼いうちから行われていることが違いないことがわかった』まさに、『三つ子の魂百まで』である。
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脳神経外科医が体験した臨死体験。意識とは脳の活動であるから今まで臨死体験を否定してきたにもかからわず自分が病気で倒れ臨死体験をしたという話。高次の次元があり、高次の次元では全方向性で時間が流れない(前後の区別がない)がこの世では時間が織り込まれて時間の順序があるという。