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みんなのレビュー27件

みんなの評価3.8

評価内訳

27 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

日本の子供の7人に1人は貧困、という重い事実

2008/11/13 15:18

18人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:越知 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 このところ社会の貧困に関する書物がよく出ている。それも無理からぬことだ。新自由主義の浸透によって勝ち組と負け組の差が大きくなり、下層に属する人たちは最低限の生活すらままならなくなってきているからだ。そうした実態を明らかにする本の一冊が、子供の貧困に焦点をあてた本書である。
 著者は神奈川県職員として長らく福祉関係の仕事をしてこられ、2年間アメリカの大学院に留学して、かの地の児童保護局などでもインターンとして働いた実績を持つ方である。本書ではその経験と知識を活かして、アメリカの子供たちの貧困にも多くのページがさかれている。
 まず、貧困という場合、どの程度の収入なら貧困かという問題がある。本書に掲載されているのはOECDの統計による数値だが、それによると、貧困とされるのは親子2人世帯では可処分所得で年収195万円以下、親2人子2人世帯では276万円以下と設定されている。
 その結果どうなるかというと、日本の子供の貧困率は14,3%。OECDが調査をした26カ国中では悪い方から数えて第10位である。ちなみに最悪はメキシコの27,7%、ワースト2位は21,9%のアメリカである。逆に最も貧困率の低いのはデンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンといった北欧諸国(2~4%程度)。フランス、ドイツ、オランダなども日本より低いが、英国、イタリア、オーストラリア、カナダは日本に劣っている。
 メキシコは中進国だから貧困率が高いのも分かるが、超大国アメリカの子供貧困率が高い(上記の数字から分かるように子供5人に1人は貧困)のは、著者も指摘しているように、アメリカという国の歪みを示すものと言うしかない。もっともアメリカはこれでも以前(1980年代)よりは貧困率が下がっている。実は1980年代以降、世界の主要10カ国の中で子供の貧困率が一貫して上昇している国は、日本とニュージーランドだけ、という事実も本書では指摘されている。すなわち、大部分の先進国が子供の貧困を減らすべく社会的な努力を行ってきたのに、日本は逆だったということである。
 さて、子供の貧困の主要な原因はどこにあるのだろうか。両親がそろわず一人親(母子家庭、父子家庭)、というケースが多いことを本書は指摘する。一人親の子供の貧困率で言うと、日本は主要国中ワースト1位、OECD加盟国全体でもトルコに次いで第2位である。
 では、これらの一人親家庭は、親が働いていないから貧困なのだろうか。そうではない。日本の一人親は他国に比べてちゃんと働いている。母子家庭に限って見ても83%の親が就労しており、これは英国の40%、イタリアとアメリカの70%より高く、スウェーデンとほぼ同じ率だという。ならばなぜスウェーデンの子供の貧困率は低く、日本は高いのか。それは正規雇用かそうでないかの差である。スウェーデンの一人親は3分の2強が正規雇用であるのに、日本では40%以下でしかない。日本の一人親家庭の年間就労収入はわずか166万円だという。すなわち、最近の若者が新自由主義の浸透のために正規雇用がなされずワーキングプアになってしまうのと類似の状況があるわけだ。
 そして、子供や家庭に対する社会支出を対GDP比でどの程度行っているかをOECDの調査で見るならば、日本はわずか0,6%であり、メキシコ、アメリカ、スペインに次いでワースト4位である。ちなみに北欧諸国はいずれも3%を越える支出をしており、日本の5倍以上となっている。
 本書は以上のように具体的な数値を挙げつつ、日本が子供や家庭への社会的支援においていかにお粗末であるかを明らかにしている。また、著者の仕事上の体験談も紹介されているので、貧困の実態が具体的に分かるようにもなっている。
 なお、よくある俗論に、アフリカなど食物もろくにない地域に比べれば日本の貧困などたかが知れている式の言い分があるが、先進国にあっては身近な人々の平均的な暮らしとの差異が人間の生きる意欲にきわめて大きな影響を与えることが分かってきており、先進国の貧困には独自の基準を設けないといけないという貴重な指摘もなされている。
 ちなみに本書によると、日本ではこの方面の研究が必ずしも進んでおらず各種データも揃っていない。学問の基盤をしっかり整えて、データをもとに社会的な施策を行う姿勢を確立しないと、日本は先進国の地位から早晩滑り落ちるだろう。OECDの数値を最初からバカにするような輩は、知性とも政治とも無縁の徒と言うべきだろう。
 最後に、日本の教育関係財政支出(対GDP比)が先進国中最低に近いという指摘に対して、子供一人当たりで計算すればむしろ高い方だとする財務省の見解を真に受けている人もいるようなので、ここでその妄言ぶりを明らかにしておく。すでに文科省もデータを挙げて反論しているが、子供一人当たりの支出が大きく見えるのは、日本で少子化が急激に進んでいるからだ。平成元年と平成16年度を比較すると、日本の義務教育生徒数は30%も減少している。一方教員は高齢化により全体として高給化している(つまり人件費がかかる)ので、見かけ上は児童一人当たりに沢山の公金を使っているように見えるに過ぎない。私が『真贋の洞察』書評で紹介したデータを見れば分かるように、1クラス当たりの生徒数でも日本はOECD加盟国中で韓国に次いでワースト2位なのである。財務省の見解は日本の少子化を放置し、いずれ年金などが破綻する道を拓くものでしかない。天下の秀才が集まっているはずの財務省に未来を見通す能力がないという事実を見ると、日本の将来に暗澹たる気持ちを抱かざるを得ないのである。

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紙の本

教育論と貧困論、所得再分配論をまぜるな

2008/11/19 01:28

27人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

こういう馬鹿な本を喜び勇んで紹介してくれる人がいるんで、私も書評の書きようがあって、正直、楽しい。この本を読んでいるとなんだか非常に日本が悪い国、不幸な国、貧しい国のように思えてきてしまう。日ごろ、こんなに豊かで、こんなに幸せで、こんなに平等で、社長と新入社員の給与格差が少なくて、いい国はないと、朝起きるたびに、外を歩くたびに思う私の実感とは正反対のことがこれでもかこれでもかと書いてあるので、不思議な気持ちで本書を読んだ。

冒頭出てくるのは、あの、例の、近頃流行の、「相対的貧困」なるケッタイな、と、いうより、ほとんどウソの概念である。これは国連やOECDが好んで用いる概念だが、牽強付会も甚だしいもので、こういう自分にだけ有利な基準をひねり出して自己正当化するのが欧州人の悪しき風習で、こんあものを真に受ける日本人は、はっきりいって、ただのバカか、何か別の意図をもった運動家の類と私は断定する。欧州人の牽強付会を真に受けていけないもっともよい例がCO2削減問題だ。京都議定書は1990年を基準としている。あれは東ドイツ等の旧東欧圏にあった毒ガス工場同然のおんぼろ工場までをもEUの内数とし、それらを閉鎖すれば直ちに莫大なCO2を欧州がしたかに見える、ほとんどインチキが含まれた基準なのである。それをアル・ゴアの馬鹿が締め切りギリギリになって方針転換したものだから、日本が巻き添えを食って急きょ承認したものだから変な話になったのである。本来、世界で最も省エネが進み、最も効率的な経済は日本なのにである。

相対的貧困とは、要するに偏差値の概念だ。ここに偏差値76の開成高校と偏差値35の龍山高校があったとする。開成の平均偏差値以下の学生は400人中200人いるが、そこは腐っても開成で、彼らの大半は早稲田、慶應、MARCHにはらくらく合格でいる。ただ東大に進学できないだけだ。これをさして「落ちこぼれ」というだろうか。東大に落ちて早稲田政経に進学したからと言って、落ちこぼれと呼ぶことが正しいことだろうか。龍山高校ならトップ中のトップでも早稲田は勿論、MARCHですら進学できな時にである。早稲田にしか進学できなかった開成高校出身者を「落ちこぼれ呼ばわり」するのは龍山高校の生徒たちに失礼であろう。これと同じことが「相対的貧困」には言えるのである。だから、絶対的貧困がなくなった先進国で、貧困問題をどうしても論じたい人がいて、それがヘンテコ概念を振り回したくなる気持ちは分からないでもないが、それは、やっぱり間違っている。

後半は、純粋なる「貧困問題」が論じられている。確かにこういう面はある。「貧すれば貪する」と古人はいった。確かに貧困になれば、子どもの教育がおろそかになり、貧困の再生産が繰り返される面はある。しかし、じゃあ、どうすれば解決するかといえば、解はないのである。19世紀、救貧活動が開始され、家が持てない貧乏人に家をくれてやるという試みがなされたことがある。当時の慈善家の気持ちとしては、貧乏人に住む家をくれてやれば、貧乏人はこれを多として心を入れ替え、精勤に励み、やがて貧を脱してまっとうな人間に戻れると期待したのである。ところが、あにはからや、蓋を開けてみると、貧乏人はいただいた家にラッキーとばかり居座って、相変わらず貧しいままであり続け、かえってスラムの定住者となったという。足の悪い老人を車いすに乗せると本当に歩けなくなってしまうという話もある。老人が「あると足が痛い」と泣き言をいっても心を鬼にして歩き続けさせないと、かえって事態が悪化するというこもあるのだ。

あと、本書では丹念に(執念深く偏執狂的に)日本やアメリカの暗黒面が探求されているが、じゃあ貧困率が低い北欧諸国が幸せいっぱいで社会問題がいっさいないのかといえば、さにあらず。この本を読めばわかるように幸せなはずのスウェーデンは行き過ぎた男女平等が災いして家庭が崩壊し、子育てが崩壊して、すさまじい犯罪大国になっている(情緒不安定で孤独感にさいなまれ犯罪に走る大量の青少年が生まれている恐ろしい国にスウェーデンはなっている)という声もあり、インターポールの統計をそれを裏付けているのである。偏執狂的な調査がお好きな著者には、ぜひともスウェーデンやフィンランド、デンマークが抱える社会問題、青少年問題についても掘り下げてもらいたかった。

日本では公立高校が崩壊し、中学受験がブームになっている。なぜ公立の進学高校が首都圏等で崩壊したかというと「ただの公立進学校に金持ちの子弟が集い、それがただの東大一橋京都大にすすみ不平等の拡大再生産がおこなわれている」という不平等論があったからである。今、望み通り、金持ちは子弟をカネのかかる塾に通わせカネのかかる私立の中高一貫校に通わせることになったが、その結果、格差はさらに拡大し広がるようになったが、これ全て「教育の機会均等」を叫ぶ悪平等主義者が日比谷高校北野高校以下の公立進学高校をつぶしたからである。社会政策と教育政策を混ぜると、かえって不平等は拡大するものなのである。どんなに制度を変えようと教育熱心な金持ちの優位は動かない。これは所与の前提条件であまねく受け入れねば話は始まらないのである。両者をまぜることは危険だ。やめろ。

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2010/01/07 20:40

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2010/05/01 22:43

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2008/09/21 00:17

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