紙の本
ニーチェというと難解、気難しい、あまり触れたくない
2008/11/01 07:56
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
ニーチェというと難解、気難しい、あまり触れたくない、というネガティブなイメージがあります。
しかし、本書では身近な例や著者の体験から、その思想の一部を分かりやすく紹介してくれています。
以下、気になったところ・・・
「おのれの友のうちに、おのれの最善の敵をもつべきである。」
切磋琢磨する存在としての友でなければ、そもそも無駄であるということです。現代は人間関係が希薄な時代です。そのなかで、これを実践するのは大変かもしれませんが、自分が成長するために不可欠なのです。
「この瞬間を見よ」
一瞬のチャンスに賭ける感覚が必要ということです。日常を漫然と生きるのではなく、チャンスと見たら果敢にトライすること。これも勇気がいることです。
「肉体はひとつの大きい理性である。」
理性を肉体で捉えるという考え方は、古くて新しい。それぞれの道を究めると、こうなるらしいです。
「血と寸鉄の言で書くものは、読まれることを欲しない。そらんじられることを欲する。」
ただ漫然と本を読むだけではだめ。暗記してはじめて自分のものとなるということです。自分自身も、やや反省するところありです。
「君たちは君たちの感覚でつかんだものを究極まで考え抜くべきだ。」
与えられたものに囲まれて生活することのむなしさを表現しています。そのような人を彼は“畜群”と呼びます。自分自身の感覚で物事を捉え、創造して行く生き方を求めているのです。
どの言葉も現代の快適な生活に慣れてしまっている私たちには、「厳しい」言葉です。
でも、人間として充実した人生を生きるためには、このような姿勢で臨まなければなりません。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
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なんか、「なんでこっち行っちゃったんだろう」と感じる空しい本。
平積みになってたのでなんとなく買っちゃったが、斉藤孝先生の「ニーチェは素晴らしい」「私はこんな風に参考にしてる」を聞かされるだけのなんかイマイチな一冊。
あんまりニーチェの考え方も好きになれなかったりする。肩がこる。疲れる。
仏の教えの方がはるかに緩くて暖かくて根源的で好きだ。
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伝統や既成概念を打ち壊したニーチェのことばは、迷う心に寸鉄のように突き刺さる。真っ正面からの生き方を説いた痛快な古典『ツァラトゥストラ』で、現代の「壁を突破できない」ちまちました生き方を吹き飛ばす。
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ニーチェ、読みたいけど何をどう読んだらいいかわかんないなー、と思ってとりあえず買ってみた。
著者のノリはあまり好きな感じではないけれど、
とても読みやすかったのと、次につなげる切欠を作ってもらった感じです。
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ニーチェは好き。大元を読み返そうか。
押しくらまんじゅうの例えは良かった。孤独になることの効用。
要約して分かったつもりになるのはよくない。
「ああ、あれね、〜ってことでしょ」という姿勢には
気をつけないと全く血肉になってないことと同じだ。
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「ニーチェに触れると、心の垢がみるみる落ちる。克己心を煽られ、飛ぶ矢のように生きてみたくなる」という著者が、「ツァラトゥストラ」を中心に言葉を拾い上げ、ニーチェ的生き方を示している本。
ニーチェの思想ってかっこいい!!
確かに、著者出演CMや著書の引用など自身の話にもっていきすぎな面はある。しかし、ニーチェの思想を著者がどのように生かしたのかが分かり、「憧れに憧れる」作用は十二分に働いた。
■君は友にとって、超人を目指して飛ぶ一本の矢、憧れの熱意であるべきだから
■友への同情を堅い殻の下にかくすがよい。それを噛めば、一枚の歯が折れるくらいに堅くなければならない。そうであってこそ、君の同情は、こまやかな甘美な味をかもしだすだろう
ニーチェ的な考えの人って和とか序列とかを大切にする日本では若干浮いちゃうんじゃないかと思うけど、そういう生き方ってかっこいいなと思った。
雄一
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「退屈力」をじっくり読んでる合間に読み始めたら、なんとなく全部読んでしまった本。新書を1日で読み切ってしまったのは初めてかもしれん。
別に大幅に読み飛ばしたワケでもないし、線も引きながら読んでいったんだが、如何せん内容が重い。そもそもニーチェの思想にリスペクトされている氏が、その良さを広めようと書いた「抜粋本」であるから、内容そのものはニーチェの思想を並べたものであり、それに対してコメントなり補足・付随事項を書いている。
「憧れの矢となれ」「ちまつくな!」など、面白い内容も多数入っているのだが、個人的には全体的に重すぎて、とても精読できるものではなかった。多読を以って勢いで読んでしまった本である。
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昔、大変面白く読んだ
「声に出して読みたい日本語」の齋藤孝先生が、
ずっと前から関心があったけれど、
ちょっと難しそうで「敷居の高かった」
ニーチェに関するものを書かれていたので、
先生らしい明確な語り口の「判りやすい解説」に期待して、
ニーチェの、細かく言えば
「ツァラトゥストゥラ」の入門書として読んでみた。
「声に出して」の時より読者へ向けて投げかけられてきた
齋藤先生の強いエネルギー、
自分の思い入れの強いものに関して語る時の勢いの良さや
自分の伝えたい事を相手に語りかける際の
「熱い口調(文体)」は健在。
そしてそんな彼の「熱」の源は、
何十年も前よりこつこつと地道に重ねられてきた、
己の研究や研鑽によって蓄積されてきた
膨大な知識量である事を実感した。
本作だけで満足してはいけないのは自明の理である。
読者にパワーを与えてくれる言葉が沢山書かれていて、
ニーチェが今まで以上に近づいた、
と思わせてくれるけれど、あくまでもこれは
齋藤先生の中にある「ニーチェ像」に過ぎない。
読者自身が、ニーチェが命を削るように、
己の体内に流れる熱い血で書き綴るようにして
書いた著作を読んで、
そこから彼の言葉、叫びを聞き、
自分の血肉にしなくてはいけないと思う。
たとえ何年も時間がかかっても
「ツァラトゥストゥラ」を完読したい。
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楽しまないことは罪である
「たまたまそうなった」という偶然を、ニーチェは信じない。過去が現在の原因であるように、未来に何かが起こるには、今この瞬間が原因となる。その連鎖が永遠につづいていく。だからニーチェにとって、生きる上での出来事で無関係なことは一切ない。生はすべて必然となるのだ。
今この瞬間を必然だと認めるということは、すべての偶然の堆積こそが必然だったと捉えることである。すなわち、生の全肯定の思想が生まれる。ことばを換えれば、「今この瞬間を精一杯生きよ」ということだ。霊魂は生き残るから、今はどうでもいいという、現世軽視の考え方を、彼は厳しく批判する。この瞬間に、よく笑い、よく食べ、よく生きること。それが彼の理想だった。
独創的なニーチェ思想を支えているのは正反対に、ものすごくトレーニングされた知性なのである。膨大な量の学習を積み重ね、必死で頑張ったからこそ、今の自分の思想がある、ということを、彼はよく理解していた。
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ニーチェの導入書。
斉藤孝氏の解説がわかりやすく、むずかしく敷居の高い哲学書の導入として秀逸。
「君は君の友のために、自分をどんなに美しく装っても、装いすぎるということはないのだ。なぜなら、君は友にとって、超人を目指して飛ぶ一本の矢、憧れの熱意であるべきだから」など、突き刺さる言葉がいくつかあって刺激的でした。
友に上を目指す同志が欲しくなりました。
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■本の内容・特徴
ニーチェを敬愛する斎藤氏が、ニーチェ作品の中から読み解く言葉の数々。
■目的
ニーチェ関連本。
■感想
斎藤氏の著書を今までに何冊か読みましたが、とても情熱に溢れている人だという印象がありました。この本で、その根底にニーチェがあるのだということが分かりました。
■余談
本書の引用には、中公文庫の手塚富雄訳本が使われています。前回読んだ本はちくま学芸文庫。訳者によって読みやすい文章というのはあるので、どちらの訳文が読みやすいか、参考にしたいです。
■メモ
ニーチェ主義者 ミシェル・フーコー
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最初に読んだのは平成20年7月20日
昨日書いた『座右のゲーテ』と同じ人が書いてるので書き方は似てる
ニーチェって人の事は全く知らないがこの本も素晴らしいと感じた本
俺には少し難しく感じたり『?』となって何度も読み返したけどわからなかったところもあるので、その部分はまた時間が経った時に理解できれば良いなと思った
読んでる途中で気付いたんだけどこれを書いてる斉藤孝さんは頭が良いと思った
自分の考えを本にできるぐらいなので当然だろうけど
この人の方が全然年齢も上だけど俺がこの人と同じぐらいになった時に自分がこれぐらいしっかりした考え、知識を持ててるか?とw
勉強します><
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-哄笑することは、私にとっての「突破力」だ-
15歳の頃、ニーチェを読んで、「永劫回帰」⇒「すべては過去の焼き直しで、新しい価値など何もない、余程の天才でなければ存在する意味がない」と理解し、「当たり前のこと書いてるな」とわかったようなフリをして斜め読みした記憶がある。そんな風に、ニーチェを「要約」して読んだ気になっている人は多いのでは?この本を読むと、ニーチェをもう一度読みたい!と思うはず。でも・・・邪道ですが、ニーチェを再読しなくても、この本だけでも、「一度きりの人生だし、人生の高みを目指し、「憧れの矢」になろう」という気概がフツフツと湧いてきまっす!
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ニーチェの思想を、主に「ツアラトゥストラ」から抜粋された文を元に、著者の解説及び解釈を知ることが出来る本書。
不確実、不確定な現代を生きる私たちに勇気をくれる言葉達が満載ですが、著者が言うように、この本を何度も読み、行動に移すことによって、やっと、本当の意味でニーチェの思想に触れることが出来るのだろう。
そういう意味では、これから何度も読んでいくかもしれない本であります。
僕も「超人」を目指して生きていきたい。
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「ニーチェってなんだかすごいことを言っていたんだろうけど、いきなり哲学書を読むのはハードルが高い」
そんな人に、とっかかりとしておすすめの一冊。
普通に「ツァラトゥストラ」などを読もうと思う人も、その前にこの本に目を通しておけば、読みやすくなるのでは。
そもそもニーチェも自分の思想を学問として研究されることを望んでいなかった。
自分の言葉が、他の人の血となり肉となる、つまり感覚でつかんでほしいということ。
人づきあいの考え方が諭吉と似ているなぁ、と思っていた。
やはり「別に一人でもいい、でも一緒にいると楽しいし互いに良い影響を及ぼすから、この人とは一緒にいよう」というスタンスが大事なんだね。これが一番理想の人間関係の在り方だよなぁ…
また五感を研ぎ澄ませ!というのも頭でっかちの私にとって、ぐさっときつつも納得。
どうも精神=自己のイメージがあるけれど、その精神だって肉体をつかって何かを感じ取っているわけだしねぇ。
一番印象的だったのは「読書する怠け者」
読書といってもただ読むだけじゃない。
それを自分の中に引きずり込んで、自分のものにして、ふっとその言葉が出てくる。
これで初めて読書の効果があるんだろうな。
大好きな言葉は引用できるくらいに焼き付けておかないとね!
ほかにも
・何かをやるには楽しんでやれ
・平等の概念を説くものは毒蜘蛛
など、はっとさせられるものばかり。
「ツァラトゥストラ」も夏休みじゅうに読もう。
きっと下手な自己啓発書を読むより、1冊の「ツァラトゥストラ」だねw