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マニアックで変わり種の多いラインナップ。
探偵役がいないので、なんともふわふわした感じ。
唐突に終わってたり、後味が悪かったりと、アユテツらしくない作品の方が多い。
正直レビューにも困ります。
短編の名手なのでそこそこ面白いけど、なんにも響かない。
こういう作品を書いてた時期もあったのね、ってことですかね。
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『人買い伊平治』
金貸しの老人を殺害した容疑をかけられた若尾道春。死に際に残された「桐生」という言葉と「WM」のイニシャル。海外に逃亡した若尾からの手紙。シンガポールの娼館で人買い伊平治の下で働く若尾。娼婦との恋。殺害された娼婦の復讐。
『死に急ぐもの』
雪の道から転落した車。運転していた会社社長・福田の死。福田の所持していたワンピース。和服しか着ない後妻。
『蝶を盗んだ女』
デパートで蝶の標本を盗んだ女を目撃した若林慎一。万引きした女・大村みゆきに体の関係を強要した若林。関係が深まり恋に落ちた二人。若林の元に二人がホテルに入る写真を持ち込み金を要求する探偵。離婚に追い込まれた若林に仕掛けらた罠。
『結婚』
宇宙旅行が可能になった未来の世界。1度結婚したら離婚できない世界で初めて見た女性にプロポーズした男。
『灰色の動機』
酒に酔った状態で転落死していた森三郎。「よっちゃん」と呼ばれる男と一緒に飲んでいた森。「よっちゃん」の正体を探す刑事。浮かび上がった堤芳樹。2年前に死んでいた堤。死の直前見知らぬ男と宿に泊まっていた堤。再婚した堤の妻の誕生日の証言からの展開。
『ポロさん』
貧しい長屋に住むロシア人夫婦ポロさん。
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森三郎という男性が陸橋の下で死体で発見された。しの子は、警察に過失死とされた恋人の死を不審に思い、事件として調べ始めた。しかし、容疑者は―(「灰色の動機」)。表題作をはじめ、珠玉のミステリーはもちろん、最初の小説である「ポロさん」、唯一のSFで文庫初収録の「結婚」など鮎川作品の中で異色テイストの作品を満載した贅沢な一冊。オリジナル短編集第三弾。
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「人買い伊平治」 「死に急ぐもの」 「蝶を盗んだ女」 「結婚」 「灰色の動機」 「ポロさん」
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鮎川作品をたくさん読んでいるわけではないので、異色かどうかはよく判らないが、本作に収録されている六篇はそれぞれテイストが違っていて、読者を飽きさせない。いずれも1900年代半ばに著されたもののようだが、道具立てや背景は別としても、現代でも通じる要素がたくさんあるのに驚かされる。贅沢な一冊である。
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人買い伊平治
オール讀物 1962年5月
死に急ぐもの
別冊文藝春秋 1963年1月
蝶を盗んだ女
推理ストーリー 1968年10月
結婚
宝石 1962年1月
灰色の動機
週刊文春 1960年3月28日~4月18日
ポロさん
婦人画報 1943年6月
解説 山前譲