紙の本
そう言われると、おかしい日本語が意外と身近にあるね! 反省・・・
2009/12/19 23:52
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近の日本人の話す日本語は、丁寧にしようとする余り、尊敬語と謙譲語などが妙に入り組んだ変な言葉になりつつある様だ。
「させていただきたがる人々」を皮切りに、「政治家の好む『を』入れ言葉」、「目上の人い向かって『ご紹介してください』というのがなぜおかしいのか」、「『先生はご乗車できません』は間違い、それでは『先生はご乗車になれません』なら良いのか・・・」、「許可を求めることが依頼することになるのか」等、様々な日本語の行方を探る。
著者の素晴らしいところは、日本語の専門家ゆえ悪い点は指摘しながらも、時代の流れを尊重し、ここまで浸透したとするならば、それを認めざるを得ないとしている事にある。
個人的には、「許可を求めることが依頼することになるのか」という点はとても協調し、部下にも同様の言い回しを行う者がいるし、自分自身も危うい。例えば「○○を貸してもらってもいいですか。」という場合、○○を貸すのは誰なのか? 話し手でも聞き手でもない第三者なのか(話し手が第三者に借りることの許可を求めている)、または聞き手なのか(依頼している)、という点が不明確で、本来は前者の意味で使用されるべきものであるが、最近やたら後者の意味で使用する人が増えているというのが著者の思いである。本来後者の依頼をする場合には、「○○を貸してください。」「○○を貸していただけますか」とするべきである。先述の様に表現していることは、現代人が物事を率直に人に頼むことができなくなってきているのでは、との著者の嘆きに続く。
敬語を誤った形で使用しないためには、まず普通の言い方はどうするのか、という事から、自分と相手の関係を考えながら、尊敬語、謙譲語を使い分ける必要がある。しかし著者はそれ以前に、本当に敬語が必要なのか、丁寧語で十分ではないのかと述べる。ファーストフード店のアルバイトがマニュアルに従い、客と視線を合わさずに、また笑顔もなく、「ありがとうございました」ということに、非常に違和感を感じるとの事。本当に大事なのは、(素晴らしい敬語を話すという様な)言葉の形式ではなく、どれだけ相手に敬意を払って話すのか、という点である点を強調し、本書は言葉とコミュニケーションをめぐってともに悩むための一冊、として締めくくっている。
読んでいくなかでとても細かい点、重箱の隅をつつく様に聞こえる部分もあるが、自分達が使う日本語について考えてみるにはともて面白い書であると思う。
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ああ、私も気になっていた。なんでもかんでも「させていただく」人たち。いったい誰に敬語使ってんだ!?って突っ込みいれたくなる丁寧すぎて慇懃無礼になっちゃう人たち。「敬語」とは読んで字のごとく、他人を敬う感情があってこそ成り立つ言葉だ、とわからせてくれる本書。そしてそこにこそ日本の言葉があり、文化があったはず…なんだけどなあ。
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ヘンな敬語は、滑稽どころか、笑いの種もなりえない、どうしようもない代物であることをこの本がイヤと言うほど教えてくれる。
過剰な敬語の使用、不適切な謙譲語の使用、加えて、知らず知らずのうちに犯してしまいかねない、相手への敬意を失した言葉遣いをしないよう、常々気をつけていきたい。
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そんな言い方は普通はしないでしょう。ということが現実起きているわけです。使っている日本語のどこがおかしいのかわからない人が増えているらしい。ワタシもその一人かもしれません。敬語を使っていれば誠意が伝わると思ったら大間違いだ。とバッサリ切り捨ててしまう野口恵子さんがかっこいい。
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かなり具体的に、細かくニュアンスを拾って検証してる。
「こう言う方が自然」と著者が例を出す言葉を
「ああそうだね、こっちの方が素直で自然だな」
と思えるかどうかから、もうギャップがあるような気がする。
http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-1427.html
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間違った日本語やおかしな日本語がどんどん浸透している今の現状。とにかく丁寧にすりゃいいってもんじゃぁない。
私自身、正しいと思い使用していたことばも多数…。
こわいこわい!
母国語をもっと勉強し、丁寧に扱っていきたいなと思った一冊でした。
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[ 内容 ]
「~させていただく」という言葉に象徴されるように、現在、日本語の丁寧化という波が押し寄せている。
丁寧化はなぜ進んだのか。
時代や社会の動きとともに変化する日本語は、これからどう変化するのか。
日本語教師として、外国人の日本語学習者に、日本の大学生に日々接する著者が、敬語を中心とした“おかしな日本語”に着目し、日本語の本来の使い方、そして私たちのコミュニケーションのあり方を考える。
[ 目次 ]
第1章 させていただきたがる人々(「させていただく」は耳障りか 「させていただく」はだれに対して謙遜し感謝の意を表しているのか ほか)
第2章 現代敬語考-尊敬表現を中心に(私たちは八五郎の敬語を笑えるか 敬語の不統一とは何か ほか)
第3章 現代謙譲語考(謙遜するとはどういうことか 目上の人に向かって「ご紹介してください」と言うのはなぜおかしいのか ほか)
第4章 敬語使用と想像力(デジタル的、アナログ的言語コミュニケーションとは何か マニュアルどおりに応対する従業員に合わせて、客のほうも、想定される「客のためのマニュアル」に沿った受け答えをせざるを得ないのか ほか)
第5章 変わるコミュニケーション(周りを観察しない人、自分を客観視できない人に、他者への敬意を行動で示すことができるか 「させていただきたがる人々」は、実は「させていただきたがらない人々」だったのか ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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確かに… と思うことがたくさんある。
尊敬語 謙譲語
そして新しい言葉
あー 日本語って難しい
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「~させていただく」という言葉に象徴されるように、現在、日本語の丁寧化という波が押し寄せている。丁寧化はなぜ進んだのか。時代や社会の動きとともに変化する日本語は、これからどう変化するのか。日本語教師として、外国人の日本語学習者に、日本の大学生に日々接する著者が、敬語を中心とした“おかしな日本語”に着目し、日本語の本来の使い方、そして私たちのコミュニケーションのあり方を考える。
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敬語の誤用や過剰敬語に関する本。
例を挙げていって、それを批判していくスタイルなので、具体的で分かりやすい。
「させていただく」がやたらめったら多用されてる現状は確かに気になってたから、第一章は面白かった。
読み終わってから気付いたけど、作者は『かなり気がかりな日本語』の人なのね。
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同じことを何度も繰り返しクダクダしく説明しすぎている。また、悪文の例示をしながら何がどう駄目なのかの解説がない。妙なところで端折っている。平板な文章がダラダラ続き、読み通すのに相当な忍苦を強いられた。
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(推薦者コメント)
何でもかんでも「させていただきます」「させていただいて」とつけたがる若者。最近では影響されてか中年層でも使われている気がする。本当に、「丁寧な日本語」とはそれでいいのだろうか。敬語についてしっかり考える一冊。
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解説がまじめすぎて、説明内容がバカ丁寧化していました。
堅苦しくない内容にしてもらえると、楽しく読めたと思います。
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日本語教師による、敬語を中心とした「おかしな日本語」とコミュニケーションについての考察。
「〜させていただく」という言葉、自分でも結構使っている気がする。しかし、その言葉の意味をきちんと考えたことはなかった。「さ入れ言葉」は自分ではあまり使っておらず、人の「さ入れ言葉」には違和感を感じていたが、その理由まで考えたことはなかった。正しい敬語を使うためには、きちんと意味を理解することが重要だと感じた。
敬語については、学生のときに国語の授業で多少教わるが、実際に使う機会はそれほど多くはない。それ以上に聞く機会は少ない。こうした中では、影響力があるところで使われた誤った敬語が蔓延してしまうことは避けられないだろう。誤った敬語が蔓延すると、それを使わないことの方が、礼を失していることになりかねない。
この本は、こうした日常何気なく使っている言葉にさまざまな〈気づき〉を与えてくれ、なんとなく感じている違和感を解説してくれる。敬語という形に捉われることなく、コミュニケーションの問題として取り扱っていることろが、本質を突いている。面白い。
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みんなが、間違えながら使いながら習得していくものなんだろうね。それにはやはり身近なお手本がないと。
子供たちのためにも、大人が自然に敬語を使いあう生活をしていきたい。