紙の本
梨園の妻
2015/11/20 15:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
中村勘三郎さんに癌が見つかってからの闘病を、妻・波野好江さんがつづった本だが、単に役者の妻というより、歌舞伎役者の妻として読まなければいけない。女は芸の肥やし。そんな言葉が当たり前にまかり通っている世界だからだ。好江さん自身、中村芝翫の次女だから、梨園の妻の有りようが分かってはいたのだろうが、浮名を流し続けた中村屋を陰で支えた本心は…妻としての自負と表現するのは安易だろうか。
電子書籍
いろんな意味で赤裸々!「僕は、ただうんこをするだけのかたまりです」
2013/12/17 13:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
エッセイの後半、家族に支えられながら、「生きよう」「役者として復帰しよう」と強い意志を持って闘病生活を続けていた勘三郎さんの様子は、読むのが苦しいけれど、なんだか勇気をもらえる。
そんな強くあった勘三郎さんが「僕はただうんこをするだけの塊です」みたいな発言を、声がなくなってから書き記すシーンがあるのですが、このときは涙が止まりませんでした。
それほど、強かった人を変えてしまうものが、この闘病生活にあったのだ、と。
前半は明るく、奥さんが語る「勘三郎さんのガールフレンド」についての描写など、「え!こんなこと書いちゃうんだ!と驚きましたがwそんなことも言い合える、いい関係だった、ということで。結婚前にお付き合いについては、実名もちょっぴり出てきますw
何より、家族写真やプライベートフォトがたくさん収録されていたのがよかったです^^
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
投稿元:
レビューを見る
勘三郎さんの生きたいという思い、ご家族の強い思いが伝わってくる。勘三郎さん、ご家族の思いに精一杯応えて、できる限りの治療をされた先生方、医療 スタッフの方々。皆さんの思いは「中村勘三郎という稀代の名優を死なせてはならない」とい う一念だった。苦しい治療に耐えた4ヵ月。本当に大変だったと思います。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
投稿元:
レビューを見る
病気治療に関する記述は、読んでいて涙が止まらなかった。中村屋が気の毒で、生々しい記録を読み進めるのが辛くなるほどだったけれど、中村屋と好江さんは、実際には、この100倍も1000倍も辛い思いをしたことだろう。
自分が苦しい状態でも希望を捨てず、逆に家族を励まそうとさえする中村屋の優しさ。亡くなってしまった中村屋と添い寝する好江さんの深い愛。
浮気はあっても、中村屋にとって好江さん以上の素晴らしい女性はいなかった。こんな風に深く愛し合えるなんて、理想的な夫婦だったんじゃないかと思う。
担当医師のインタビューがついていて、がん治療の今がわかる実用書的な側面もある。がんの手術そのものは成功でも、その後の合併症で死に至るリスクがあることを事前に知っていたら…と思わずにいられない。
がんの手術をする先生が手術後の合併症については専門外であること、合併症に詳しい先生にすぐバトンタッチするようなシステムができていないことには驚いた。
また、先入観による決めつけで中村屋の症状に合わない薬を出しまくった精神科医の先生には呆れてしまう。数少ない名医と出会えなければ、ちゃんとした治療が受けられない不公平さが解消される日は来るのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
あー、勘三郎なんで、なんで手術したの。
あん時、鶴瓶が言ったこと聞いていれば、癌とうまくつきあって今も、生きていたと思う。
このエッセイは、ほんとに赤裸々に書かれていて、勘三郎の女性問題、
膝蹴りなどびっくりするような夫婦喧嘩、でも最終的には、遺体を焼かずに残しておきたい方法までさぐるほど、深く愛していたのだから、やはりすごい稀有な夫婦なのだと思う。
ほんとに、どんだけ症状が重くなっても病院をがん研センター、女子医大、
日本医科大、と転移してもまさか死ぬなんて最期まで思わなかったと思う。
巻末に載っている各病院の担当医のインタビュウー、最初のがん研のインタビューだけがはずされてる意味を考えてしまう。
投稿元:
レビューを見る
歌舞伎役者の最期、というより、ARDS患者の最期の記録、という側面が強いと感じた。勘三郎さんも好江さんも、ご家族も、たくさんたくさん戦ってこられたんだな。
好江さんの愛のおおきさ。
好江さんのこの愛があったから、勘三郎さんはいつもいつまでも全力疾走出来ていたんだね。
投稿元:
レビューを見る
読みやすい語り口調で語られていたため、数時間で
読み終えました。
病気を発症してから亡くなるまでの勘三郎さんの
闘病記がご本人も奥様にとってもとても辛そうで、
胸が痛くなりました。
それまでに結婚までのエピソードや思い出、
チャーミングで、人間的に魅力的な勘三郎さん
の人柄が描かれていたので、余計につらく
感じました。
また、治療の話が詳細に語られており、
(まあ私のような一般市民と、日本の宝である
勘三郎さんとは同じ治療を受けられないとは
思いませんが)、医療のありかたを考えさせ
られました。
投稿元:
レビューを見る
初読。図書館。想像していたより医療記録の分量が多かった。本人しか知らない事実を読むことができるのが、こういった本の持ち味で、その点は十分に満たしてくれる。 「遺体を隠したい」という一言に奥様の愛と、勘三郎さんが途半ばで逝ってしまったのだという痛さが突きつけられる。
投稿元:
レビューを見る
十八代目 中村勘三郎は私が今でも一番好きな歌舞伎役者である。勘三郎が亡くなって一年以上経つが未だに彼の死を受け入れる事が出来ない。奥さんの好江さんが書いた闘病記を読めば、現実を受け入れられるだろうと思ったが無理だった。たくさんの点滴、鼻にチューブをつけた勘三郎の写真を見た時、頭が真っ白になった。舞台の上で元気に演じる勘三郎の姿だけが見たかった。病に苦しみ、小さくなっていく勘三郎は見たくなかった。勘三郎の死は早すぎる。涙が止まらなくなるなら読むべきではなかった。本当に病気が憎い。
投稿元:
レビューを見る
テレビで知った時、信じられなかった。すぐに元気になって戻ってくると思ったから。詳細にその過程が記されていたが、それより奥さんがどれだけ愛していたか、その想いの深さが残った。
投稿元:
レビューを見る
歌舞伎役者・中村勘三郎の闘病記を妻、波野好江さんがまとめられた一冊。全体が、夫婦愛・家族愛に溢れています。
食道ガンの告知から、入院、手術、合併症ARDSの発症による転院が続きます。後半は、胸が締め付けられる場面が多数あり。
医学ではなく、医療として、生きたいと願う彼を支えようとした各病院の医師やスタッフにも頭が下がります。
まだまだ、勘三郎には活躍して欲しかったし、新しい歌舞伎座に立たせてあげたかった。
また、ARDSの存在を世に広めたのは、彼の功績に加えても良いかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
つらい話なのに一気に読んでしまった。
勘三郎さんが亡くなってしまう結末は知っているのに、どうか元気になってと思ってしまう。
本を読んでいる人にまでそう思わせてしまう、それが勘三郎さんの魅力なのだろう。
どうか天上で歌舞伎界を見守ってください。
投稿元:
レビューを見る
図書館で。一度実際に観に行きたかったなあ~
病気という報道から肺炎、そしてずいぶんあっという間にこの世から去って行かれた感があったのですがこの本を読んでそうではなかったのだな、と思い知らされました。
もう肺移植しかない、というような状況では本当にどうしようもなかったのだなと。
治る状況ではなかったのかと。
さぞかしご家族は無念だったろうと思います。化学療法で外科手術をしなければあるいは、とも思っただろうなぁ。とは言え今後の事を考えて憂いを一掃しようとしたのだろうという考え方もわかります。
映像で見ただけの私ですら惜しい人を亡くしたな、と思うのですから友人家族は断腸の思いだったろうと思うのです。
投稿元:
レビューを見る
勘三郎さん、辛い日々だったんですね…
病気の発見と適切な治療は重要ですね。「うつ」と一方的にされて、本当の病気が隠されてしまっては治るものも治りません。
投稿元:
レビューを見る
ここ数年に、
父と祖母が亡くなり、
その時の事を思い出してしまい、
肉体がこの世から離れて行く時の、
無情を思い出した。
それにしても、
もっと勘三郎さんの芝居がみたかった。
本当に、早すぎた。