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日本、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、フィンランド、アメリカ(シリコンバレー)。
これだけバラエティーに富んだ文化の中で暮らして働いたことがある著者は、
東京とシリコンバレーは、企業文化の面で最も距離が遠い、と言います。
あえてその2つを対比させる物語を読むうちに、
自分がこれまで経験して来た職場の特徴を改めて考え直していました。
「レンガ型組織」と「石垣型組織」の対比は、
ずっと覚えておこうと思います。
事業、組織、働き方というのは、固有の文脈や背景の中で起きるものです。
抽象的なことばだけでは、実感をもって読者に迫れません。
この本は、物語形式になっていて、文脈に自然に入り込むことができました。
「日本のやり方も、シリコンバレーのやり方もない。
この会社のやり方を作るのだ」
登場人物の言葉にとても共感して、★5つとしました。
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日本のベンチャー企業がシリコンバレーの企業を買収し、米国市場、ならびに世界での成功を目指す過程が物語形式と客観的な解説の組み合わせで進行します。章ごとに、日本と欧米企業の労働観や組織観の違いから発生する具体的な軋轢を紹介し、両者の違いを分かりやすく解説した上で、それを乗り越えていく過程を示しています。
著者の考えとして、欧米企業のやり方を過度に礼賛するわけでもなく、我々日本人の特性を活かしながら海外企業とうまくやっていく方法を考えることを提案している点は好感が持てます。著者によるとソニーの創業者盛田氏が著者の理想とするグローバル・リーダーのようです。
近年、海外企業を買収して、海外事業を発展させようとするケースは多いと思います。その際に本書に出てくるような日本の本社と現地子会社の間での軋轢のような話は往々にして見られる現象だと思います。日本から現地に赴任して海外子会社のオペレーションを担当する駐在員、あるいは海外企業と頻繁に仕事する機会のある人にも良い書籍かもしれません。
ちなみに、グローバルと言ってもシリコンバレーの話だけですし、タイトルにあるマッキンゼーとDeNAはほぼ関係ありません。これはマーケティング上の都合でしょう^^;
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さまざまな労働観
アメリカ 煉瓦塀型組織
枠組みを作って人をあてはめる
個人の責任がはっきりしていて、無駄が少なく問題点を把握しやすい。想定外の事態が起きた時弱い
日本 石垣型組織
それぞれの能力や必要に応じて人を割り振る
エラーは少ないが、意思決定に時間がかかり、責任がはっきりりしない
一つの業務を複数の人がカバーするので、組織の団結力が強くミスが少ないが、責任の所在があいまいなので、意思決定が遅れたり、失敗した場合の問題のありかが見えにくいので、対処がおくれる
日本は縦型社会であるが、コンセンサス志向
日本 メッセージを伝える責任は聞きてにある
アメリカ メッセージを伝える責任は話し手にある
日本 非言語に依存、わりと間接的
アメリカではネガティブなことを言う場合には、常に人格と意見を分けて議論とする
願望(会社内)ビジョン 将来果たしたい理想の姿
願望(会社外)ミッション 将来果たしたい使命
義務(会社内)バリュー 現在実践すべき行動規範
義務(会社外)業務 実行すべきタスク
狩猟型社会 将来を見通し、行く先を決定できる人間がチームリーダーになる
農耕社会のチームリーダーに求められるのは、人員を的確に管理して作業を効率良く進め、問題があれば対処する、といった管理能力
ビジョンはトップが作り伝える
レイオフは個人のパフォーマンスとは関係ないと内外に示す
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入門書じゃないか退屈だと読み進めていたのですが、半ば以降、文化的な違いを指数で裏付けながら論を進める辺りからグッと引き込まれ、既知の事項ながら随分と理解度が深まった。
論旨明快で平易な文章ながらエッセンスまとまりよく、良い本に出会えました。
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アメリカ人との労働観の違いが分かりやすく書かれていた。
また、各国との文化の違い(仕事優先か家族優先など)がチャートなどで示されており、日本がどこらへんに位置しているのか見るのも面白かった。
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上海駐在中の自分には良くわかる。腑に落ちる。しかし、ことばというツールを駆使して、信頼関係を構築することは、本当に難しい。
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労働感の谷、コミュニケーションの谷、組織の谷、リーダシップの谷など、グローバルで仕事を進める中での「あるある」が満載。
経験的に理解していたことが、構造的な理解に整理されて言語化・形式知化された。
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上司から進められて。グローバルリーダーが直面する壁、必要なスキルがストーリー仕立てでわかりやすく説明。情報も多過ぎず丁度良い
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・いろんな人がいるからこそ主張しなければ通らない
ー狩猟型は農耕型と違いビジョンを示さないといけない。そうしないと飢え死ぬだけ。自ら動かないといけない。農耕型は作物できるの待つ
・主張の基は欲。欲とは、ミッション・ビジョン・バリュー。これをみんなに示す
・グローバルリーダーの要件
1.フェアであること
2.批判反論を恐れない
3.相手の気持ちに寄り添い言葉を惜しまない
・スケジュールを命の次に大事と思わせること。その規律を埋め込むこと
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タイトルにひかれてブックオフで購入。海外と日本の価値観の違いや仕事へのスタンスの違いについて、これだけ具体的に書かれた本は中々無いと思います。
特に日本と、海外のレンガ型組織の違いは新鮮的でした。たしかに日本はできる人を組織の上長にはめに行きます。海外は役割に合わせてヒトをはめに行く点は合理的な気がしました。