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紙の本

サイボーグという存在をどういう風に考えればいいのか

2009/11/18 23:53

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者は、早稲田大学のメディア関係の教授。
 副題には、押井さんの監督作品が上げられていますが、
実際、触れられているのは、全体の紙幅の2/5ぐらいで、サイボーグ(クローンも含む)
についての最先端の考え方と理解について書かれたものです。
 
 よく手塚さんは、自身の作品や発言の中で全体のパーツの9割以上がロボットな生命体は、
生命体じゃなくて、ロボットといえるのではないかみたいな?問題定義をしていましたが、
 本書でもよく似た問題定義はされています。
部品として(物)の人体、(骨なんかがあげられています)そしてゴーストと士郎正宗が呼ぶ、
(本書では、押井版、SAC版、士郎版それぞれものゴーストの定義が紹介されています)
生命としての揺らぎ、精神、魂の揺らぎ、、。
どの辺で折り合いをつければいいのか、正に模索中といったところ、、。

 本書で上げられている課題や技術は、その考え方、捉え方自体を、
SF映画、SF小説から助けてもらわなくてはいけないように、
(押井さんは、実は、若い頃SF作家になりたかっと言うほどのSFファンで
 SFとして自身の作品を取り上げてもらって喜んでいると思います)
実用化されたいるものは殆どありません。
 著者のサイボーグに対する考え方も最後に
サイボーグとは、物と人との間を揺らぎたゆたう存在と、纏めて書かれていますが、
"たゆたう"という言葉を使っているように
 その捉え方自身に曖昧なものを多分に含んでいます。
なんか、読んでもはっきりしなかったのは、事実。

自分でその定義や捉え方を掴まないといけないみたいです。

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2008/12/10 22:57

投稿元:ブクログ

人間のサイボーグ化についての議論を
今のうちに俎上に載せておきましょう
という内容。攻殻機動隊を全部見た後に読んだ。
脳の可塑性。環境に適応しようとする性質。
環境が可変可能になってきたら必然的に
サイボーグ化するのか。

2013/08/28 19:48

投稿元:ブクログ

①VR、ユビキタス、BMI/BCI、ナノテク、細胞を創る技術など、先端テクノロジーを貫く発想の原理には「ビット化」がある。「ビット化」によって、対象の無再現の変形可能性が生まれる。
②脳は環境が変わればそれに柔軟に対応する「可塑性」を持っている。
人間は、その脳の可塑性に基づいて、環境に適応するとともに、環境を改変せざるをえない。
③先端テクノロジーが環境を改変すれば、私たちもそれに呼応して変容せざるをえない。従って人間(脳)のサイボーグ化は不可避の過程である
④脳は自己完結した機構ではなく、身体を通して環境とたえず相互作用のループを描いている。こうした自然状態の<脳・身体・環境>の相互関係は、テクノロジーを通じて拡大・拡張され、ひいては個体性を超えるまでに変容されうる。
⑤テクノロジーを通じて人間は物質と接近・融合化(サイボーグ化)していくことで、人間と物との境界を曖昧化する存在、人間と物のあいだを浮遊し漂う存在へ変容していく。
⑥サイボーグの心とは、個体という枠組みが絶対的なものではなくなったところに成立するでろう、自分と対象(他者や物)、自分と環境のあいだの浮遊である。
⑦パターン化の能力をもつものとしての人間・最終的に宇宙で魂を満たす人間は、人間であるかもしれないが、つねに人間以外の者へと変質していかざるを得なくなる。

ところどころぶっ飛んだ論理展開にも思えたが(カーツワイルとチオンピの説を用いた終盤など)、そもそも筆者は現実がSFのような世界に近づいていることを前提としているので、これもこれで一つの仮説として受け入れるべきなのか。

それとは別に、3つの『攻殻』作品を次のように分析しているのは興味深い。
①士郎版は、サイボーグ草薙素子の自己への回帰、
(荒巻素子といった草薙素子の亜種・同位体たちは、相互の差異はありつつも、究極的には、機械との融合体である草薙素子へと回収されていった)
②押井版は、素子の他者への素子の変容、
(素子は人形遣いと融合することで、人間以外の他者になることを望み、イノセンスでは少女や鳥、ハダリとして存在することができる異化作用を可能にした)
③神山版は、自己と他者の混交的・融合的な媒介を描いている
(自己は「消滅する媒介者」として消滅・変形することで、新たなるものを産み出し、変容し続ける。自己は変形されることで他者との混合体となる。自己と他者は混交し、互いを関係付け合い、互いに媒介し合う。)

2014/12/31 21:07

投稿元:ブクログ

Fri, 01 May 2009

NTT出版からいただきまして読みました.

筆者はサイボーグの時代が近づいているとして,それがどうちかづいて来ていて,どういう事を引き起こすかを論じているが,テクノロジーの洞察とリアリティが多少現代的でないように思われる.

はじまりはBMI(ブレインマシンインタフェース)の話やES細胞,iPS細胞などの話,ユビキタス,ウェアラブルの話などで,最近のポップな研究成果の話をする.川人先生のサルの脳活動からロボットを遠隔で動かす話とかもあって,なかなか,キャッチアップしてはることはしている.

しかし,世の中にメディア通して過大にひろまってる話の中には研究者視点からすると
「でも,そこはそのまま直線的には進化せんやろ」
「それがスゴク見えるノは,トリックがあって・・・」
「できてるように見えてるけど,実は・・」
みたいな話がいろいろある.
だから,そんな簡単にアニメの世界にとんでいくわけでもないし,飛ぶかどうかも未だ不明.


でも,筆者はいってしますのです.もう,SFの世界へ.

それで,スカイクロラと攻殻機動隊が出てきて,そこでのサイボーグと人格の問題の話が始まる.

そこで,士郎正宗が何を予言していたか,だとか,なんだとか.
話の流れ的には,それを来たるべき未来とみたててサイボーグ哲学をかたっているのだろうが,

どうも,科学技術評論というよりかは,アニメ評論に感じてしまう.


いやいや,そこに行く前にいろいろありますし,そんな純粋な形にならずに,多分もうちょっとひんまがりますよ.
そして,あんまりBMIは使えない気がするの~
どうだろう・・・・

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