電子書籍
美の詰まった名作
2021/02/01 17:21
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投稿者:斉藤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
オスカー・ワイルドの作品を読むのは初めてでしたが、私の頭の悪さもあり正直初めは何を言っているのかよく分からず難しいな、と言った印象でした。ですが読んでいくうちに感じたのは美貌の青年ドリアン・グレイが地に堕ちていく様が見事であるということと、この作品自体がもう芸術であるのだなということです。本人の代わりに変化していく絵画という発想は一体どこからきたのか聞いてみたい笑
個人的には話の終わり方も、自分の中に作品世界の余韻を残したまま閉幕、という感じがしてとても良かったです。
オスカー・ワイルドの他の作品も読んでみようかと思うきっかけとなった印象的な作品です。
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「花」をモティーフにした行が多いです。
ワイルドの極彩色な、ヴィジュアル的なヴィジョンが読んでいて、目の前に浮かびます。
『退廃的』と言われますが、そこにはワイルドの芸術観・美について書かれているようです。それを考えると、むしろ『耽美的』に思われます。
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中学生のとき、図書館で借りて読み始めたものの、挫折したヤツ。あれは岩波文庫だったっけ? 新訳になって、完読できるのか!? 読み終わった! なるほど。
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サロメの人。
普通に面白かった。
普通に筋が通ったお話。
形容詞が妙に回りくどいのは
翻訳しちゃったからかなあ。
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モデルは若いまま絵だけが老いていく、という話を聞いたことがあったのですが、これがその元ネタだったんですね。
以前読んだ『飛ぶ教室』が人間の素敵な部分を書いているのだとしたら、これは真逆の部分を描いています。人間の弱さや執着、どろどろした感情が満載。その狂気じみた様子までびんびん伝わってくる。
分厚い本だけに時間はかかったのですが、タイトルにもなっているドリアン・グレイから目が離せませんでした。
ところで、新しい訳のせいか(解説にも書いてありましたが)、前半なんだかとてもBL臭がプンプンするんですが(笑)。
でもそこまで情景を読み取りやすくなった古典新訳文庫はやっぱりすごい。
そしてなんだか話の感じが似てるなーと思ったら作者のO・ワイルドは『サロメ』の人だったんですね。納得。
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09.05.13
ワイルドならではといった感じのドリアンの描写。
ヘンリー卿はすごくイギリス人キャラっぽくていいね。
個人的にはアラン・キャンベルがすごく気になったのに全然書かれなかった・・・
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話の構成自体は非常にシンプルで面白かった。若さを渇望するドリアンの願いは叶えられ、自分の変わりに肖像画が醜く変化していく。しかし変わらない外見とは対照的に、ドリアンの心は醜く変化する。この小説では美=若さと主張している。若さこそが美であり、老いは醜い。この主張は以前読んだ三島由紀夫の小説と共通するものがある。
しかし、美を追求する事と同性愛との関係は疑問である。
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新訳で、新潮社のものよりも読みやすい。
人間の本質を問う内容に、100年以上前の小説でも古さを感じませんでした。
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The basis of optimism is sheer terror.やっぱりひねくれ者の言葉ばっかりが私を動かす気がする(笑)
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ある貴族の美青年は少しも年をとらなく、いつまでも美しいまま。しかし、代わりに彼の友人が描いた彼の肖像画が年をとっていて……。ぞくぞくする話。芸術家なのに常識人のバジル・自分の興味欲望に忠実なハリーと様々な友人がいる中で、誰も真実には気付かない恐怖。老いて醜く変わっていく肖像画。しかし、主人公が耽溺していく背徳的な美はやはり美しい……。
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バイト先の先輩に貸してもらった本。
時々ストーリーが無くなっちゃったような気がしたけど、とにかく人生だの美だの若さだのについてのワイルドの考えとかがよくわかりました。
美しいドリアンの狂気じみた様子に、怖いようで惹きこまれる。
若さと老い、美しさと醜さどちらも目の当たりにした彼の心境が切々としていました。
さすがは、名作です。
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昨年8月に舞台みて、それからすぐ読みはじめたのに、1/3くらいでとまってなぜか放置してた…。
3日前くらいに読みはじめて、今度はさらっと読めてしまった。不思議。
舞台とはシビルヴエインの弟の死に方以外はほぼ同じ内容でした。
でも舞台の方が純粋な青年がヘンリー卿から悪影響を受けたっていう要素が強かった気がする。
小説のドリアンは自ら道をはずれていってしまった感じ。
オスカーワイルドっていう著者も興味深いです。
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素晴らしい。
ワイルドの哲学がハリーの詭弁がドリアンの美貌が狂気があらゆる芸術が心の奥に根を張って一瞬で虜にされた。
そもそも物語が単純に面白い。世界中で愛される理由がよく分かる。
この小説そのものが完成された芸術作品!
そして、“芸術とはみな、きわめて役に立たないものだ。(序文より)”
完璧過ぎる作品。
死ぬまでに必ず原文を読む。
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容姿美しい主人公、ドリアン・グレイが、一人の男性と出会ったことをきっかけに思想的に影響され、それまでとは打って変わった生活に溺れていきます。
どんなに非道な事をしても、年を重ねても、その美しい容姿を失わない秘密を隠している主人公―その秘密がいつ暴露されてしまうのかという緊張感の保たれた物語展開と、上流階級のきらびやかな社交界のシーンで挟まれる思想に関する登場人物のやりとりが知的で、そしてスリリングでとてもおもしろかったです。
新訳版ということで、こなれた流麗な文章が大変読みやすく、一気に読んでしまいました。
借りて読んだのですが、手元に欲しくなった一冊です。
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村上春樹の『スプートニクの恋人』を思わせるような、ドリアン=グレイとヘンリー卿の出会い。唐突で、そして衝撃的。それを契機にドリアンは”堕落”していく。
ヘンリー卿は捉えようのない人である。彼の言動は一つ一つが優雅であるけれど、だからといって僕には一貫性があるようには思えなかった。しかし、それでも彼は十分に魅力的で、そしてそれはとりわけドリアンを引きつけた。そして、その価値観には、恐らく多分に作者ワイルドの価値観が反映されている(フェミニストや”正しい”価値観を持つ人からは大いに反感を買うであろうが)。それだけでなく、19世紀末のイギリスの状況も反映されているのだろう。
最後の場面で、ドリアンがなぜ死んでしまったのか、を考えるのは非常に面白いと個人的に思う。裁きが下されたのか。だとしたらそこには、ワイルドの無意識的な恐れといったものもあるのではないか。
総括として非常に面白い作品である。機知に富み、そしてエレガントな文体と台詞。色濃く反映されるワイルドの世界観。何度も読み返したいと思える作品である。