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評価がいいのでちょっと言いにくいんですが、これそんなに面白いかなあ。
たぶんいまのわたしがこういう話の気分じゃないんだと思います。気持ちのいい話ではないですよね。
でもなんだかんだで最後までがーっと読んでしまったわけですから、さすが女王、ということになるのだと思います。
わたしの理解力不足です……
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身近に小児性愛者が住んでいるとわかったら?日本ではありえないだろうけど住民たちが抗議デモを起こすがだんだんエスカレートし暴徒と化す・・
20年ぶり??ぐらいにこの作者の本を読んだのだけど、あれ?こんな感じだったっけミネットウォルターズ。
昔のほうが好きだったのか、自分の好みが変わったのか。
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積読をやっと消化。期待しすぎたかな、。 。
パトリシアコーンウェルを読んだときのどきどき感はなかった。
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英国ミステリの女王の新作。といっても翻訳の上でですが。
推理小説というよりパニックものだからか、翻訳する順番が後になったようです。
スリルと爽快感があり、面白かったですよ。
低所得層が暮らすバシンデール団地。
1950年代に建てられた団地は、しだいに孤独な老人や未婚の母と父親のいない子供でいっぱいになっていた。
通称アシッド・ロウ(LSD団地)というのは、麻薬がすぐに手に入るという意味なのだ。
医師のソフィーは、金持ちが住む街での診察よりもむしろ生きがいを感じていた。
同じような悩みを抱えつつも必死でそれを隠そうとする上流の人間よりも、あっけらかんとたくましい人々に必要とされるほうが付き合いやすかったのだ。
ソフィの患者の一人で未婚の母のメラニーは白人だが、恋人ジミーは黒人で以前の罪で服役して出所したばかり。
大男のジミーは育ちから当たり前のようにぐれて、今も見た目は黒服にゴールドのアクセサリーでいかにも犯罪者だが、メラニーとの間に子供が出来てから1年は改心して真面目に働いていた。
バシンデール地区に小児性愛者が引っ越してきたと情報をもらした人間がいて噂が広まり、近くの団地で10歳の少女エイミーが行方不明になったことから、抗議のデモが始まる。
小さな子供の多い地域から危険人物を追い出そうとするのだが、実際には大人しく、未成年との交際があっただけで、そういう危険のある人物ではまったくなかった。
暴動は酒に酔った2千人の若者が押しかけてバリケードの中に立てこもる状態に発展してしまい、最初にデモを思いついたメラニーらが止めようとしても止まらない。
ソフィーは事情を知らないまま診察に行って、暴徒に囲まれた父子の人質にとられてしまう。
一方、少女エイミーを待ち続ける母のローラ。
弁護士でずっと年上の支配的な夫とは離婚したが、恋人とも別れ、別な男の元に身を寄せている。
ローラとエイミーの家庭の破綻ぶりも、なんともリアルで複雑。
エイミーの周囲の怪しい人物も、危険人物と目された息子と息子よりずっと危険なその父親も、一筋縄ではいかない屈折を抱えた人間たち。
予想される胸の悪くなるような話にはならないのがさすがウォルターズだが、これはこれで軽くはないというのがまた。
天使のような顔をした不良少年ウェズリーは、薬で興奮した状態で暴動をあおる。
恋人メラニーを助けようとして暴動に巻き込まれたジミーは、携帯で警察と連絡を取り、事態を救う重要な役目を期待されることに。
血だらけの大男ジミーを救うか細い老婦人(元看護師)の活躍も。
第7作「蛇の形」と第9作「病める狐」の間に発表されています。
ほぼ毎年、こんな力作を発表しているとは。
2001年の発表当時、犯罪を起こした小児性愛者の名前を公表するという問題が起きていたんですね。
混同された無関係な人が攻撃される事件が、現実にも起きたばかりだったよう。
骨太な作品ですが、緊迫した様子がテンポよく描かれ、ユーモアもあり、気丈なソフィーと気のいいジミーの活躍で、読後感はいいですよ。
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久々にウォルターズを読む。
あらためて見直してみると邦訳はほとんど読んでいる…。
これまでのウォルターズ作品と一味ちがい、スピーディな展開で、つねにアクセル全開という感じ。
でもジェットコースター的なあざとさはないのがウォルターズの巧さだと思う。
これまでの作品と同様、マイノリティーと呼ばれ、世間から忘れられがちな人たちに主眼を置いた作品。
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ウォルターズがデビュー作『氷の家』以来一貫して掲げる3つのテーマ。マイノリティに対する軽視と偏見、弱者に対する支配、そして家族のあり方。(あとがきより抜粋)想像を超える残忍な事件と登場人物の辛さや悲しみに読むのを途中でやめそうになるけれど結末が気になって結局一気読みしてしまう、それがウォルターズのミステリー。次は『破壊者』を読みます。
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登場人物が多すぎて、最後の方まで何をしているのか分かりにくかったですよ。翻訳の問題かもしれませんが〜 最後の方でようやく何とか筋が分かった次第ですよ ミ(`w´彡)
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一気に読んだから面白くなくはないのだと思うが、読後感は「ふーん」。勧善懲悪で話は進み、ヒーローが現れて、お決まりのイノセントだと思った少女は実はビッチ展開。むしろ少女はイノセントのが面白かったとは思う。なかなか誰にも感情移入しづらい。
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初ウォルターズ作品。団地に越してきた親子が女児誘拐犯だと疑われる。不安に思った団地の母親たちは抗議デモを行うが、次第に暴動へと発展していく。
抗議デモのきっかけとなった母親や、暴動を引き起こしたのは普通の人々。全員が強い悪意をもっているわけでもない。それが、数が集まると収拾のつかない流れとなっている様子が面白かった。
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<新ミステリーの女王>としては、何ともミステリーらしからぬ作品を書いたものだ。それもいい意味で。
タイトルのとおり、本書は暴徒に遮断された地区とそこで起きた真実について描かれた作品である。舞台は、最下層の人々の住むバシンデール団地、通称アシッド・ロウ。道路は扇形の外周を回るが、隣地とは壁によって隔てられ、一旦中に入り込むと、外界との交点は非常に少なく、そこが暴徒に制圧されると警察さえも踏み込むことができなくなる厄介な地形である。
暴動が主題となるのだが、暴動の原因は、小児性愛者の父子が他の団地で犯罪を犯し転入してきたという風評。そう、あくまで風評である。風評の原因となった機密事項の暴露者は福祉系の巡回保健師。件の父子の転出元の団地では、あろうことに少女失踪事件が判明しニュース報道でも大きく報じられていた。風評はさらに事実を超えて肥大していった。
暴徒の構成は、残念ながら最下層に住む不良がかった少年たち。幼年たちを含む。そして扇動者は、ヤクでいかれたおよそ一名のサディスト青年。それでも暴徒と化した群衆の圧力は凄まじい。死者11名を出した明石の花火大会歩道橋事故を思い出すといいだろう。その圧力を逃すために家の中を通り抜けて外側に出てゆける人々の流れを作らねばならない。
この種の物語は言わば群衆小説となるのだが、主人公らしき存在がいる。小児性愛者父子の家に知らず踏み入れ監禁されてしまった女性医師ソフィー。小児性愛者の情報をもたらされ、デモを行うことを呼びかけ、暴動のきっかけを作ってしまったことを悔やむゲイナとメラニーの母娘。メラニーの恋人でムショ帰り、更生を誓って八面六臂の活躍を見せるジミー。彼らが思い通りに動けず、暴徒に囲まれ、警察は役に立たず、コントロールを失った現場で動き戦う様子を活写しているのが、本書、なのである。
それと同時に、別の場所、別の団地で、風評の原因となった少女失踪事件についてが、主たるテーマとほぼ同量の扱いで描かれる。複雑に絡み合った事件の真相を執念で追い続ける刑事タイラーの容赦ない捜査が心地よいが、隠蔽しようとする離婚した弁護士の父、そのクライアントで小児性愛者の疑いのある企業家、自立し切れずに混乱する母親と、失踪少女を取り巻く環境は、まるで情念と欲望の坩堝である。こうした環境のもたらす悪徳、といったところを両方の事件を通して、作者は描きたかったのかもしれない。
例によって翻訳の遅い出版社なので、不幸にもこの作者の作品が日本にお目見えするのが相前後するばかりか、非常に年数がかかっている。当時の英国が抱えた真実なのか、今も解決されぬ普遍的な環境悪であるのか、そのあたりの判断がし難いあたり、海外ミステリに手を伸ばそうとせず、こうした重厚な物語の紹介時期を逸してきた出版各社の、まさにこのことこそが環境悪と言いたくなる部分であるのだが……。
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星4つにするか、5つにするか迷った!迷って星5つにした理由は全体に途切れることなく続いた疾走感がたまらなく良かった。謎解きではないが、ハラハラドキドキが止まらない作品でした。
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団地で起きた暴動と少女の誘拐の話が平行して語られる。
いかに人はいい加減かということや、集団の怖さが、それぞれの立場で緻密に描かれていてとにかく濃いです。
小説版「24時間」って感じ。
きっかけは、無責任な人の一言だったんだけど、それが転がっていくというか延焼していくさまがとにかく怖い。
救いが全く見えない状況で、団地の、そして家の中の、閉塞感が半端なかった。
だからこそ、最後がいきてくるんだけどね。
いやあ、ウォルターズ、やっぱりすごいです。
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私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2015.8.8読了
巻末にも書かれていた通り、今までのウォルターズとちょっと感じが違います。
全然、謎解き感はありませんが、場面を切っていって、状況がどんどん変わっていくサスペンス感が楽しめました。少女の事件はあまり書かれなくても良いようなものですが、場面を切るのに有効なんでしょうかね。
文章自体は、ウォルターズで、今までの感じを期待していたとしても充分楽しめました。
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おもしろかった。
集団心理の恐ろしさがとても伝わってきた。
ただ、女児誘拐のほうは今ひとつピンとこなかったかも。
捜査側の詰め方が甘いから?
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これでもか、というげんなり感満載。ウォルターズらしいというかなんというか。
翻訳の順番が、発表の順じゃないことに気がついた。賞をもらって早めに訳されたものもあるのか。ノンシリーズだから、気にならないけど。